High-Speed-Flower
高速メロディックパンクを中心に、メジャーから激マイナーまで、バンドや音源について書き連ねちゃったりしていきます。
THE ABS -WOP BOP A LOO BOP… A COUGH, WHEEZE, FART!-
ABS -WOP BOP

日本のパンク・ファンの中で、いったいどれくらいの人が、このTHE ABSの廃盤となった作品が聴けるということの喜びに、狂喜乱舞したり、感涙に咽び泣いたでしょうか。かくいう、私も、その中の一人として、多くの人がそうであろうことを、大いに期待するところですが、それはもしかすると大きな勘違いで、国内盤仕様で出すほうも狂っているなら、あまつさえリリース前から、この作品を2008年のベスト・アルバムの上位に放り込もうとしちゃってる、ここにいるキ○ガイとかは、他人さまから見れば、実は非常に滑稽で、そんな人、日本に数えるほどしかいないよって、ツっ込まれちゃったり、ABSとか知らねぇし聴かねぇよとかって、言われちゃったりすると、オジサンは悲しい気持になってしまうのですが、このABSの"Wop Bop A Loo Bop... A Cough Wheeze Fart!"。この作品のリリース自体、そして現代おいて、この音源の存在自体が、すでに神々しいまでの、輝きを放ち、熱いパンク魂の飛沫をまき散らし、全ての日本のパンクスの...いや、間違えた、私の魂の熱望に見事応えた、意義ある一枚というか、ダブル・ディスクであるとご理解いただきたい所存です。

以前、ここでもレビューした、1st.アルバム"Mentalenema"は当然のごとく、夢にまで見た2nd."Nail It Down"、入手など常に絶望的な1st.7inch"Grease Your Ralph"のB面、12inch"Turbosphinct"さえも収録な上に、ファンジンの付録7inchの曲までも収録し、あまつさえ、JOHN PEEL SESSIONの音源や、未発表LIVE音源までもが、これでもかと叩き込まれたばかりか、WATERSLIDE RECORDS/BOSS TUNEAGE JAPANのオーナーのライナーに、BAZ(Vo./G.)自身による、ナニのデカさを誇示する、素晴らしいインチキBioに、帯までが付いた国内盤、嗚呼、鼻血も出そうな入魂の2枚組。
とは言いつつも、1st.7inch"Grease Your Ralph"からは、"Shift..."のみで、ファンジン付録の"Face The Facts"の"Clinkers In My Clefts"は、LIVE音源のみなのですか?"Underground Rockers"に収録されていた、"Fear Is The Key"と"Englebert Humperdrink's Racing Pigeon"の別バージョンが入ってないではないですか!?と、網羅というには、少し納得のいかないところがあるのですが、何とかしてほしいです。THE ABSの全てが手に入れたいです。何度だって付き合いますし、金も落としますから、無理を承知でお願いしたい、ザ・レジェンド・オブ・コンプリートTHE ABSとかって出してください。ここまで音源を集めていながら、収録されてないバージョンや、曲が少しでもあるという、理由が聞きたいです(半泣)メンバーがマスターとか持ってなかったのでしょうか、酔っ払いだから。

気を取り直して解説。PEEL SESSIONの音源から始まる一枚目。貴重音源な上、音質自体も非常にクリアで、演奏も素晴らしく、仰る通り、PEEL SESSIONの音源にハズレはありません。
そして5〜12は、ここでも以前取り上げた、パンクの名盤、1st."Mentalenema"。オリジナルを持っていても、何度聴いても素晴らしいアルバムです。未聴の方はこの音源を聴くためだけでも、今回のリイシューを入手する価値は十分にあります。初期THE ABSの魅力、そしてパンクの醍醐味の詰まった作品です。
続く、13〜16は、私も初めて聴いた12inch"Turbosphinct"の全4曲。カッコいいです。いや、本当に。スピーディーな曲が多く、少し荒っぽさのようなモノも見え、1st.にも匹敵する、パンクを感じ、シビれました。
17は、1st.7inchの、ディレイ・ギターに、ベース・ラインもスリリングな味わいといったB面収録曲。
18は、一生めぐり合うことなど不可能であろうとさえ思われた、Sniffin Rock Magazineというファンジンのおまけ7inchの曲です。神様ありがとう。パンク的な刻み疾走感がたまりません。
19、20は未発表のLIVE音源2連発。ウェスタンでカントリーな大人の遊び心の19曲目。初期パンクの衝動を感じさせる20曲目。
そして、Disc-2。もう、幻であり、悲願の2nd.アルバム、"Nail It Down"。CDのみの収録曲であった曲も含み、その全12曲を網羅。この音源からベーシストが、チェンジしてるらしく、ビジー・ベースには違いないのですが、少し丸い音で、初期の作品のように、前面で引っ張りまくる感じではありません。もっとも、この2nd.アルバムからは、ライナーにも書かれてあるとおり、大人になったサウンドといった趣で、少し落ち着いた感があるので、そういった意味では、しっくりくると思います。ABS解散後のメンバーのキャリアとなる、Dr.BISONの影も見え隠れしています。しかし、BISONほど、渋い感じはなく、心地よい疾走感といったナンバーや、哀愁を感じさせつつも、明るめの曲調も多いです。また、圧倒的な高速感といったものが、抑えられている分、余計にその深い味わいのボーカルが、メロディーとともに全面に押し出され、非常に印象に残ります。10曲目のような大人のナンバーでは、その歌唱の魅力とテクニックが、いかんなく発揮されています。高速感を抑えていると言いつつも、4曲目や、8曲目のような、彼ら独特の高速アプローチもあるので、曲調も随分とバラエティーに富んでおり、彼らの懐の深さといったようなものも垣間見れます。パンクのイメージを部分的に踏襲しつつも、よりUKメロディックを意識させる仕上がりになっている作品であると思います。4曲目、"Englebert Humperdrink's Racing Pigeon"の途中少し落とすアレンジや、ギターの被せ方など、工夫もみられるのですが、やはり、この曲に関しては、"Underground Rockers"に収録されているバージョンが、ストレートかつ圧倒的高速感を誇っていると思うので、かなりバージョンの違うこの曲を、多くの人に聴き比べていただくためにも、収録していただきたかったところではあります。
そして、アップ・テンポな13曲目からラスト、20曲目までは、LIVE音源なのですが、完成度の高い未発表曲も多く、なにかとコンディションの良い音源なので、ファンとしては、実に最後まで、楽しませていただける作品だと思います。

ライナー最後のG○Nは、当然、アレですよね。もう、どこまで、WATERSLIDE RECORDS/BOSS TUNEAGE JAPANは、私の胸中を察してくれるのかと、失禁してしまいそうです。同人誌のマンガのようなダメアニメイラストの、ジャケのアナログ盤をターン・テーブルに久々に乗せようとしましたが、そういうことなら、御馳走は少し後にしましょう。
そう言えば、ONE CAR PILE-UPすら、廃盤になってしまったらしく、またもCDを買い逃してしまった私。 ONE CAR PILE-UPも国内盤でお願いしたいですorz

THE ABS、Peel Session http://rareindie.blogspot.com/2007/09/abs-peel-session.html


UKメロディック編 総括
とまあ、7日間に渡り、UKメロディックのバンドをとりあげてみたのですが、この辺り詳しい人だったりすると、ご不満の向きもあるのではないかとか、思ったりもしないではないのですが、あくまで私の暴走の赴くままに、バンドをチョイスしてみました。中には、常識ではありえないモノもありますね。ABSだとか、SENSELESS THINGSとか、SENSELESS THINGSとか、SENSELESS THINGSとか、SENSELESS THINGSとか....とまぁ、そんなのもいいかなとか思いつつ、毎日更新はキツいっすなぁ。どうにか、集中力が続き、ある程度、自己満足的に完結できた感もあるので、そろそろ通常営業に戻します。
このまま、GOOBER PATROLとか、DR.BISONとかと、なだれ込んでもいいのですが、それはまた、おいおい書きます。T4 PROJECTとか、もう、とっくに届いてるし、新しい荷物、聴いてないのがあるしで、なにかと忙しいです。新しいのも聴きたくなりました。
またいろいろと、シリーズ的には、UKメロディックほど続かないかもしれませんが、.ルーツ・オブ・USメロディックだとか、'90sスウェーデン特集だとか、なんか、いろいろとやってきたいなとは、考えております。そのためと、項目開けばかなり見やすくなることが予想されたため、Modernのカテゴリーを増やしてみました。自己満足です。これからも勝手に頑張っていきたいと思います。

そんな中、ほぼ毎日更新というのは、続けていきたい所ではあります。でも、たまには休むかな、やっぱ。まぁ、毎日更新といっても、ヨタ話は挟みますけど、必ず。次は、そろそろ、そんなヨタ話です。せっかくUKメロディックという料理を毎日コツコツ並べておいて、そのちゃぶ台を思いっきりひっくり返すことうけあいです。というか、どうもひっくり返したくなるし、ひっくり返すクセがあります。
というわけで、今後も自己中心的に、頑張っていく所存ですので、お付き合いのほど、よろしくお願いします。

GUNS'N'WANKERS
G'N'W

GUNS'N'WANKERSは、SNUFFのDuncanが、SNUFFを一時解散していた'93年〜'94年に活動をしていました。彼らの残した音源は、"Pop"、"Hardcore"、"Metal"という3枚のEPと、"Fears And Oathing"というファンジンの付録の"Silly"というEP、の4枚のEPの音源が、存在すると思うのですが、GUNS'N'WANKERSは、その活動期間の短さと、音源の少なさにもかかわらず、初期SNUFFと同等と言ってもいいほど、高く評価できる、UKメロディックのバンドのひとつであると思っています。

その全てが、7インチアナログの彼らの音源は、"Pop"、"Hardcore"、"Metal"から、"Metal"の"Ever Green"という曲を除き、日本ではSnuffy Smileが、イギリスではRugger Bugerが、それぞれCDとしてリリースしていましたが、現在はかなり入手が困難らしく、FatWreckChordsの、"Metal"の3曲を除いた、最も収録曲の少ない、US盤"For Dancing And Listening"のみが、現在、輸入盤として入手可能です。"Metal"はシングルを掘る以外ないです。また、最も入手が困難であろう、"Silly"の2曲は、デジタル音源としては、やはり、Snuffy Smileが、コンピレーション"The Best Punk In England, Son"に、"Gilette"を収録、"Bing Bong"は、タイトル忘れてしまった上に、どうにも見当たらない、USのコンピに収録されていたと思うのですが、多分、デジタル、アナログとも、入手は困難を極めると思います。"Silly"はどうでもいいっちゃあ、いいのですが、"Gilette"はカッコいいのだけど、短いですし、"Bing Bong"は、まぁ、アレですし。ただ、正規の3枚のシングルのほうは、機会さえあれば、ぜひとも聴いてほしいと思います。特に名曲が揃い過ぎの"Pop"は必聴です。まぁ、そう言った意味では、"For Dancing And Listening"で我慢はできるかもしれません。まぁ、しかし、あそこまで変質的に初期音源を集めて、リリースしてるFATなのに、なぜ削っちゃってるのか、少し理解に苦しみますが。

Duncanは、このGUNS'N'WANKERSでは、ギター&ボーカルを担当しており、まぁ、その巧さ、メタリックさに舌を巻きます。本当になんでも人より巧くこなしてしまいます、この人は。そして、SNUFF節も顕在な、彼のボーカルによる、極上哀愁メロディーは、GUNS'N'WANKERSにおいても、炸裂し放題に、炸裂しています。
Duncanのギターは、実にSimonよりも、さらにメタリック・エッジが効いていて、そういった意味でも、良くGUNS'N'WANKERSは、SNUFFよりもメタルっぽいとの風評も、良く耳にしますが、音だけを語るならば、新しかったSNUFFの音を、さらに新しくしているともいえ、また、メロディアスな曲は、このGUNS'N'WANKERSも、この上無く、メロディアスであり、そういった意味で、捉え方を変えれば、明らかにSNUFFの延長線上に位置するサウンドと言え、既に幻となった、初期SNUFFの幻影を、Duncanが体現してみせたサウンドと、ロマンチストな夢想をしてみるのも一興かとは思います。しかし、GUNS'N'WANKERSは、それ単体においても、超極上のUKメロディック・バンドと、私は断言して憚りません。

ここでは、私が所有している、Snuffy Smile国内盤に付随して、お話を進めていきます。そのオープニングを飾る一曲目 "Nervous"("Hardcore"収録、以降、収録EPをHC、M、P、と記載します)は、そのメタリックな刻みで、高速感のある、フックの効いた、メロディック・ハ−ドコアナンバーです。と簡単に言っても、当時としては、ギターがザクザクだし、かなり驚かされました。続く"Skin deep"(P)では、ガッチリと、クールな哀愁で疾走。"Blah Blah Blah"(HC)はなぜ、"Hardcore"に収録されていたのか、よくわからない、ポップなメロディック・ナンバーです。そして、"668"(M)。グラインド丸出しです。SNUFFでも、それっぽい感じの曲はありますが、G'N'Wのほうが圧倒的にメタリック・グラインド・コアです。続き"Surprise"(HC)はまさに、ハードコアという感じですが、もう、音と速度が、最近のメロディック・ハードコアと差異がないです。。そしてポップナンバー"Raise Your Glass(P)"、"Reach"の楽曲を彷彿とさせる哀愁メロディーの"Sunstroke"(P)と、メロディアス・ナンバー連発です。で、思うのですが、GUNS'N'WANKERSのミディアムや、少しアップといった曲は、速度を落としても、かなり疾走感を感じさせます。そこら辺、私的には、とてもたまらなく魅力的に感じるのですが、Duncanのギターもそうですが、サウンド作りと、演奏が、他の二人も相当に巧いと思います。で、次はまたもグラインド・フックな"Incoming"(M)。そして、野太いベースから始まる、実にハードコアな雰囲気を携えながらも、ポップ感さえある、"Blows away"(HC)ときて、ラスト、メガ・メロディアス"Help"(P)で、ポップかつメロディアスに締めます。
EPをまとめている作品なのですが、このSnuffy Smile国内盤及び、Rugger Buger UK盤は、曲順も実にしっくりきますし、アルバムとしてもバランスが取れているので、実に聴きやすく、素晴らしい作品であると思っています。SNUFFが持っていたような、ある意味での緊迫感や、緊張感が、このGUNS'N'WANKERSでは、その音とは反対に、あまり感じられず、メンバーが楽しんでいる感の方が、圧倒的に大きいように感じられ、聴いているこちらも、楽しみながら聴けるといった、そういった意味で、SNUFFとは、別の魅力や醍醐味が感じられ、その完成度の高い、ポップさ、ロックさは、まさに超極上のUKメロディックです。

SNUFFがシーンからその姿を消していた時期、GUNS'N'WANKERSの前に、DuncanとSimonは、'92年にWat Ttlerとともに、URIN8というユニットで、"Bizarresque"EPをリリースしていますが、一時的な遊びのようで、そのEPをリリースしたのみの活動に終わります。この"Bizarresque"EPのA面は、モロにSNUFFといえるナンバーなので、機会があれば聴いてみてください。当時は楽に入手できたのですが、このEPもB面がかなりアレなので、G'N'Wの"Silly"同様、高額を支払ってまで、手に入れるのは、あまりオススメできませんね。
GUNS'N'WANKERSは、'04年頃に再結成の噂もあったようですが、ベーシストの病気などもあり、実際は、'94年以降、活動やリリースがありません。GUNS'N'WANKERSが再び結成され、この時代にどんな音を出してくるのか、興味深いことこの上なく、なにかの間違いでもいいので、ぜひ奇跡の復活を、気長に待ちたいところです。
この辺のお話を、さらに深く知りたい方は、SNUFFの日本ファンサイト、SNUFFLEや、UKメロディックに
造詣の深い、The Best Punk Rock In Englandなどのサイトを覗いてみることをオススメします。非常に興味深いお話が書かれています。


SNUFF -REACH-
reach

当時、SNUFFが解散したというニュースは、その失望と、喪失感で、私をかなりヘコませてくれました。それほどまでに私は、"Snuff Said..."を聴いて以来、SNUFFが創り出す、新しいサウンドを、新しい曲を、心待ちにしていました。
'92年リリースの、この"Reach"は、'91年にレコーディングされ、SNUFFが一時解散した後に、リリースされた作品です。当時、元THE JAMのメンバーがミックスダウンするなど、様々な噂も流れ、また発売されるのかどうかも不明といった、噂すら流れる始末。しかし、実際は、LEATHERFACEのフランキーらの手を借り、仲間内だけで仕上げたそうで、どうにか埋もれることなく、SNUFFのニューアルバム"Reach"は我々の元に届けられました。私は期待と喪失感とが、ない交ぜになった、なんとも言えない心境で、この"Reach"を聴きました。それ以前も、それ以降も、この時のような感情で、新しい音源を聴くことなど、全く持って経験していません。

しかし、この"Reach"は、そんな私の失望感や、喪失感を、吹き飛ばしてくれるかのような、まさにSNUFFといった、1st."Snuff Said..."にも匹敵する、素晴らしい作品でした。
高速ナンバーではありませんが、実に彼ららしい刻みの"I Know What You Want"で幕を開け、炸裂する哀愁"Teabag"、そして、SNUFFの本領発揮とも言える、"Damage Is Done"、"Spend, Spend, Spend"超高速パンク瞬間芸コンボ、その短く高速の曲の間に、ドラマチックかつ、起伏にとんだアレンジを展開する、まさにSNUFFの真骨頂です。そして、ハモンドとダイナミックな演奏が見事に噛み合った、"If I Tried"。私はSNUFFの、スピードを殺した曲の中で、断然、この"If I Tried"が大好きです。続く"Hellbound"では、カテゴライズを握りつぶす、メタリックでダイナミックな演奏を展開、緊迫感や、軋轢を感じさせたかと思えば、"That's Fine"で、広大な風景を思わせる、叙情感を披露する。そして、Stop & Goな超高速"It's You"、哀愁パンク・ミディアム"Bingo"、またも歌い上げる高速ナンバー"Ichola Buddha"ときて、テクニカルな演奏とアレンジが凝縮された、彼ららしいインスト"Porro"をはさみ、シニカルな歌詞にもかかわらず、明日への希望を感じずにはいられない、"Sweet Dreams"で幕を閉じる。もう、国内盤のボートラが蛇足に感じるほどです。あ、いや、それはそれでうれしかったのですが。あぁ、もう、カッコいいです。アルバムとして、完璧すぎます。もう、私の文章もなんか、昔のシンコーミュージックの人みたいです。私はアルバムとしてなら、その衝撃の1st."Snuff Said..."よりも、この"Reach"のほうが、好きかもしれません。いや、待ってください、選べません、どっちも好きです。もう、この初期オリジナル・メンバーのSNUFFが出す音と曲こそが、いろんな意味で、正解で、ど真ん中で、ストライクで、もう、私の脳髄をグリグリします。...すみません、少し興奮して、取り乱してしまいました。

このアルバムの後、DuncanはGUNS'N'WANKERSを結成、そしてまた、SNUFFを再結成し、今もなお活動を続け、SimonはYOUR MUMそして、SOUTHPORTへと参加、AndyはLEATHERFACEに参加、POPE、JESSEと、Frankie Stubbsと活動を共にし、オリジナル・メンバーは異なる道を歩み始めるのですが、このオリジナル・メンバーのSNUFFは、私にとっては、本当に特別な存在だったりします。しかし、もう一度、このメンバーのSNUFFが見たい、聴きたいと願っても、Andyが亡くなってしまった今、その願いは叶うはずもありません。

知らずしらずのうちに、時は過ぎ、時代は変わり、そこに在るはずのものも、失われてしまうこともあります。年を取るということは、少しづつ、希望や、願いを喪失していくことかもしれません。そんなことを考えながら、なぜか思いだしたけど、"Too Late"の歌詞はなんとも深いな。


CHINA DRUM -GOOSEFAIR-
GoosefairGoosefair

China Drum


「奴らのステージを見た時は、あまりのかっこよさに、俺はバンドをやめようかと思ったぐらいだよ」この、言葉は、LEATHERFACEのフランキーが、CHINA DRUMについて語ったという、初期のシングルコンピレーション、日本デビューアルバムとなる"Rolling Hills and Soaking Gills"('95)の、国内盤ライナーからの引用です。
彼ら、CHINA DRUMも何故か、最近あまり語られる事もなく、時代に埋もれてしまった感すらありますが、私は、初期から、この時期のCHINA DRUMこそが、真のエモーショナルであり、UKメロディックという形容が、最も相応しいバンドのひとつではないかと思っています。

CHINA DRUMは'89年、スコットランドに近いイングランドで結成され、'93年、EP"Simple"をリリース、その翌'94年には、自主制作シングルのみの、リリースでありながら、GREEN DAYのEUROツアーのサポートも努めるなど、LIVEバンドとして、早くも注目を浴び始め、続き、"Great Fire"('94)、"Barrier"('95)、"Fall Into Place"('95)と、EPリリースを重ね、SNUFFや、LETHERFACEより一足早く、米国デビューさえ果たしました。そんな彼らの、待望のフルレングスにして、おそらく最高傑作と言えるであろうアルバムが、この'96年リリースの "Goosefair"です。

原盤オリジナルの14曲に、EPのサブトラックや、シングルバージョンを7曲、ボーナストラックとして、ふんだんに盛り込んだ、徳間ジャパン国内盤は最強です。それまでの一部パンキッシュな音や、ドライブ感といったものは、そのライナーに記されているとおり、確かに質感が変わっているのかもしれませんが、ミッドとスローが中心であるとは言え、その素晴らしすぎるメロディーと、充実したサウンドは、まさにこの"Goosefair"で、ほぼ完成をみていると思います。
初期シングルのリテイクを多く含んだ、この"Goosefair"は、まさにCHINA DRUMの初期のベストといってもいいほど、トータル的にも質が高く、初期のナンバーのリテイクは、その荒さや、初期衝動といったものは、失われているかもしれませんが、実に丁寧に録りなおされています。また、その演奏はシンプルでありながら、工夫をこらしたアンサンブルで、時に隙間を利用し、時に音を積み重ね、トリオ・パンドの魅力を引き出しています。ちなみにベーシストと、ギタリストは兄弟です。そして彼らも、ドラム・ボーカルなのですが、もう、なんでドラムの人は、こうも歌がうまいのでしょう。このアルバムにおける、彼らの演奏は、スローの曲などは特に、ロックというサウンドでありながら、旋律といった風情すらあります。私は、この時期の彼らの作るメロディーこそ、泣きメロであると認識しています。その哀愁のたっぷり詰まったサウンドは、歌物としてのUKメロディック・サウンドの醍醐味を、充分すぎるほど発揮しています。
先行シングルでのリリースもあった、オープニングナンバー、"Can't Stop These Things"の哀愁たっぷりの、疾走感に始まり、"Cloud 9"と飛ばして、"Fall Into Place"などの初期のリテイクを、多少落ち着いたアレンジで聞かせ、"Biscuit Barrel F. M. R. "でフックをかけ、バラエティーに富んだアレンジのミディアムをじっくりと、"Take It Back"で少し加速したかと思えば、初期のパンキッシュ・ナンバー"Meaning"を、なんとコースティック・ナンバーで歌い上げ、バラードで締める。う〜ん、カッコよすぎで、シブすぎです。そして、それだけでは終わらない徳間国内盤は、かなり名曲の数々である、EPサブトラックのつるべ打ち。美しい曲が、さらに美しい "Last Chance"の7インチB面バージョンと、"嵐ヶ丘"のカバーは、本当に入れてくれてありがとう、です。

彼らはこの後、'97年リリースの2nd."Self Made Maniac"でも、さらにその音の質感を変換していき、パーカッシヴなドラムアレンジや、かってないほどの、エッジを効かせた曲があったりと、実験的な試みも見せ、なんとも掴みどころの難しいサウンドでありながら、トータル的には、ある種、アメリカン・ロック的な、ホピュラーな展開を見せます。しかし、彼らの作り出す、素晴らしいメロディーは健在で、"Goosefair"ほど、ドラマチックではないかもしれませんが、充分に良作といえる作品です。
しかし、"Self Made Maniac"以降、とんと、そのバンド名すら、耳にしなくなります。バンド名をCHINA DRUMから、THE DRUMに改名して、活動を続けているらしいですが、そのサウンドは、CHINA DRUMとは全く、別のモノだそうです。
美しい思い出を、美しいままで取っておきたい、ロマンチスト(笑)の私は、THE DRUMを聴いたことがありません。