High-Speed-Flower
高速メロディックパンクを中心に、メジャーから激マイナーまで、バンドや音源について書き連ねちゃったりしていきます。
CHARLES HÅRFAGER -KNAPRA OCH FLY-


SWEDENには、母国語で歌うバンドも多く、ASTA KASK等がその先駆とされる、'80年代〜'90年代前半、SWEDEN特有の昔ながらの硬派なスタイルの母国語のパンクは、いわゆるTrallpunkと総称されていますが、そういった、Svensk TrallpunkはRADIOAKTIVA RÄKER、STREBERS、DIA PSALMAなどの当時のバンドを指して呼称するものだと思っていましたが、昨今では、初期は母国語バリバリな、SKUMDUMのブレイクなども手伝ってか、新旧問わず、SWEDEN母国語でシンガロングするようなタイプのバンドを総称してTrallpunkと呼称し、パンクの世界では、カテゴライズとして充分に成立する、ポピュラーなものになってきているのも、少し驚きな感じもしますが、最近は方々で紹介され、かなりキテる感じです。一般的にどちらかというと、個性的で、泥臭く、非常に粘り気を備えているイメージなのですが、ハマるとけっこう癖になる方も多いのかも知れません。

そんなわけで、MILLENCOLINのギタリスト兼イラストレーターのErik Ohlssonが在籍していた、このCHARLES HÅRFAGERも、母国語で歌うTrallpunkにカテゴライズされるバンドだと思うのですが、当然、独特の味や、泥臭さといったものも感じはしますが、非常に高速感があり、極めてポップなアプローチも随所に見られ、いわゆる近代メロディック・ハードコアに多大な影響を与える、'90s Sweden Melodic HardcoreとSvensk Trallpunkの中間に位置するようなサウンドやアプローチを持ったバンドだと思います。サウンド的にはTrallpunkのカテゴリーでは、随分とスッキリ、サッパリした感じで、聴きやすいと思います。メンバーはエスキモーみたいで、全然、サッパリしてませんけど。

CHARLES HÅRFAGERは、'89年に結成され、'90年代中盤まで活動していたようです。'94年にEP"Korpen faller"、アルバム"Korpen faller"をリリースし、'95年にこの2nd."Knapra och Fly" をリリースしています。MILLENCOLINのErikは、結成当初のメンバーですが、当時すでにMILLENCOLINも結成されており、このアルバムにもクレジットも無いようなので、サウンド的には参加してないようです。でも、ジャケットのアート・ワークは彼の手によるものなのではないかと思われます。1st.のキッチュな落下傘カラスとか。このアルバムの後、彼らはバンド名をCHARLESに変え、"Orden inom mig"というアルバムをリリースしているようです。

前述したように、このアルバムは、楽曲的に非常に高速感もあり、母国語で歌うボーカルも、その見かけと違い、非常にクリアな感じなので、Trallpunkが苦手だという方でも、すんなり聴けるのではないかと思います。コーラスも泥臭くなく、ツインボーカル的華やかさも見せたり、サウンドもポップ、ストロング織り交ぜたアプローチで、意外に多面性も見受けられます。2曲目など、急速にストロングに攻めてくるかと思いきや、間奏で激ポップにアプローチしてみたりなど、随所にそういった部分が見て取れ、アレンジにもかなりの工夫を感じさせてくれます。また、音の作りも歌と同様にある意味サッパリした感じで、また、メタリックな部分もあったりするので、そういった意味でも今日的なメロディック・ハードコアに近い部分は多く見られます。とはいいつつも、Trallpunk然とした要素も強く持っているので、そういったサッパリしたものを使い、クソハードにアプローチしたりするものもあるので、転がるような、少し泥臭い疾走感といったものも感じられます。ハードとポップ、洗練と泥臭さ、そういったものが混在している感覚は、年代的にも、そうなるのかなと実感したりもします。

KAMELという、たぶんBIRD NESTの傘下かなんかであろうレーベルからリリースされた、CHARLES HÅRFAGERの作品は、当時でもかなり入手に困難を極め、私は静岡だかのレコード屋さんに直接取ってもらって、エラい散財したように記憶しています。BIRD NESTのバンドは最近のTrallpunk流行的な感じも手伝って、努力とマメさとかで、なんとかなりそうな感じではありますが、昔も今もCHARLES HÅRFAGERあたりは、とんとお見かけしないので、なんだかもう、奇跡待ちとかいった言葉が似合います。まともなジャケ画像すら拾えず、初めてジャケットをスキャンするハメになりました。そんな中、どこかのレーベルや、どこかの誰かが、全音源収録とかって、奇跡を起こしてくれないかとか思ったりするのは、奇跡待ちを通り越して、魔法待ちといった、大それた感じがします。

MILLENCOLIN -LIFE ON A PLATE-


先日に続き、MILLENCOLIN 2連発です。私自体、昨日語っていた高速SWEDEN旧御三家で、もっとも思い入れが無いような感じがしてた、MILLENCOLINなのですが、色々と旧作から聴いていたら、やっぱこの2nd.も紹介したくなりました。というか、ヒヨコがかわいいので、ぜひ私のブログにもいてほしいので、ジャケを載せたかっただけかもしれませんが、そんなこと言いつつも、初期〜中期の高速時代において、一般的に、かなり人気の高い作品が、この"Life On Plate"のように感じますが、明るめで、アップテンポの曲が多いこのアルバムは、非常に現代的なメロディック・ハードコア/ポップ・パンク的作風で、それも理解できるような気がします。
そんなわけで、昨日に続き、MILLENCOLIN 、'95年リリースの2nd.アルバム"Life On Plate"です。国内盤は、やはりビクターからで、CDEP"Skauch"がボートラで収録されていました。

1st.のような全面的に泣きといった部分が、幾分抑えられ、前述したように明るめのトーンの曲が多く、ポップさも増し、現代のアメリカのポップ系のメロディック・ハードコアの趣すら感じます。とは言うものの、まだこの頃は、高速感もバリバリ感じますし、高速ナンバーも多く、"Olympic"や"Friend 'till The End"のような、1st.を踏襲した、泣きのメロディック・ハード・ナンバーも健在です。またスカ・フレーバーなナンバーも、かなり疾走感を感じたりする勢いもあるので、曲調的や、音楽性の面で進歩を感じさせつつも、パンキッシュなスピード感は備えているといった、非常にバランスが良い作品だと思います。また明るい曲の中でも、サビや、所々に、ツボをくすぐる泣きメロも覗いたりするので、そういったメロの良さも実感できます。昨日も言いましたが、このバンドは本当に当時のSWEDENのバンドでは、洗練されている曲や、センスを持ったバンドだと思います。アメリカ・ナイズという表現が良いか、悪いかは分かりませんが、もうこのアルバムに至っては、なんかモッサリした発音のボーカルまでも、垢抜けた感じがして、本当にサッパリしたアメリカのメロディック・ハードコアのバンドのような印象を受けます。

以降、'97年の次作、"For Monkeys"では、さらにポップ感が増し、スピード感が少し減退して、'99年リリースの初期からのCDSのコンピレーション、"The Melancholy Cliiection"をリリースした、翌'00年リリースの"Pennybridge Pioneers"では、そのジャケット同様、全ての面において、彼らの方向転換が見られ、初期からのファンには、その評価の分かれていくところではないかと思います。

表ジャケのお皿の上のヒヨコは、裏ジャケの猫だか狼に食われちゃうのかと、なんだか心配したのですが、"For Monkeys"のCDをのけると、中に登場しています。思えば、このヒヨコを前面に見かけなくなったあたりから、MILLENCOLINも方向性が変わってきたのかなという感じがしますが、そのサウンドと同様に、やはり初期のキッチュなイラストのジャケのほうが、好きだったりします。ヒヨコかわいいよ、ヒヨコ。

MILLENCOLIN Official http://www.millencolin.com/
MILLENCOLIN MySpace http://www.myspace.com/millencolin
MILLENCOLIN -TINY TUNES-


何の前触れもなく、突如はじめるSWEDENの旅。とりあえず、なんだか長くなるかもしれませんが、高速メロディック・ファンには、圧倒的に人気の高いバンドも多い、'90年代のSWEDENのバンドについて、メジャー、マイナー、新旧織り交ぜつつ、語りたいなとかとか思っています。まずは、このMILLENCOLINから。
今でこそSWEDENと言えば、ADHESIVEとか、VENEREAとかもキちゃってるみたいですが、私なんかの世代では、SWEDEN高速御三家といえば、先にここでもご紹介した、NO FUN AT ALL、SATANIC SURFERSと、このMILLENCOLINだったりします。現在、NO FUN AT ALLはまぁ、アレだし、SATANIC SURFERSは解散しちゃってるわけですが、このMILLENCOLINは健在で、つい先頃も、ニューアルバム "Machine 15"をリリースしたばかりだし、まぁ、結構なメジャーなバンドになってしまってます。もっとも、その高速感は、初期とは全くと言ってよいほど、変わってしまっているのが少し残念ですが、初期からポップ性といったものは、多分に持っているバンドだったと思うので、そういう音楽性の変遷も理解はできるような気がします。

MILLENCOLINは1992年に、CHARLES HÅRFAGER、SEIGMENN、KUNG PUNGという、3つのバンドで活動していたメンバーを中心に結成され、同年に"Goofy"というデモ・テープを制作。翌'93年に"Melack"というデモ・テープを制作します。デモ・テープや、キャリア以前の3バンドの音源は、彼らの旧サイトで数曲聴くことができます。また、"Melack"は"Signed For Life" という、NO FUN AT ALLなどのBURNING HEARTのバンドが、同レーベルと契約する以前の音源を集めたコンピレーションで、CD化もされましたが、Ppeacemakerという、そのアルバム以外、私も持っていないようなレーベルなので、現在は入手ができるか分かりません。なんだか貧相といってもいいようなジャケだったりするので、中古レコード店とかのワゴンなんかに入ってる感じはします。
そして、バンドはBURNING HEARTと契約し、CDEP"Use Your Nose"をリリース。デモに収録されている曲も、数曲リテイクされています。この頃はまだ、サウンド・プロデュースも、少しモッサリした感じはしますが、この頃から既に、後のブレイクを予感させる、高速からスカ・テイストな曲まで、曲自体は随分とポップで、洗練された感じがします。続く'94年のCDEP"Skauch"では、色んな面で少し洗練されたといったサウンドで、DESCENDENTSのカバーなどもプレイしています。そして、"Skauch"から数ヶ月の後、この1st.full-length"Tiny Tunes"をリリースします。
この、"Tiny Tunes"は、米国などでもEPITAPHを通じて流通され、現在の彼らの世界進出の足がかりにもなった作品ですが、タイトルとジャケが"LOONY TUNES"に似てるとかなんとか、ワーナーが難癖をつけてきたため、アート・ワークが、初版の裏ジャケのバナナピストルを表にして、タイトルを変更することを余儀なくされました。なので、現在のタイトルは"Same Old Tunes"です。一応、私の所有しているものは、画像のオリジナル・ジャケのBURNING HEART盤で12曲入りのものですが、ビクター国内盤には、 "Use Your Nose"も収録されていると思います、多分。でも、なんかジャケはバナナピストルのほうがイカすなぁ、か思ったりもします。なぜかDICKIESを思い出すオジサン。
とまぁ、少し余計なケチのついちゃった1st.アルバムになってしまいましたが、作品的にはケチをつけることができない、'90s SWEDEN Melodic Hardcoreの良作にして、泣きの傑作です。
この作品では、サウンド・プロデュースなども格段に進歩を見せ、ある種アメリカ・ナイズされているといってもいい、彼らの作風は、NO FUN AT ALLとはまた違った意味での洗練を感じさせ、この時点で既にMelodic Hardcoreの世界の土俵に登れるといった、音楽性やアプローチに、当時のSWEDENのバンドでも頭一つリードしているという、センスを感じさせてくれます。ボーカルだけはモッサリしてると思いますが、そこが味でしょうか。オープニングの"Mr.Clean"のような、哀愁炸裂の高速ナンバーが多く含まれ、彼らの泣きメロ高速ナンバーは、非常にカッコ良いモノが多いです。3曲目の"Disney Time"は"Hardcore For The Masses Vol.2"で、この曲の別バージョンを聴いたのが、MILLENCOLINとの初めての出会いですが、ドラマチックで意表を突く展開、THE JAMを彷彿とさせるカッコいいギター・リフでフックをかける、このナンバー、このバンドに、ものすごく新しく斬新な印象を受けました。また高速ナンバーと同様に、スカ・アプローチのナンバーも、楽曲的にも、かなり本格的にスカを消化しているといった感じで、そういった意味でも、アプローチ全てが当時のSWEDENでも、NO FUN AT ALLと同様に、世界基準を満たしているバンドであると思います。   

なんだかMILLENCOLINの、この頃のヤツは今聴くとホント良いですね。やはり'90年代のSWEDENのバンドには、昨今の高速系に無い、独特の味わいというものがありますね。どんなに洗練されようが、アメリカナイズされようが、当然の如く、このMILLENCOLINにも、その味わいといったものを感じます。
なんかいいので、明日もやっちゃうか、MILLENCOLIN。とそんな感じで、SWEDENの旅は、紹介するバンドの高速具合に反して、のんびり、そして、ガッツリと、各駅停車でやっていきます。出発進行!!

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THE ABS -WOP BOP A LOO BOP… A COUGH, WHEEZE, FART!-
ABS -WOP BOP

日本のパンク・ファンの中で、いったいどれくらいの人が、このTHE ABSの廃盤となった作品が聴けるということの喜びに、狂喜乱舞したり、感涙に咽び泣いたでしょうか。かくいう、私も、その中の一人として、多くの人がそうであろうことを、大いに期待するところですが、それはもしかすると大きな勘違いで、国内盤仕様で出すほうも狂っているなら、あまつさえリリース前から、この作品を2008年のベスト・アルバムの上位に放り込もうとしちゃってる、ここにいるキ○ガイとかは、他人さまから見れば、実は非常に滑稽で、そんな人、日本に数えるほどしかいないよって、ツっ込まれちゃったり、ABSとか知らねぇし聴かねぇよとかって、言われちゃったりすると、オジサンは悲しい気持になってしまうのですが、このABSの"Wop Bop A Loo Bop... A Cough Wheeze Fart!"。この作品のリリース自体、そして現代おいて、この音源の存在自体が、すでに神々しいまでの、輝きを放ち、熱いパンク魂の飛沫をまき散らし、全ての日本のパンクスの...いや、間違えた、私の魂の熱望に見事応えた、意義ある一枚というか、ダブル・ディスクであるとご理解いただきたい所存です。

以前、ここでもレビューした、1st.アルバム"Mentalenema"は当然のごとく、夢にまで見た2nd."Nail It Down"、入手など常に絶望的な1st.7inch"Grease Your Ralph"のB面、12inch"Turbosphinct"さえも収録な上に、ファンジンの付録7inchの曲までも収録し、あまつさえ、JOHN PEEL SESSIONの音源や、未発表LIVE音源までもが、これでもかと叩き込まれたばかりか、WATERSLIDE RECORDS/BOSS TUNEAGE JAPANのオーナーのライナーに、BAZ(Vo./G.)自身による、ナニのデカさを誇示する、素晴らしいインチキBioに、帯までが付いた国内盤、嗚呼、鼻血も出そうな入魂の2枚組。
とは言いつつも、1st.7inch"Grease Your Ralph"からは、"Shift..."のみで、ファンジン付録の"Face The Facts"の"Clinkers In My Clefts"は、LIVE音源のみなのですか?"Underground Rockers"に収録されていた、"Fear Is The Key"と"Englebert Humperdrink's Racing Pigeon"の別バージョンが入ってないではないですか!?と、網羅というには、少し納得のいかないところがあるのですが、何とかしてほしいです。THE ABSの全てが手に入れたいです。何度だって付き合いますし、金も落としますから、無理を承知でお願いしたい、ザ・レジェンド・オブ・コンプリートTHE ABSとかって出してください。ここまで音源を集めていながら、収録されてないバージョンや、曲が少しでもあるという、理由が聞きたいです(半泣)メンバーがマスターとか持ってなかったのでしょうか、酔っ払いだから。

気を取り直して解説。PEEL SESSIONの音源から始まる一枚目。貴重音源な上、音質自体も非常にクリアで、演奏も素晴らしく、仰る通り、PEEL SESSIONの音源にハズレはありません。
そして5〜12は、ここでも以前取り上げた、パンクの名盤、1st."Mentalenema"。オリジナルを持っていても、何度聴いても素晴らしいアルバムです。未聴の方はこの音源を聴くためだけでも、今回のリイシューを入手する価値は十分にあります。初期THE ABSの魅力、そしてパンクの醍醐味の詰まった作品です。
続く、13〜16は、私も初めて聴いた12inch"Turbosphinct"の全4曲。カッコいいです。いや、本当に。スピーディーな曲が多く、少し荒っぽさのようなモノも見え、1st.にも匹敵する、パンクを感じ、シビれました。
17は、1st.7inchの、ディレイ・ギターに、ベース・ラインもスリリングな味わいといったB面収録曲。
18は、一生めぐり合うことなど不可能であろうとさえ思われた、Sniffin Rock Magazineというファンジンのおまけ7inchの曲です。神様ありがとう。パンク的な刻み疾走感がたまりません。
19、20は未発表のLIVE音源2連発。ウェスタンでカントリーな大人の遊び心の19曲目。初期パンクの衝動を感じさせる20曲目。
そして、Disc-2。もう、幻であり、悲願の2nd.アルバム、"Nail It Down"。CDのみの収録曲であった曲も含み、その全12曲を網羅。この音源からベーシストが、チェンジしてるらしく、ビジー・ベースには違いないのですが、少し丸い音で、初期の作品のように、前面で引っ張りまくる感じではありません。もっとも、この2nd.アルバムからは、ライナーにも書かれてあるとおり、大人になったサウンドといった趣で、少し落ち着いた感があるので、そういった意味では、しっくりくると思います。ABS解散後のメンバーのキャリアとなる、Dr.BISONの影も見え隠れしています。しかし、BISONほど、渋い感じはなく、心地よい疾走感といったナンバーや、哀愁を感じさせつつも、明るめの曲調も多いです。また、圧倒的な高速感といったものが、抑えられている分、余計にその深い味わいのボーカルが、メロディーとともに全面に押し出され、非常に印象に残ります。10曲目のような大人のナンバーでは、その歌唱の魅力とテクニックが、いかんなく発揮されています。高速感を抑えていると言いつつも、4曲目や、8曲目のような、彼ら独特の高速アプローチもあるので、曲調も随分とバラエティーに富んでおり、彼らの懐の深さといったようなものも垣間見れます。パンクのイメージを部分的に踏襲しつつも、よりUKメロディックを意識させる仕上がりになっている作品であると思います。4曲目、"Englebert Humperdrink's Racing Pigeon"の途中少し落とすアレンジや、ギターの被せ方など、工夫もみられるのですが、やはり、この曲に関しては、"Underground Rockers"に収録されているバージョンが、ストレートかつ圧倒的高速感を誇っていると思うので、かなりバージョンの違うこの曲を、多くの人に聴き比べていただくためにも、収録していただきたかったところではあります。
そして、アップ・テンポな13曲目からラスト、20曲目までは、LIVE音源なのですが、完成度の高い未発表曲も多く、なにかとコンディションの良い音源なので、ファンとしては、実に最後まで、楽しませていただける作品だと思います。

ライナー最後のG○Nは、当然、アレですよね。もう、どこまで、WATERSLIDE RECORDS/BOSS TUNEAGE JAPANは、私の胸中を察してくれるのかと、失禁してしまいそうです。同人誌のマンガのようなダメアニメイラストの、ジャケのアナログ盤をターン・テーブルに久々に乗せようとしましたが、そういうことなら、御馳走は少し後にしましょう。
そう言えば、ONE CAR PILE-UPすら、廃盤になってしまったらしく、またもCDを買い逃してしまった私。 ONE CAR PILE-UPも国内盤でお願いしたいですorz

THE ABS、Peel Session http://rareindie.blogspot.com/2007/09/abs-peel-session.html


NON SUFFICIENT FUNDS -HOOKED ON ADDICTIONS-
NON SUFFICIENT FUNDS

久々にBells On Recordsさんの新譜を。新譜といっても2004年の作品なのですが、なんといっても、元々のリリース自体が、あのFREEDUMBだったりするので、なんとも入手しづらいこと、この上なかったわけですから、今回のボートラまで入った、国内盤の発売はうれしいかぎりです。カナダのカッコいいバンドを多く擁しているFREEDUMBですが、それこそお店に頼んだところで、いつまでたっても入荷しないし、巡り合うのに運とかが左右されちゃたりするしで、なんとも面倒くさく、このバンドの音源も、そこかしこからDLしてきた、バラのmp3を、HDに放り込んじゃってるもんだから、ま、いっか、てな気になってたのですが、せっかく入手しやすい国内盤となれば、当然の如く手を出してしまう、持っておきたいアルバムです。

MySpaceに10 Yearsってあるので、結成は'98年ですかね。4人編成のドラム・ボーカルです。きちんとした音源のリリースも、この作品だけだと思いますし、現在も目立った活動はないようです。
方々で言われているとおり、昨今の巧いバンド慣れしている耳には、ツっ込むところは多々あるのかもしれませんが、私的にはけっこう普通に聴ける範囲だったりします。イントロや間奏が長く、色々と手の込んだことをやってみたり、チョーキングとか、ワウとかが古ダサカッコよかったりと、私的には何かとステキで、また、ショボい感じとかではないので、心配は無いと思います。いろんな意味で、味というのが出ていると思います。カッコいいパンクバンドというは、ある意味ツっ込みどころがあるくらいが魅力的です。'90年代のSWEDENのバンドや、UKショボ高速系のバンドしかりです。そして、彼らには類まれなると言ってもいいほどの、メロディー・センスがあります。その叙情的なメロディーに、ドラマチックな展開と言えば、'90年代のカッコいいバンドを彷彿とさせますが、ある種の懐かしい感じというのは、そういった、'90年代のバンドに通じる部分があり、彼ら自身がインスパイアされていると公言している、'90s Likeなサウンドの、少しの拙さや、染みるメロディーといった、必要十分条件を兼ね備えています。

本当にこのバンドは、イントロや、間奏が長い部類に入ると思うのですが、アレンジの運びが良いので、それをドラマチックに聴かせることができます。歌い出し、サビ前後の落とし、サビの盛り上げ方、コーラスの煽り、サビの後に大サビといった、劇的な展開は抜群です。エッジやフックの鋭さといったものを求めると、難はあるのかもしれませんが、楽曲自体にフック感覚があるので、むしろ多少の緩さといった感じが、このバンドをより'90sっぽくしていると思います。充分に疾走感も表現できていて、非常に心地良いテンポに感じます。ボーカルにさほど大きな特徴が無いにも関わらず、歌モノ的なメロディック・ハードコアの良作といったイメージが強かったりするのは、そのメロディーの良さという部分が大きいでしょう。

"I Hear Your Cries"は、つい繰り返して聴きたくなるような、グッとくるサビのメロディーや、少し繊細で、劇的なアレンジと、このバンドの魅力が凝縮されたような、叙情高速メロディックの名曲だと思います。
この曲には、なぜか日本の'70年代の香りなんかもしちゃいます。それは、昔のテレビドラマの主題歌なんかを思わせる、侘びて寂びるメロディーのエグりと、ギターのフレーズのせいだと思います。なにかと、染みる一曲です。

NON SUFFICIENT FUNDS MySpace http://www.myspace.com/nonsufficientfunds