High-Speed-Flower
高速メロディックパンクを中心に、メジャーから激マイナーまで、バンドや音源について書き連ねちゃったりしていきます。
HÜSKER DÜ -ZEN ARCADE-
Zen ArcadeZen Arcade


HÜSKER DÜはアメリカ、ミネアポリスでBob Mould (G.&Vo.)、Greg Norton(B.)、Grant Hart(Dr.Vo.)の3人により、1979年に結成されたパンク・バンドで、SNUFFやLEATHERFACEが登場したときも、よくそのサウンドを形容されたりと、いわゆるメロディック・ハードコアの祖にして、先駆といったイメージで、現代のメロディック・ハードコアのバンドにも、大きな影響を与えたと同時に、後のグランジといった一世を風靡したバンドたちも、そのインスパイアを語るバンドも多く、そういった現代のオルタナティヴのシーン全般に多大な影響を及ぼしたバンドでもあります。
それにしても、一時期は違いましたけど、現代のメロディック・ハードコアや、ポップ・パンクといったバンドで、アメリカのバンドより、むしろイギリスなどのヨーロッパのバンドに、HÜSKER DÜの影響を受けているバンドが多いような気がするのは、やはり、彼らのサウンドが持つ、暗さや、哀愁といったものが大きく影響しているのではないかと考えると、非常に興味深いところではあります。ここ最近、かなり明るく、ポップに爽快なイメージすら、感じさせるバンドを取り上げてきましたが、今日はひとつ、日頃の私らしくグッショリと湿った感じで、久々にちょいダークに濡らしあげていきましょう。

'81年にリリースされた、Live録音の1st.アルバム"Land Speed Record"で、彼らは後の叙情的でメロディアスな作品からは、想像もつかないような、ラウドかつグラインドな、トラックの隙間さえ一つしかない、ある意味カオスとも言える作品でシーンに登場します。もう轟音で爆音です。続く'83年"Everything Falls Apart"でもかなり激しいサウンドを展開し、(何かと形容しづらいんですけど、初期のスターリンとかは実に近いかもとか、今聞くと思います) 同年のミニアルバム"Metal Circus"では、その激しいサウンドの中にも、かなり様々な要素が顔を出すようになります。個人的にはこのアルバム、けっこう好きだったりします。このようにHÜSKER DÜのその初期は、かなりノイジーでラウドなハードコア然としたスタイルで、最初期は、むしろハードコアよりも激しいといった、荒っぽく、カオスなサウンドを展開し、そういった意味では、中期、後期の実験的で、難解なアプローチといった彼らの特徴的な部分が、初期においては、全く別の次元での、実験的で難解な上、さらに混沌としており、HÜSKER DÜがそのキャリア全般において、非常に様々な音楽性と、実験的要素を持ち合わせた、特異なバンドであったことを証明しています。しかし、カオスなのに何故か感じるインテリジェンスのようなものはなんなんでしょうか?

'84年リリースの、アナログだと2枚組みの大作、この"Zen Arcade"から、いわゆる疾走感に、キャッチーなメロディーといった、現代のメロディック・ハードコア的なアプローチの曲が見られるようになり、前述した実験&難解な部分も多く残しつつも、随分と世間に歩み寄りをみせたというか、実験方法が変わってきています。このアルバムでは、初期のようなハードコア・ナンバーから、アコースティックなナンバーまで、実にバラエティーに富んだ、アプローチの数々と実験の数々を披露しています。最後の曲あたりは、最初は嫌がらせかと、思うほど長くカオスだったりしますが、ラスト以外もところどころにそんなのが顔を出しますし、ある意味、全編嫌がらせ感丸出しの1st.などからすれば、やはり彼らのスタンスはこの頃においても、そう、大きく変わっていないのかもしれません。なにせスタジオ録音にしても、なんだか轟音を感じさせるバンドであることだなぁと、個人的には思います。この頃から、バランスが取れてきたかなぁと思いつつ、このアルバムをチョイスしてみましたが、今、聴きながら、翌年の"New Day Rising"にしとけばよかったかなと思いつつ、やはりかなり、面白かったりします。2ビート無しで、疾走感や、高速感がバリバリなのも、特徴的な部分だとか、思ったりして、本当にいろいろと面白いかもしれません。まぁ、悪ガキがポケットの中から、いろんなものを出してくるんだけど、中にはカッコいいオモチャがあったり、100円玉があって、ちょっとうれしかったりだとかもするのですが、虫の死骸や、トカゲのシッポとかももれなく入ってたりと、まぁ、なんかそんな感じです。それを大の大人が、大マジメにやるから始末が悪かったり、妙にカッコよかったりするのかもしれません。実に様々なアプローチや展開を見せる、このアルバムでの彼らは、オルタナティヴという形容以外は、どうにもカテゴライズしにくかったりもするのですが、様々な音楽性をもったバンドが、どこかしら彼らの影響を口にするのも、充分に理解できます。歪んで、轟音って、やっぱロックとして、カッコいいなと実感できます。また初期から中期にみられる、全体的なブッ壊れ方だとか、どこかで必ずブッ壊れないと気がすまないといった、音のアナーキストっぷりは、実にロックで、パンクだったりもします。この"Zen Arcade"という作品は、そういったこのバンドの多面性や多角的要素を多く孕んでいていて、HÜSKER DÜというバンドを体現している作品かもしれません。

バランスどうのとか言うと、もう圧倒的に次作の'85年の"New Day Rising"で、まぁ、例のごとくブッ壊れたりもしますが、おかしな言い方ですが、バンドの方向性と聴く側の均整が取れているという、これまでにない普通に良い感じかもしれません。これまで、HÜSKER DÜを聴いてきたけど、俺は間違っていなかったんだ的な、ちょっとおかしな感覚です。そして、同年の"Flip Your Wig"では、さらにメロディアス化とソフト化が進行し初期の頃とは、もはや別のバンドといった趣です。メジャー、ワーナーと契約した彼らは、'86年"Candy Apple Grey"と、'87年"Warehouse: Songs and Stories"で、叙情的なまでに、美しい旋律や、メロディーといった、パンクと言うのも口憚られるサウンドを展開し、と、そう言いつつも良い曲も多く、多くのバンドも、後期の彼らの作品の収録曲をカバーしているのを見かけます。"Candy Apple Grey"収録の"Don't Want to Know If You are Lonely"なんて、もう死ぬほど名曲です。個人的にはRICHIESのカバーが気に入ってます。

もし万が一、HÜSKER DÜを聞いたことがなく、ルーツ・オブ・メロディック・ハードコア的見地で、彼らの音に望もうという若者がいたら、1曲目、2曲目で騙されること受け合いの"Zen Arcade"でも、まぁ、いいっちゃあ、いいのですが、特にメロディック・ハードコアしか聴かないとといった初心者には、"New Day Rising"一択がオススメです。間違って、1st.から極めようとして、"Land Speed Record"をチョイスし、あまつさえ、爆音でかけた日には、きっとお母さんが悲しみますよ。

HÜSKER DÜ 1979-1987 http://world.std.com/~thirdave/hd.html
HÜSKER DÜ MySpace http://www.myspace.com/flipyourwig

ALL -ALLROY FOR PREZ-
Allroy for PrezAllroy for Prez

All


Miloがまたも学業に専念(どんだけ勉強するのこの人)のため、活動を休止したDESCENDENTSのメンバーが、DAG NASTYのDave Smalleyをボーカリストに迎え、'87年に結成されたのが、このALLです。
'88年にアルバム"Allroy Sez"と "Allroy for Prez"をリリースしたのち、Dave Smalleyが脱退。2代目ボーカリストにScott Reynoldsが加入し、'89年"Allroy's Revenge"、LIVEアルバム"Trailbrazer"'90年に"Allroy Saves"、'92年"Percolater"とアルバムをリリースした後、Scottも脱退。'93年のアルバム"Breaking Things"で、シンガーにChad Priceを迎え、'95年"Pummel"、'98年"Mass Nerder"、'00年"Problematic"とアルバムをリリースし、現在に至るのですが、近年は目立った動きもなく、また、ボーカルにScott Reynoldsが再加入するとの噂もあったりと、何かとはっきりせず、あまり動向がわかりませんね。

ALLは、DESCENDENTS時代のサウンドをさらに、ポップかつ、メロディアスに、より分かりやすい形で、その楽曲に反映させ、爽快感さえ感じさせる、ポップでメロディアスなナンバーも多く、現代の若いポップ・パンク、メロディック・ハードコアといったバンドの多くは、DESCENDENTSよりもむしろ、ALLに影響を受けたといったバンドの方が多いのではないでしょうか。しかし、分かりやすくなったとは言うものの、ALLの初期から、中期あたりまでは、DESCENDENTS時代にも見せていた、実験的な要素を多く含んだ、ある意味難解なモノもかなり含まれており、また、1分に満たないハードコア・チューンなども、やってみたりと、その実験的アプローチといったものは健在で、彼らのサウンドへの拘りのようなものが、常に窺えるのは、DESCENDENTSから、彼らのサウンドを好む人にも、それを進化、発展させた形であるとして、ハードコア的要素が多少減退したとしても、好意的に受け入れられているのではないでしょうか。特にChad Priceをボーカルに迎えて以降の作品は、アメリカン・ロック的要素も多分に顔を出し、私自身は、かなりDESCENDENTS時代との、差別化といった特徴的な部分として、ALLとしてのサウンドを確立しているように思います。ともあれ個人的には、歴代3人のボーカリストの中で、Chad Priceの野太く深い、アメリカンなボーカルが一番好みだったりして、"Breaking Things"とか、"Pummel"とかは、DESCENDENTSから変わったよなぁとか思いつつも、非常に大好きな作品だったりもします。

ALLのアルバムを一枚上げるというと、非常に迷ったりもするのですが、前述したようにChadのボーカルが、好きなので、それいきたいなとか、Scottだとどれだ?"Trailbrazer"がLIVEなのに超いいよね、だとか、もう本当に迷ったりするのですが、やっぱ圧倒的にガチだったりするのは、この"Allroy for Prez"だなとか思い、これを取り上げることにしました。全曲通して好きなアルバムです。
私自身あまり使いたくない言葉というのがあって、メロディック・ハードコアを略して「メロコア」と言うのとか、まぁ、たまに使いますけどね。中でも「捨て曲無し」といった、もう最大級のアルバム賛辞の言葉とかが、そうなのですが、「捨て曲」はありますよ、けっこう。どんな良いアルバムにおいても。もう、この曲さえなければとか思い、飛ばしちゃったりするのが。SNUFFとかSTRUNG OUTでも。そのSNUFFの"Reach"は限りなく、「捨て曲無し」という表現に近いのですが、私が持ってるのが、テイチク日本盤なばっかりに、ボートラが全捨てだったりします。シングルとか単体で聴くととても良いのですが、"Reach"の後には聴きたくないなという。まぁ、変な拘りです。私が「捨て曲無し」とか使うことがあれば、それはもう、かなり死ぬほど誉めてる感じです。とまぁ、話は横道に反れましたが、そんな私にとっては大それた表現だったりする、「捨て曲無し」というのに当てはまる、数えるほどしかないアルバムの中の一枚が、けっこう"Allroy for Prez"かもしれません。ただ、パンク的にとか、ハードコア的にとか言っちゃうとまた、変わってきますがと、またも変な拘りが、顔を出してしまいそうですが、もう、いいや、捨て曲なしで。"Allroy for Prez"は、いつ聴いても、トラックを飛ばすことなく、8曲20数分を実に爽快に聴けてしまうのは事実なので。
もう、"Just Perfect"と、"Skin Deep"のコンボから、いきなりヤラレてしまいます。この2曲とか、"Wishing Well"、"postage"とかといった、軽快かつ、爽快な疾走チューンは好きすぎます。もう、ALLのゼンマイをグリグリ巻いた上に、ゴムで引っ張って飛ばしたような速度感は、気持ち良くって本当に大好きです。音の作り方や、リズムの噛ませ方が、本当に巧いなと感じます。その軽快でタイトな演奏は、"Son-O-Qua"のような、どちらかといえばどうでもいいかもしんない感じ(つか自分的に捨て曲じゃん!!)のインストでさえも、一気に聴かせてくれます。また、ALLはそのメロディーも、たまらなく良いものが、どのアルバムにも収録されてると思いますが、このアルバムの曲もそれが非常に多いです。また、DAG NASTYのときや、DOWN BY LOWのときは、不思議とあまり感じることはないのですが、Dave Smalleyは、甘い歌声なのだな、とか思い、実に甘く、切なくいい感じの歌を歌ってくれます。複雑で難解なアプローチが極力抑えられ、ALLのポップ・チューンが満開のこのアルバムは、本当に気持ちがいいという表現がピッタリくる大好きな作品です。

DESCENDENTSのときもそうですが、ALLもその後のアメリカのみならず、世界のメロディック・シーンに大きな影響を与えています。
しかし、自分的には、ALLはパンク的にどうなのよ?とかって、考えも頭をもたげたりもするのですが、それを補って余りあるほど、良い曲と良いサウンドを展開する、ALLはやはり大好きなバンドですよね。

ALL Official http://allcentral.com/
ALL MySpace http://www.myspace.com/all

DESCENDENTS -ALL-
AllAll

Descendents


1978年にアメリカで結成された、DESCENDENTSは、現代のポップ・パンク/メロディック・ハードコアにも、多大な影響を与え、80年代のUSパンクシーンにおいて、最も重要なバンドのひとつです。
一次活動停止後、彼らはALLにバンド名を変え、活動を続け、また、ボーカルにMilo Aukermanが戻ったDESCENDENTS名義でも、'96年に再結成がなされ、Epitaphより"Everything Sucks"をリリース、また、2004年には、FATより"Cool To Be You"をリリースするなど、ALL(ボーカリストが変わるだけですが)と並行して、たまに(笑)活動を続けています。最も近年はどちらも目立った活動も少ないようですが...また、Bill StevensonとStephen Egertonは、多くのポップ・パンクや、メロディック・ハードコアのバンドのサウンド・プロデュースなども手がけ、そういった意味でも、多くの現代のバンドに影響を与え続けていると言えるでしょう。

DESCENDENTSは'79年にシングルを一枚リリースした後、しばしシーンから姿を消し、本格的に活動するようになるのは、Milo Aukermanをボーカルに迎えた、80年代に入ってからです。'82年に1st.アルバム"Milo Goes to College"をリリース、初期の、あまりテクニカルでない演奏の作品の中にも、繊細でメロディアスな曲や、実験的要素を含んだ曲なども、各所に見られ、現代のALL/DESCENDENTSの片鱗といったものも、垣間見れます。その後、Billが、BLACK FLAGに加入、Miloが学業に専念などの理由で、またも活動を休止。'85年に復活し、よりメロディアスになった"I Don't Want to Grow Up"、'86年にかなり難解で、実験的要素を多く含んだ、"Enjoy!"とアルバムをリリース、当時のシーンもあり、その初期はサウンドの質感もハードコア的な肌合いを持っていますが、当然ハードコアの要素も持ちながら、ユーモアや、ポップ・センス、メロディアスな部分などが、他の同時期のバンドより、はるかに前面に出ており、そういった部分が、DESCENDENTSが、現在の支持を確立した大きな要因ではないかと考えます。

そして、'87年にリリースされた、初期DESCENDENTSのラスト・アルバムでもある、この"All"で、現代のALL/DESCENDENTSの不動にして、鉄壁のメンバー、Bill Stevenson(Dr.)、Stephen Egerton(G.)、Karl Alvarez(B.)が揃います。このアルバムでは、よりタイトに、テクニカルになった演奏とともに、メロディアスな楽曲、実験的要素、ポップなエッセンスなど、後のALLとしての、様々なアプローチへの布石が、ほぼ完成といってもいいクォリティで、展開されています。激烈ポップな疾走チューン"Coolidge"は、MILLENCOLINなど、若いバンドもカバーするなど、こういった"Coolidge"はじめ、"Of The World"などの軽快でメロディアスな、ポップ・チューンは、後のメロディック・ハードコア、ポップ・パンクのバンドにも、非常に分かりやすい形でインスパイアされています。また、超ショート・チューンや、変拍子の複雑難解なアレンジの曲なども、このアルバムでも多く見られ、全てにおいて、後の彼ら自身の方向性が見て取れます。
このアルバムでは、初期の少しザラついたハードコア的な質感は、ほぼ皆無であり、まさにプレALL的な作品として、仕上がっていますが、それにしてもDESCENDENTSらしさといった個性も充分に感じられ、初期DESCENDENTSの最後の作品としても、楽しめる内容だと思います。

最も近年のEpitaphや、FATからのリリースの作品は、それこそ、アプローチ的にもDESCENDENTS、ALLともに大きな差異は見られなくなったように思うのですが、そう言った意味でも、この"All"までの初期のDESCENDENTSは、独特の質感とサウンドを持っていて、個人的にはそれが面白く感じられます。

DESCENDENTS Official http://www.descendentsonline.com/
DESCENDENTS MySpace http://www.myspace.com/descendents

THE DICKIES -THE INCREDIBLE SHRINKING DICKIES-
The Incredible Shrinking DickiesThe Incredible Shrinking Dickies

The Dickies


ルーツ・オブ・USメロディックといった感じで、少しUSメロディックに触れていきます。長丁場になるかどうかは私の集中力次第ですが、まぁ、そこそこ頑張りたいなと。まずは、LAパンクを代表して、今も活動してるPOPパンクの祖、THE DICKIESです。
THE DICKIESは、REZILLOSと同じく、現在のポップ・パンク、ファン・パンクの元祖ともいえるバンドで、それはもう、70年代の後半登場した時から、おバカで、POPで、キッチュで最高です。当時、US、UKのシーンとも、ストイックで、シリアスなパンクが多い中、彼らは、キーボードやホーンなどもフィーチャーした、底抜けに明るく、ポップなナンバーで、シリアスなパンクシーンを風穴を開けます。今聴くと、断然にポップに聞こえるはずのRAMONESでさえ、彼らに比べるとハードに聞こえるほどに、THE DICKIESのポップ具合は、ポップに過ぎます。彼らの演奏する、ハイスピードで、メロディアスで、2分弱のポップ短小早漏ナンバーの数々は、今聴いても、かなりブッ飛んでます。彼らの抜群のポップセンスと、ユーモアのセンスは、本当に痛快です。
また、彼らは初期から、カバー・ソングも積極的に演奏しており、そのカバーの数々は、彼らによる、ポップ化と、ハイスピード化が加えられ、実にユニークなアレンジで、原曲を破壊しています。そんな彼らのカバーソングは、パンク・リスナー以外の方にもウケがいいようで、、彼らのカバーソングは、SNUFFなどと同様に、パンクシーン以外でも取り上げられているのを見かけます。しかし、そういったカバーを、既に70年代からやらかしてるあたりに、DICKIESの、そのセンスの凄まじさを感じます。THE DICKIESは、ポップ・パンクの元祖であるとともに、高速パンク・カバーの先駆者でもあるのです。

DICKIESは、1977年に結成。彼らはDAMNEDの米国ツアーを見て、それにインスパイアされ結成したとも言われています。そして、1979年に彼らのデビューアルバム、この"The Incredible Shrinking Dickies"をリリース。このアルバムには、前述した彼らの魅力が、最大限に凝縮されており、1st.アルバムにして、まさに最高傑作とも言える一枚です。
また、前述したカバーも盛り込まれており、中でもブラック・サバスの"Paranoid"は、原曲を45回転にすると、DICKIESバージョンになると、もっぱら話題になりました。しかし、ブラック・サバスにモンキーズにバリー・マグガイアですよ、チョイスが。現在入手可能なCD盤には、さらに、ボーナストラックとして、クリスマス・シングルとしてリリースされた"Silent Night"や、サイモン&ガーファンクルの"Sounds Of Silence"も収録されており、私は"Sounds Of Silence"のスタジオテイクを持っていなかったため、CDを買いなおしました。それほどまでに彼らのカバーは魅力的です。
とにもかくにも、このアルバム、1曲目"Give It Back"から、ブッ飛ばされます。キーボードを大胆にフィーチャーし、当時としては最高の速度を誇ると言える、カッコいい曲に乗る、アニメのような声、回転数を上げたおバカコーラス、もう、カッコいいことこの上なしです。そして、続く"Poodle Party"ではワンコの鳴き真似全開コーラスで、以降も、プープー言ったり、ピーポー言ったりと、ご陽気で、スピード感溢れる、SILLYで、POPな、DICKIES WORLDが次々と展開され、聞く者をおバカポップの大海原に、縛り付けたままフリチンで叩き込みます。今話題の羞恥心とかは、ぜひ彼らの"Poodle Party"の日本語カバーをアルバムに入れたり、"Banana Splits"のカバーやって、バナナをマイクに、バナナの着ぐるみを着て、デカいバナナを放り投げながら、転げ回ったらとても素敵だと思います。
DICKIESは次作、"Dawn Of The Dickies"では、多少スピード感と、バカさ加減を抑えつつも、ポップ街道をひた走るわけですが、その2nd.を最後にキーボードやサックスも担当していた、ドラムのChuck Wagonが、アル中による自殺か何かで、亡くなってしまい、'83年の3rd."Stukas Over Disneyland"は、Chuck Wagonが在籍した'80年にレコーディングされた4曲と、Vo、G以外のメンバーを一新した、新メンバーによる曲を合わせた作品として、リリースされましたが、やはり、初期のハジケ具合といった感は、なりを潜めてしまい、随分と普通のポップになってしまった感があります。そして、以降、迷走と不遇の時代を迎える事になります。

THE DICKIESは、後にUSポップ&メロディック・パンクの雄、ALL/DESCENDENTSなどにも多大な影響を与えたことが窺い知れ、また、近作は、FATからリリースされるなど、後のUS POP PUNK/MELODIC HARDCOREに、大きな道標を刻み、多大な功績を残しました。また、ドイツのGIGANTERや、スウェーデンのSTUKASなど、世界中にフォロワーや、ファンもいます。そしてなにより、DAMNED等と同じく、形を変えこそすれど、21世紀に生き残っている事実こそ、THE DICKIESの類稀なるポップ・センスと、多くのパンクスに愛された証ではないでしょうか。

THE DICKIES Official http://www.thedickies.com/
THE DICKIES MySpace http://www.myspace.com/dickiesband

THE REZILLOS -CAN'T STAND THE REZILLOS-
Can't Stand the Rezillos: The (Almost) Complete RezillosCan't Stand the Rezillos: The (Almost) Complete Rezillos

The Rezillos


THE REZILLOSは1976年、スコットランドで結成、1978年まで活動をしていたバンドで、あまりパンクの範疇でも、語られることは少なく、どちらかというと、イロモノ的な見方で捉えられるほうが多いといった、バンドな気がしますが、この'78年の1st."Can't Stand The Rezilos"では、実にポップで、実にメロディアスな曲をプレイし、今日のメロディック、ポップ・パンクといったシーンにも、通じる、ルーツ的なモノを感じ取れ、おそらく、ファン・パンクというカテゴライズであれば、その祖となるであろう一枚と思います。
そのサウンドも、ベースが、ラインを捻り回し、ブンブン唸っていたりと、実にクールなプレイは非常にパンクで、また男女のツインボーカルという、当時も今も、かなり珍しいバンド形態で、まさにポップかつ、パンクかつ、斬新なロックンロールでした。また、みんなで集まりバカ騒ぎ的な、雰囲気は、これぞファン・パンクといえる趣で、どこかアメリカ的な、陽気さや能天気さを感じるところなど、UKのパンク・バンドであるにもかかわらず、また、その時代からしても、かなりブッ飛んで、突出した存在だったと思います。ちなみに、このアルバムはニューヨークでレコーディングされたそうです。

私がREZILLOSを聴いたのは、オリジナル・パンクの様々なバンドをかなり聴いて、ハードコアさえも通過しようとしていた頃だったと記憶しており、そう思うと、かなり遅かったのではないかと思います。
今、タレントとして大活躍のユースケ・サンタマリアが、地元でパンク・バンドをやっていたというのは、彼自身、テレビなどで述べていますが、彼の故郷、大分は私の地元でもあります。また、彼は私の3、4つくらい下なので、当然、活動時期が被るため、ユースケの所属していた、THE NUTTIESというバンドとは、しょっちゅう、一緒にLIVEをしていました。また、THE NUTTIESのベーシストは、ウチのバンドのヘルプとかしてくれてた時期もあり、また、そのベースの子のお姉ちゃんが、私の中学の時の同級生だったり、、私が最初の会社を、ブチ切れて退社したとき、ユースケの弟がバイトで来てたりと、なにかと浅からぬ縁があったりします。まぁ、テッキンの時の話もそうですが、本当に大分は狭いです。その上、パンクバンドやってたりすると、さらに狭くなります。と、まぁ、話が横道に反れましたが、そのTHE NUTTIESが、REZILLOSのカバーをお得意のナンバーにしていました。特に当時、交流の深かった、年齢も一番近いベースの彼とは、音源のやり取りもよくしており、その彼の超オススメが、このREZILLOSでした。まぁ、ベーシストであれば、大好きなのはもっともだと思います。それこそ、少し敬遠してた感すらあるREZILLOSを、ちゃんと聴き、その音に納得やら、感心できたのは、THE NUTTIESのおかげです。THE NUTTIESは、こういったREZILLOSや、999、RACHEL SWEETなどのポップなサウンドを好み、バンド・サウンドをリズム隊の二人がコントロールし、そこにユースケの、今とほぼ変わらない、陽気で、ユニークなキャラクターを生かした、ステージングを展開して、それはまさに、ファン・パンクそのものといった感じでした。当時から、暗くて、湿って、高速な私のバンドがあっと言う間に、彼らに追い抜かれたのは言うまでもありません。
ともすれば、こういったポップな音を敬遠したままで、変に凝り固まった音楽性を持ったまま、年齢を重ねていたかもしれない私が、今では結構幅広く、寛容に、ある程度フレキシブルな耳を持てるようになったのも、けっこう、彼らのおかげなのかもしれません。と、ふと思い出したことを書いたりしてるウチに、REZILLOSじゃなくて、THE NUTTIESのレビューになってます。

そんな中、そうです、REZILLOSです。メンバーは「音楽なんて、真剣にやったことなんて一度もない」とか、言っていたそうですが、そのフザけた姿勢とビジュアルは、当時の彼らの音楽性とは反比例しており、"Can't Stand The Rezilos"における、メロディーもきちんとあり、ポップなロックンロール・パンクの数々は、当時的には新型ロックン・ロールといった趣で、実に素晴らしい限りです。今、もし何かの間違いで私がバンドをやるようなことがあれば、"Somebody's Gonna Get Their Head Kicked in Tonight"とか、絶対カバーしたいと思います、3倍速で。また、その他、男女のボーカルが交互に顔を出したり、その特殊な編成を生かした、キッチュで魅力的なナンバーが、多く収録されています。
現在入手可能な、"Can't Stand The Rezilos:The (Almost) Complete Rezillos"では、アルバム未収録のシングルや、UKのみで'79年にリリースされたライブアルバムの音源も収録された、かなりのUltimate仕様です。
そんな秘めたる高い音楽性と、ポップ(?)なキャラクターも手伝ってか、彼らは、見事にブレイクも果たし、アメリカにも進出し、ある程度の成功をおさめるのですが、その後、所属レコード会社のとモメたり、さらにはバンド内でもモメることが多かったようで、その後、バンド名もREVILLOSと変え、ルックスやイメージも、さらに宇宙までブッ飛んだかのごとくなり、姿を消していきます。

近代カテゴライズでは、パワー・ポップといった類に、当てはめられてもおかしくはないようですが、私的には、この"Can't Stand The Rezilos"そして、REZILLOS名義の彼らは、パンクの範疇で語りたい、ポップ・パンク、ファン・パンクの祖であると、思いたいものです。
ていうか、最近、私は少しセンチメンタルだなぁとか思ったりして、なんか昔のこととか思い出したりするのって、「俺って死ぬんじゃね?」とか、よからぬ事も予感せずにはいられない、40代は、もはや初老です。
それでは、死なないウチに次回から、ルーツ・オブ・USメロディックにでも、取りかかりましょうかにょ。

THE REZILLOS Official http://www.rezillos.com/
THE REZILLOS Myspace http://www.myspace.com/officialrezillos

MICHAELANE -STRAIGHT FROM THE GHETTO-
MICHAELANE

INSPECTION 12を書いていて、日頃から湿りまくっている自分を省みたりして、切なさを併せ持つ、蒼さとかってのも、心地良いよね、とか思っちゃったりしている、少しオセンチなオッサンが、何故かスタイル・カウンシルを聴きながら、♪オーエッスッ、イージー、ソッソー、イージィーとか鼻唄混じりに、次にオススメするのは、このアメリカはシカゴの新鋭、MICHAELANEです。さぁ、バック・ミュージックは彼らのデビュー・アルバム "Straight From The Ghetto"にチェンジだっ!!

'04年に結成された、まだハタチかそこらくらいであろう彼ら、MICHAELANE。'07年にリリースされた、この1st.フルレングス"Straight From The Ghetto"は、私がここ最近聴いた、若いバンドの音源の中でも、ものすごくグッとくるメロディーと、カッコよく心地良い疾走感を併せ持った、ナイスな一枚でした。彼らのサウンドはINSPECTION 12にも通じる、切なさや、甘さを合わせもった、青春アメリカン・メロディック・ハードコアといった趣を、充分に感じさせます。INSPECTION 12よりも、明らかに近代メロディック・ハードコア的で、高速感も充分に備えているMICHAELANEですが、メタリック・エッジ高速系、ポップ・ファンパンク系、エモ・メロディック・ミディアム系といった、多くの若いパンク・バンドが持つ、特徴的な部分の、そのどれもを持ち合わせ、そのどれとも違うといった印象を受ける、MICHAELANEのサウンドとメロディーは、私的には、INSPECTION 12が、それに最も近い感覚だなと思いました。高速疾走感と、哀愁メロというと、NO USE FOR A NAMEが、よく彼らの引き合いに出されているようですが、確かにそれもアリではありますが、そこにそこはかとなく漂う、甘さや、切なさといった感覚は、私的には、INSPECTION 12を彷彿とさせるといったところです。まぁ、なんにせよ彼らが、グッド・メロディック高速バンドといった表現で、ピッタリくるのは間違いありません。
国内盤は、SNUFFのダンカンのソロ、DUNCAN'S DIVASから、果てはスロヴェニアのLOW VALUEまでも、リリースしてしまう、結構むちゃだけど、各国の良質バンドのリリースも多い、INYAFACEから発売で、昨年はメロディック・ハードコア系も多かったですね。LOW VALUEとか、QUESTION MARKSとか売れたんですかね。少し心配ですけど、これからも、お願いします。

で、MICHAELANEの、"Straight From The Ghetto"ですが、その若々しいルックスと、その雰囲気から、聴く前はかなりエモ、ポップ・パンク的な音を予想してたのですが、予想に反して、かなりメロディック・ハードコア寄りであると思います。ポップなことは、ポップですが、いわゆるFAT系や、初期エピタフ系といったほうが近い雰囲気です。そして、メロディーがちゃんと出来てる上に、曲もかなりアレンジが工夫されて、かなり速い部類に入るので、Bells On Racordsなどのバンドのリスナーの方にも、充分にアピールできるサウンドだと思います。MICHAELANEのメロディーは、最近の速いバンドにありがちの、メロあればいいんでしょ?的なモノではなく、アレンジ、コーラスともよく練られていて、グッとくるメロディーが歌として、きちんと乗せられてます。個人的には2曲目の"Spanish Prisoner"が、かなりググッときました。また、若いバンドらしく、いろんなアプローチを試しているのも感じ取れ、かなり凝ったアレンジも多く含まれ、女性(?)のコーラスや、また、ここのドラムもロールとか、何かと手数が多いですが、ツーバス入れたりとか、ギターリフとか以外で、妙にメタルな高速感を出したりもしますが、実験か、天然かは知りませんが、大いにけっこう。それが個性だと思います。また、"Final Countdown"や、"We're NotGonna Make It"などのカバーで、少しリスナーに色目を使ってみるのも、若いうちは、大いにけっこうだと思います。まぁ、しかし、なんか変なところでアメリカっぽさとか感じたりもするのが、面白いです。

彼らは、すでに2枚目の制作に取りかかっているのか、彼らのMySpaceには、既に新曲のデモも、数曲ポストされているようですが、若干というか、かなりスピードの落ちてるナンバーもあるようで、ちょっと心配になったりもしますが、まぁ、個人的にはアレですが、高速だけが素晴らしいとは限らないし、彼らがどのように変化していくのかも、興味深いところなので、一日も早い新作の完成を期待したいところです。

MICHAELANE MySpace http://www.myspace.com/michaelanerock
INYAFACE http://www.inyaface.co.jp/

INSPECTION 12 -IN RECOVERY-
INSPECTION 12

そのあまりのD.I.Y.っぷりに、私も彼らの音源はこの、"In Recovery"と、続く'03年の"Get Rad" ぐらいしか、CDを持っていなくて、勉強不足の私は、日頃の饒舌さは影を潜めるかもしれませんが、また、その饒舌さとともに、実に日頃の私らしくないチョイスだなと、お思いの方も多いでしょうが、なにせこの"In Recovery"は大好きなアルバムなので、お構いなしにいかせていただきます。で、このアルバムに関しては、当然の如く、饒舌に語り尽くします。それも、日頃の湿度が一気にダウンし、かってないほど、さわやかにです。

アメリカはフロリダ出身のINSPECTION 12。結成は1994年で、'95年にカセット"Eponymous"、'96年に"Come, Hefe, Come!"カセット(フルレングスらしいです)をリリース、翌'97年アルバム"Inspection 12"リリース、'98年に"You're A Nation"、'99年"Step Into the Fire"と、完全に自らの手で、アルバムをリリース。もう絶対に入手不能です。2000年に"Home"EPリリース、そして、'01年に初めて大手とも言える、Honest Don'sより、この"In Recovery"がリリースされ、革新的に流通が良くなります。また、長いキャリアの中には、YELLOWCARD、CRAIG'S BROTHERのメンバーも在籍していたそうです。以上、海外版ウィキ丸写しです。

この'01年の4作目"In Recovery"は、彼らがこれまでリリースした作品の中から、厳選した曲をリテイクしたアルバムで、もう、その楽曲の数々は素晴らしい限りです。
決して、近代的高速メロディック・ハードコアという感じではありませんが、充分に疾走感を携えた曲も多く、その心地よい疾走感と、その泣きまくりのメロディーとともに、全体から湧き出す哀愁には、心を震わせずにはいられません。また、それは、少し青臭いとも言える、青春を感じさせるメロディーなのかもしれません。
語っておりますよ、実に日頃の湿り気たっぷりの、外道上等的な、私らしくない言葉を言っております。私がこのアルバムを称して、「甘酸っぱいカンジ」といったところ、MILESTONEのYuki氏に、私からそのような言葉が出るとは思わなかったと、笑われてしまいました。まぁ、しかし、このオジサンにも、少しはおセンチな一面もあるのだなと、ご理解ください。もう、自分らしくないのを承知で、何度だって書いてやりますよ、とにかくこの"In Recovery"は、甘くて、切ない、涙が出るほど青春で哀愁な一枚です。
もう、いきなりヨロシク哀愁な、歌とギターから始まる"Secure"のアップ・テンポも気持ち良い、疾走感で幕を明け、続く"Sweet Sixteen"では、フックを効かせたリズム・チェンジで一転、高速感を披露するなど、もう、そのシンプルにして、巧みに過ぎるアレンジに、ガッツリきます、ガッツリ。また、その巧いアレンジもさることながら、バンド・サウンドの中に時折顔を出す、バイオリンなどの弦楽器も、実に違和感なく、さらにその哀愁に拍車をかけます。ちなみに、バイオリンはYELLOWCARDのSeanだそうです。高速、ミディアム、スローとバランスよく配分された、メロディアスな楽曲の数々は、彼らの歴史を物語る名曲の数々として、さらにリテイクにより、トータル的な完成度を高め、このアルバムを名盤としてしている要因であると思います。なにせ、一曲、一曲が喜びや、悲しみ、楽しさや、切なさなど、様々なシーンを想い起こさせるように、劇的にドラマチックです。それらは、何度聴いても飽きが来ないほど、いつ聴いても輝きを放ち、私にある種の郷愁のようなものを感じさせます。

このアルバムが素晴らしすぎたため、次作"Get Rad"は、かなりの良作であろうにもかかわらず、その多い曲数に比べ、多少物足りなく感じてしまいますが、"Get Rad"にも疾走感のあるナンバーなども含まれ、これも、持っておいて損はない一枚なのではないでしょうか。"Get Rad"から、また、彼らはD.I.Y.に戻り、Floppy Cow/Takeoverの流通盤はホットドッグジャケで有名ですが、アメリカ盤オリジナルはジャケが違います。私が所有しているのは、アメリカ盤ですが、ジャケ違いだけのためにホットドッグを買おうかどうか、迷いあぐねて、今に至ってます。もう、なんか、あぁ、もうです。
なんだか、絶望的に入手できなさそうな彼らの初期音源ですが、"Home"EPだけは、purevolumeで、全曲DLできます。"In Recovery"収録の曲のオリジナル・テイクなども聴けるので、うれしいかぎりです。

INSPECTION 12 MySpace http://www.myspace.com/inspection12
INSPECTION 12 purevolume http://www.purevolume.com/inspection12

MOURNINGSTAR -THE ANTIOCH-
The AntiochThe Antioch

Mourningstar


MOURNINGSTARは'02年にアメリカで結成された、広いカテゴリーでいうところのメロディック・ハードコア・バンドです。メタリックでダークな、その彼らのサウンドは、やはり暗く、湿っていてます。彼らもグチョ濡れな感じです。もう、昨日から国を隔てて濡れっぱなしで、水浸しです、それも粘着質なかんじです。もう、紅音ほたるも顔負けの噴水っぷりです。というか、言うに事欠いてそんな例えかよ。
そして、何より特筆すべきは、彼らはもう、めちゃめちゃにSTRUNG OUT Likeです、それも近年の。ボーカルの声質や、歌い方が似ているのもあるでしょうが、サウンド自体も、メタリックなフレーズも各所に見られ、メタル・エッジで金属質なのに、何故か湿っていたりだとか、テクニカルであるとか、ダークであるとか、ゴシック感があるとか、それはもう、何から何まで、言葉尻だけつまめば、STRUNG OUTそのものです。
よくLike a STRUNG OUT的な謳い文句のバンドを見かけますが、彼らほどその謳い文句が当て嵌まるバンドはこの世にいないくらい、STRUNG OUTです。そういうと、もう、STRUNG OUTのコピーバンドのようにしか、聞こえないかもしれませんが、そう言いつつも、実に彼らも、高い楽曲のライティング・センスや、高い演奏技術、高い歌唱能力を持ち合わせており、モロSTRUNG OUTという表現は、むしろ最大級の賛辞であるとも言えます。世界中に、どれほどSTRUNG OUTが好きで、彼らのサウンドを真似ようとしても、それをパーフェクトに再現でき、オリジナルとして消化できるバンドなど、片手で数えるほどしかいないはずですから。

'06年リリースのこの"The Antioch"は、そのLike a STRUNG OUTといったサウンドを、より自分たちのオリジナルのサウンドとして、バラエティーに富んだ楽曲の数々で、個性を見せようとしている姿が見受けられ、作品としても、前作より、バンドとしての完成度を高めている感じが見て取れ、今回チョイスしました。
もっとも、超高速メタリック・メロディック・ハードコアという趣を求め、よりSTRUNG OUT LIKEを望むのであれば、'04年リリースの前作、彼らの1st.フルレングス"Distrato"のほうが、オススメなのかもしれませんが、かなり流通が悪く、少し入手しづらいという難点があります。彼らのpurevolumeで"Switchblade Romance"(なんだか曲のタイトルなんかもSTRUNG OUT的だな、やっぱ) が、聴けますが、この曲のような感じのスピード感の溢れる、それこそSTRUNG OUTっぽいナンバーが、豊富に収録されているので、"Distrato"も、ぜひとも、こういったバンドをお好みの方には、聴いてもらいたい作品ではあります。海外では結構入手できそうですし、ディスクユニオンさんでも、よく在庫あったりするので、国内で買えるのは、うれしい限りですが、いつ無くなるかもわからないので、見かけたら即買いをオススメします。
そして、New School Recordsよりリリースされ、圧倒的に流通の良くなった、彼らの2nd."The Antioch"では、MOURNINGSTARは、さらにストロングに、さらにメロディアスに、さらにテクニカルに、モロSTRUNG OUTといった表現は、むしろ失礼かもしれないと感じるほど、確実にそのサウンドを、MOURNINGSTAR自身のサウンドとして、確立させ、完成させています。そのサウンド・プロデュースは格段に上がり、骨太ささえ、感じさせ、また、スピーディーな曲も、影を潜めたわけでなく、このアルバムでも、圧倒的高速ナンバーが、かなり含まれており、それは前作よりもストロング&パワフルでさえあります。また、充実したコーラス・ワークも、かなりMOURNINGSTARの個性といったものを、より強く引き出しているように感じます。曲の展開が前作よりも、さらにフックが効いて、一曲の中でのテンポ・チェンジなども多くあるので、ストレートさといった面では前作かもしれませんが、曲としては、明らかにドラマチックな展開と、大きな抑揚を見せる本作のほうが、個人的には魅力的です。荒っぽく、暗く、ストレートに速い、ハードな印象の"Distrato"も充分にカッコいい作品ですが、私は、この"The Antioch"のほうが、より一層好きかもしれません。

まぁ、しかし、実際のところSTRUNG OUTを引き合いに出さなければ、やはりかなり個性的といった、バンドやサウンドではあるなと、今、聴いていて思います。特に"The Antioch"は。
今後も、MOURNINGSTARは、なにかとその引き合いに、STRUNG OUTの名が挙げられるでしょうが、私個人としては、MOURNINGSTARの新作を、その、次の作品が楽しみでしょうがない、STRUNG OUTの新作と同じくらいの、ものすごい期待感を持って、楽しみに待っています。なんだか、イギリスだかにも同じ名前のメタルのバンドがいるようですが、間違わないでくださいね。

MOURNINGSTAR MySpace http://www.myspace.com/mourningstar
MOURNINGSTAR purevolume http://www.purevolume.com/mourningstar

ANTILLECTUAL
ANTILLECTUAL 1 ANTILLECTUAL 2

オランダのバンドを扱うのは、意外にもはじめてだったりしますね。UNDECLINABLEとか、BAMBIXとか有名でカッコいいバンドいますし、マイナーでも、カッコいいのが、その辺にゴロゴロいます。オランダもパンクは昔から盛んですね。どうも、オランダ人は背が高くて、ナニもデカいイメージが、勝手に自分の中にあります。 まぁ、そんなことはどうでもいいのですが、Netherlands一発目はこの、ANTILLECTUALです。
ANTILLECTUALはもう、それは湿っていて、暗くて、速いです。もう、ウェットさがなんか半端ないです。もう、グチョ濡れです。濡れているところに、デカくて、太くて、超速いです。いや、デカいかどうかはわかりませんが、オランダ人だから、きっとデカいに決まってます。と、とても音楽のブログとは思えない表現の数々ですが、どちらにしても、私の大好物、ダーク・メロディアス超高速バンドということには違いありません。

2000年に結成された、ANTILLECTUAL。彼らもまた、トリオとは思えない、厚みと、充実したサウンドを携えていて、超高速と、巧みなアレンジで、ダークで、ウェットで、メロディアスな曲をプレイします。また、コーラスパートには、スクリーモの要素を含んだコーラスを多用し、それが時には繊細な印象さえある楽曲を、ボーカルの太い声とともに、非常に乱暴で、荒っぽくしているのも、かなり特徴的な部分と言えます。しかし、それは実にパンキッシュで、彼らが一筋縄ではいかない、凡百のメロディック・ハードコアとは、一線を隔しているという事実であり、その変幻自在の楽曲の数々とともに、私の耳には、非常にパンク的かつ、魅力的に聞こえます。

ANTILLECTUALは、'03年に"Facts, Opinions & In Between"をD.I.Y.でリリースした後、'05年に1st.アルバム "Silencing Civilization"をリリースします。この"Silencing Civilization"は、前述したような、ANTILLECTUALの魅力を、目いっぱい詰め込んだ、スピード感あふれる一枚で、10曲、30分足らずと、勇ましいまでの早漏っぷりで、高速かつ、変則かつ、メロディアスなナンバーをつるべ撃ちです。"Raisedfistfuckyou"という曲では、BAMBIXの女性ボーカルが、ゲストで参加しており、Netherlandsパンクデュオを披露してくれているのも、BAMBIX好きでもある、私にはたまりません。また、アルバム全編にわたり、実に変則的に、テンポや、リズムが変わっていく、意表を突く展開は、ドラマチックに楽曲を盛り上げ、決して単調なメロディック・ハードコアのバンドではないことを証明しています。"Silencing Civilization"は、荒っぽさと、繊細さが混在する、彼らの魅力が、たっぷりと叩きこまれた良作です。
そして、昨年デモEP"Waves"のリリースを挟み、'08年、つい先頃、2nd.フルレングス、"Testimony"がリリースされました。待望のこのセカンドは、成長し、充実したサウンドのせいもあるでしょうが、かなり落ち着いたナンバーもありますが、やはりその、ドラマチックな意表を突く展開や、パンク的荒っぽさは健在で、前作を継承しつつも、さらにサウンドを充実させ、推し進めたといった、根本的には何も変わっていないけれど、確かに成長が窺えるといった、完成度をさらに高めた作品であると言えます。当然の如く、バカっ速い曲は、相変わらずバカっ速いです。また、10曲、30分を切る早漏っぷりも変わりません。こういった特殊なサウンドと曲を持った、メロディック・ハードコア・バンドによく見られるような、大幅な路線変更や、失速といったものは、ほとんどといっていいほど、感じられず、ANTILLECTUALらしさといったものが、全く損なわれていない、本当に良いメロディック・ハードコア・パンクのアルバムに仕上がっていると思います。

1st."Silencing Civilization"は、MILESTONEさんくらいでしか、お見かけしませんが、と思って今検索してたら、Amazon取り扱ってますね。かなり高いし、1〜3週間ですけど。それにしても以外になんでもあるなぁ、Amazon。ブログ始めて知りましたけど、おみそれしました。"Testimony"はドイツのレーベルでもディストリビュートしているらしく、意外に流通がいいみたいで、HMVとかでも入手できるみたいです。ディスクユニオンさんとかも在庫なくなりませんね。やっぱり、湿り気の多いバンドはあまり、ウケがよろしくないのかもしれません。

ANTILLECTUAL Official http://www.antillectual.com/index.php
ANTILLECTUAL MySpace http://www.myspace.com/antillectual
ANTILLECTUAL Purevolume http://www.purevolume.com/antillectual

THE T4 PROJECT -STORY-BASED CONCEPT ALBUM-
Story-Based Concept AlbumStory-Based Concept Album
(2008/05/13)
The T4 Project


BAD RELIGION,BUZZCOCKS,PENNYWISE,CIRCLE JERKS,SUBHUMANS,THE DAMNED,CONFLICT、etc、といった錚々たるUS、UKのパンクバンドのメンバーによる、オフィシャルでの販売のみだった自主制作アルバムが、ついにCDで一般販売されました。そして、リードボーカルは、私も大好きなあの声、あの歌、STRUNG OUTのJasonです。全編にわたるJasonの歌は、STRUNG OUTファンには、思わぬデカいプレゼントとなることは請け合いです。
ストーリーに基づいたのコンセプト・アルバムということで、ブックレットには、そのストーリーに則した歌詞と、イラストが綴られています。まぁ、英語がわからないと、どうにもそっちは楽しみようがないのですが、サウンドのほうは、パンクなオリジナル曲が、10曲収録されています。そのコンセプト上だと思いますが、クレジットは18曲となっていますが、S.E.的なサブ部分がカウントされているだけです。この辺ジグ・ジグ・スパトニックを思い出しちゃいました。それにしても、これほどまでに豪華なメンツを揃えてるのに、私が知らないだけかも知れませんが、日本では、それほど話題にもなってないようで、もう、どこでもいいので、和訳を付けて、DVDとか付けて、日本っぽく国内盤をリリースしてほしいものですが、まぁ、無理なのでしょうね。

低予算で、複数のセッションをミックスしているというサウンドですが、にもかかわらず、やはり、ベテランが揃っているだけに、曲ごとに質感は、変わる感じはしますが、一曲ごとにキッチリとパンク・サウンドとして仕上がっています。そういったところも、オールスターを集めて余興的に一曲であるとか、そこそこいろんなメンバーで、適当に何曲かデッチあげてといったフザけた姿勢は、微塵も感じられず、そのキチンと作り込まれた楽曲からも、実に真剣に作られたアルバムであることが理解でき、非常に好感がもてます。また、リード・ボーカルは全曲とも、Jasonが務めているので、そういったアルバムとして、バンドとしての統一感や、整合感も充分にあります。ともすれば、彼のような強いボーカルだと、STRUNG OUT丸出しになってしまうかもしれませんが、そこは聴き方にもよるでしょうが、サウンドの質感自体は大きく異なるため、充分に別の個性が窺えます。むしろ高速の曲よりも、ボーカルが歌で引っ張るミディアムや、スローテンポの曲が、モロにSTRUNG OUTといった印象で、それはJasonの歌唱の実力を証明しているのかも知れません。モロといえば、STRUNG OUTよりも、モロ最近のBAD RELIGINといったスピード・ナンバーもあり、この辺りがBAD RELIGINのボーカルがJasonに変わった的な、オモシロさを感じて、個人的には、そちらのほうが、このT4 PROJECTを、サウンドやバンドとして聴く、楽しみ方が見い出せるな気がします。また、かなり多くを占める高速ナンバーも、メンバーが、メンバーだけに、今日的メタリック・ハードコアというより、疾走系メロディック・パンクといった感じで、非常に面白いです。全体的にも、パンク・アルバムとして、かなり高く評価できる作品であると思います。

どちらにせよ、Jasonがボーカルである以上、MILESTONEのYuki氏とのメールのやり取りで、Yuki氏も言ってましたが、なにせあの声は最強なので、STRUNG OUTファンには、マストであることは間違いないでしょう。
そして、いろんな意味で、今日的なパンクロックを物語っている、面白い作品でもあると思いますので、楽しんで聴ける、オススメできる作品だと思います。結構、入手は楽そうで、私はAmazonで買いました。

THE T4 PROJECT Official http://thet4project.com/
THE T4 PROJECT MySpace http://www.myspace.com/t4project

Yes!プリキュア5♡
プリキュア5、スマイル go go!/キラキラしちゃってMy TrueLove!プリキュア5、スマイル go go!/キラキラしちゃってMy TrueLove!



みんな、げんきっ?きょうから、このはいすぴぃどふらわぁは、アニメがだいすきな、おおきなおともだちがあつまる、ゆかいなサイトになることにけってぇ〜いっ!!
いや、冗談です。ウケるかなと思ってやってみました。本当にスミマセン、ご迷惑をおかけしますが、恒例のヨタ話です。今日は望まれてもいないのに、アニメについて語ります。まぁ、アレですよ、いくら好きでもパンクの話ばっかしてちゃあ、世間が狭くなります。ここはひとつ、日頃触れていないモノに触れてみて、脳ミソを溶かしてみましょう。私のようにドロドロに。

私の生業がガシャポン屋なのは、既に多くの方がご存じかとは思いますが、キャラクター商品を多く扱うし、お客さんとの話もあるし、なるべく、最近のアニメや特撮は見るようにしています。
この仕事を始める10年前頃は、本当にアニメとか全く見ていなかったのですが、また、店を始めた当初は、仕事上見ている感がありましたが、もう、今では本当に自分の意思で、ガッツリと見ています。もう、日曜の朝とか、ボクもテレ朝キッズです。まぁ、そんなこんなで、最近のアニメは、観れるものは、大概見てます。で、時々泣いたりもします。チョッパーの桜とか、もう号泣です。
もっとも、小学生くらいの頃までは、もう異常なくらいテレビっ子だったので、アニメとか、特撮もガチで見ていて、その上私は、変な記憶力が異常に優れていたりするので、その頃見ていた番組のタイトルとかもちゃんと覚えていたり、あまつさえ、怪人や怪獣の名前を言えたり、エンディングテーマすら、口ずさめるほどです。
しかし、今の仕事にはそれが非常に役立っています。かなりブランクはありましたが、現代のアニメや、特撮も、抵抗なく見れるようになったどころか、最近では、ウチのお客さんより、詳しいほどのマジオタぶりです。私の本質的な、マニアックで貪欲なコレクター精神と、変質的評論家体質は、ことパンク以外のあらゆる所でも、いかんなく発揮されるわけです。

それにしても、本当に日本のアニメは素晴らしいです。その作画といい、技術といい、脚本といい、もう、どれをとっても世界一だと誇れます。政府も、この素晴らしく商品的価値の高い、日本のアニメーションを、本腰を入れて世界にプロモーションしていくべきです。また、行政的に推奨していくなど、なんらかの政策を進めていただきたい。
とはいうものの、日本において、アニメやマンガといったものは、所詮は子供向けであるだとか、低〜い文化レベルの大人たちが、その作品の本質を見ることをせず、明らかに幼稚な作品であると、決め付けている感があるのは、今も昔もあまり変わらないように思います。
昨今、宮崎駿氏の作品などが、興行的にも成功を収め、世界的にも評価が高いため、文化レベルの低い大人の方たちも、宮崎アニメは別格かの如く、劇場などにも足を運んだりしているようですが、私から見れば、愚の骨頂、チャンチャラおかしい光景にしか映りません。アニメに大人が見ても恥ずかしくないだとか、何言ってんだろう?という感じです。あえて言おうカスであると!!という感じです。
はっきり言っておきましょう、成人が、「もののけ姫」を劇場にカップルで金を払って観にいくのも、日曜朝に、オタクが一人でリモコン片手に、「Yes!プリキュア5 GO GO!!」を観るのも、まったく同じです。「宮崎アニメはなんか違うよね」だとか、「考えさせられるね」だとか、日頃、アニメも見てないふぜいが語るのは、もっての他です。「アンタ、バカぁ?」といった感じです。また、そういった輩は、秋葉原などに集う、高度な文化レベルの持ち主たちを、バカにしているようですが、キモいとか言ってるそこの女、バカはお前らのほうです。
また、同様にハリウッドで作られた、ハナクソアメリカンヒーローものだとかは、行列作って観にいったり、いけしゃぁしゃあと、最高だとかほざくのですが、ハリウッドでアメリカ人が金かけて作ってるのは、もうそれだけで、素晴らしいとか勘違いしちゃってる、ユルイ大人も多すぎです。覆面付けて、マント羽織って、カッチョいですか?「仮面ライダー電王」のほうが、よっぽど大人から子供まで観れる娯楽作品です。
とまぁ、いろいろと私見を述べましたが、要は日常の、アニメーションや特撮も、ドラマや、ハリウッド映画のように、愛や、勇気や、希望や、友情と、何かを伝えたい大人が、次の世代の子供たちへ、精魂こめて作っている作品であるということです。それは時に、Over40のオッサンの心にさえ響くことが多々あります。決して見もしないで、ツマランだとか、幼稚だとか、言ってはいけません。自分の目で見て、耳で聞いて、感性で感じること、そして、それを次の世代へと繋げていくことが、日本の文化レベルの向上を促す方法だと思っています。

えっ、Yes!プリキュア5 Go Go!ですか?当然、見てますよ。もう、去年のYes!プリキュア5から。何とはなしに一話を観てから、続きが気になって、今だにガチで観てます。主題歌は去年のほうが好きなので、今回画像はそれにしました。主人公のぞみちゃんの、おバカ&食いしん坊っぷりと、ウルトラ・ポジティブ・シンキングは、見ていて実に痛快です。

UKメロディック編 総括
とまあ、7日間に渡り、UKメロディックのバンドをとりあげてみたのですが、この辺り詳しい人だったりすると、ご不満の向きもあるのではないかとか、思ったりもしないではないのですが、あくまで私の暴走の赴くままに、バンドをチョイスしてみました。中には、常識ではありえないモノもありますね。ABSだとか、SENSELESS THINGSとか、SENSELESS THINGSとか、SENSELESS THINGSとか、SENSELESS THINGSとか....とまぁ、そんなのもいいかなとか思いつつ、毎日更新はキツいっすなぁ。どうにか、集中力が続き、ある程度、自己満足的に完結できた感もあるので、そろそろ通常営業に戻します。
このまま、GOOBER PATROLとか、DR.BISONとかと、なだれ込んでもいいのですが、それはまた、おいおい書きます。T4 PROJECTとか、もう、とっくに届いてるし、新しい荷物、聴いてないのがあるしで、なにかと忙しいです。新しいのも聴きたくなりました。
またいろいろと、シリーズ的には、UKメロディックほど続かないかもしれませんが、.ルーツ・オブ・USメロディックだとか、'90sスウェーデン特集だとか、なんか、いろいろとやってきたいなとは、考えております。そのためと、項目開けばかなり見やすくなることが予想されたため、Modernのカテゴリーを増やしてみました。自己満足です。これからも勝手に頑張っていきたいと思います。

そんな中、ほぼ毎日更新というのは、続けていきたい所ではあります。でも、たまには休むかな、やっぱ。まぁ、毎日更新といっても、ヨタ話は挟みますけど、必ず。次は、そろそろ、そんなヨタ話です。せっかくUKメロディックという料理を毎日コツコツ並べておいて、そのちゃぶ台を思いっきりひっくり返すことうけあいです。というか、どうもひっくり返したくなるし、ひっくり返すクセがあります。
というわけで、今後も自己中心的に、頑張っていく所存ですので、お付き合いのほど、よろしくお願いします。

GUNS'N'WANKERS
G'N'W

GUNS'N'WANKERSは、SNUFFのDuncanが、SNUFFを一時解散していた'93年〜'94年に活動をしていました。彼らの残した音源は、"Pop"、"Hardcore"、"Metal"という3枚のEPと、"Fears And Oathing"というファンジンの付録の"Silly"というEP、の4枚のEPの音源が、存在すると思うのですが、GUNS'N'WANKERSは、その活動期間の短さと、音源の少なさにもかかわらず、初期SNUFFと同等と言ってもいいほど、高く評価できる、UKメロディックのバンドのひとつであると思っています。

その全てが、7インチアナログの彼らの音源は、"Pop"、"Hardcore"、"Metal"から、"Metal"の"Ever Green"という曲を除き、日本ではSnuffy Smileが、イギリスではRugger Bugerが、それぞれCDとしてリリースしていましたが、現在はかなり入手が困難らしく、FatWreckChordsの、"Metal"の3曲を除いた、最も収録曲の少ない、US盤"For Dancing And Listening"のみが、現在、輸入盤として入手可能です。"Metal"はシングルを掘る以外ないです。また、最も入手が困難であろう、"Silly"の2曲は、デジタル音源としては、やはり、Snuffy Smileが、コンピレーション"The Best Punk In England, Son"に、"Gilette"を収録、"Bing Bong"は、タイトル忘れてしまった上に、どうにも見当たらない、USのコンピに収録されていたと思うのですが、多分、デジタル、アナログとも、入手は困難を極めると思います。"Silly"はどうでもいいっちゃあ、いいのですが、"Gilette"はカッコいいのだけど、短いですし、"Bing Bong"は、まぁ、アレですし。ただ、正規の3枚のシングルのほうは、機会さえあれば、ぜひとも聴いてほしいと思います。特に名曲が揃い過ぎの"Pop"は必聴です。まぁ、そう言った意味では、"For Dancing And Listening"で我慢はできるかもしれません。まぁ、しかし、あそこまで変質的に初期音源を集めて、リリースしてるFATなのに、なぜ削っちゃってるのか、少し理解に苦しみますが。

Duncanは、このGUNS'N'WANKERSでは、ギター&ボーカルを担当しており、まぁ、その巧さ、メタリックさに舌を巻きます。本当になんでも人より巧くこなしてしまいます、この人は。そして、SNUFF節も顕在な、彼のボーカルによる、極上哀愁メロディーは、GUNS'N'WANKERSにおいても、炸裂し放題に、炸裂しています。
Duncanのギターは、実にSimonよりも、さらにメタリック・エッジが効いていて、そういった意味でも、良くGUNS'N'WANKERSは、SNUFFよりもメタルっぽいとの風評も、良く耳にしますが、音だけを語るならば、新しかったSNUFFの音を、さらに新しくしているともいえ、また、メロディアスな曲は、このGUNS'N'WANKERSも、この上無く、メロディアスであり、そういった意味で、捉え方を変えれば、明らかにSNUFFの延長線上に位置するサウンドと言え、既に幻となった、初期SNUFFの幻影を、Duncanが体現してみせたサウンドと、ロマンチストな夢想をしてみるのも一興かとは思います。しかし、GUNS'N'WANKERSは、それ単体においても、超極上のUKメロディック・バンドと、私は断言して憚りません。

ここでは、私が所有している、Snuffy Smile国内盤に付随して、お話を進めていきます。そのオープニングを飾る一曲目 "Nervous"("Hardcore"収録、以降、収録EPをHC、M、P、と記載します)は、そのメタリックな刻みで、高速感のある、フックの効いた、メロディック・ハ−ドコアナンバーです。と簡単に言っても、当時としては、ギターがザクザクだし、かなり驚かされました。続く"Skin deep"(P)では、ガッチリと、クールな哀愁で疾走。"Blah Blah Blah"(HC)はなぜ、"Hardcore"に収録されていたのか、よくわからない、ポップなメロディック・ナンバーです。そして、"668"(M)。グラインド丸出しです。SNUFFでも、それっぽい感じの曲はありますが、G'N'Wのほうが圧倒的にメタリック・グラインド・コアです。続き"Surprise"(HC)はまさに、ハードコアという感じですが、もう、音と速度が、最近のメロディック・ハードコアと差異がないです。。そしてポップナンバー"Raise Your Glass(P)"、"Reach"の楽曲を彷彿とさせる哀愁メロディーの"Sunstroke"(P)と、メロディアス・ナンバー連発です。で、思うのですが、GUNS'N'WANKERSのミディアムや、少しアップといった曲は、速度を落としても、かなり疾走感を感じさせます。そこら辺、私的には、とてもたまらなく魅力的に感じるのですが、Duncanのギターもそうですが、サウンド作りと、演奏が、他の二人も相当に巧いと思います。で、次はまたもグラインド・フックな"Incoming"(M)。そして、野太いベースから始まる、実にハードコアな雰囲気を携えながらも、ポップ感さえある、"Blows away"(HC)ときて、ラスト、メガ・メロディアス"Help"(P)で、ポップかつメロディアスに締めます。
EPをまとめている作品なのですが、このSnuffy Smile国内盤及び、Rugger Buger UK盤は、曲順も実にしっくりきますし、アルバムとしてもバランスが取れているので、実に聴きやすく、素晴らしい作品であると思っています。SNUFFが持っていたような、ある意味での緊迫感や、緊張感が、このGUNS'N'WANKERSでは、その音とは反対に、あまり感じられず、メンバーが楽しんでいる感の方が、圧倒的に大きいように感じられ、聴いているこちらも、楽しみながら聴けるといった、そういった意味で、SNUFFとは、別の魅力や醍醐味が感じられ、その完成度の高い、ポップさ、ロックさは、まさに超極上のUKメロディックです。

SNUFFがシーンからその姿を消していた時期、GUNS'N'WANKERSの前に、DuncanとSimonは、'92年にWat Ttlerとともに、URIN8というユニットで、"Bizarresque"EPをリリースしていますが、一時的な遊びのようで、そのEPをリリースしたのみの活動に終わります。この"Bizarresque"EPのA面は、モロにSNUFFといえるナンバーなので、機会があれば聴いてみてください。当時は楽に入手できたのですが、このEPもB面がかなりアレなので、G'N'Wの"Silly"同様、高額を支払ってまで、手に入れるのは、あまりオススメできませんね。
GUNS'N'WANKERSは、'04年頃に再結成の噂もあったようですが、ベーシストの病気などもあり、実際は、'94年以降、活動やリリースがありません。GUNS'N'WANKERSが再び結成され、この時代にどんな音を出してくるのか、興味深いことこの上なく、なにかの間違いでもいいので、ぜひ奇跡の復活を、気長に待ちたいところです。
この辺のお話を、さらに深く知りたい方は、SNUFFの日本ファンサイト、SNUFFLEや、UKメロディックに
造詣の深い、The Best Punk Rock In Englandなどのサイトを覗いてみることをオススメします。非常に興味深いお話が書かれています。


SNUFF -REACH-
reach

当時、SNUFFが解散したというニュースは、その失望と、喪失感で、私をかなりヘコませてくれました。それほどまでに私は、"Snuff Said..."を聴いて以来、SNUFFが創り出す、新しいサウンドを、新しい曲を、心待ちにしていました。
'92年リリースの、この"Reach"は、'91年にレコーディングされ、SNUFFが一時解散した後に、リリースされた作品です。当時、元THE JAMのメンバーがミックスダウンするなど、様々な噂も流れ、また発売されるのかどうかも不明といった、噂すら流れる始末。しかし、実際は、LEATHERFACEのフランキーらの手を借り、仲間内だけで仕上げたそうで、どうにか埋もれることなく、SNUFFのニューアルバム"Reach"は我々の元に届けられました。私は期待と喪失感とが、ない交ぜになった、なんとも言えない心境で、この"Reach"を聴きました。それ以前も、それ以降も、この時のような感情で、新しい音源を聴くことなど、全く持って経験していません。

しかし、この"Reach"は、そんな私の失望感や、喪失感を、吹き飛ばしてくれるかのような、まさにSNUFFといった、1st."Snuff Said..."にも匹敵する、素晴らしい作品でした。
高速ナンバーではありませんが、実に彼ららしい刻みの"I Know What You Want"で幕を開け、炸裂する哀愁"Teabag"、そして、SNUFFの本領発揮とも言える、"Damage Is Done"、"Spend, Spend, Spend"超高速パンク瞬間芸コンボ、その短く高速の曲の間に、ドラマチックかつ、起伏にとんだアレンジを展開する、まさにSNUFFの真骨頂です。そして、ハモンドとダイナミックな演奏が見事に噛み合った、"If I Tried"。私はSNUFFの、スピードを殺した曲の中で、断然、この"If I Tried"が大好きです。続く"Hellbound"では、カテゴライズを握りつぶす、メタリックでダイナミックな演奏を展開、緊迫感や、軋轢を感じさせたかと思えば、"That's Fine"で、広大な風景を思わせる、叙情感を披露する。そして、Stop & Goな超高速"It's You"、哀愁パンク・ミディアム"Bingo"、またも歌い上げる高速ナンバー"Ichola Buddha"ときて、テクニカルな演奏とアレンジが凝縮された、彼ららしいインスト"Porro"をはさみ、シニカルな歌詞にもかかわらず、明日への希望を感じずにはいられない、"Sweet Dreams"で幕を閉じる。もう、国内盤のボートラが蛇足に感じるほどです。あ、いや、それはそれでうれしかったのですが。あぁ、もう、カッコいいです。アルバムとして、完璧すぎます。もう、私の文章もなんか、昔のシンコーミュージックの人みたいです。私はアルバムとしてなら、その衝撃の1st."Snuff Said..."よりも、この"Reach"のほうが、好きかもしれません。いや、待ってください、選べません、どっちも好きです。もう、この初期オリジナル・メンバーのSNUFFが出す音と曲こそが、いろんな意味で、正解で、ど真ん中で、ストライクで、もう、私の脳髄をグリグリします。...すみません、少し興奮して、取り乱してしまいました。

このアルバムの後、DuncanはGUNS'N'WANKERSを結成、そしてまた、SNUFFを再結成し、今もなお活動を続け、SimonはYOUR MUMそして、SOUTHPORTへと参加、AndyはLEATHERFACEに参加、POPE、JESSEと、Frankie Stubbsと活動を共にし、オリジナル・メンバーは異なる道を歩み始めるのですが、このオリジナル・メンバーのSNUFFは、私にとっては、本当に特別な存在だったりします。しかし、もう一度、このメンバーのSNUFFが見たい、聴きたいと願っても、Andyが亡くなってしまった今、その願いは叶うはずもありません。

知らずしらずのうちに、時は過ぎ、時代は変わり、そこに在るはずのものも、失われてしまうこともあります。年を取るということは、少しづつ、希望や、願いを喪失していくことかもしれません。そんなことを考えながら、なぜか思いだしたけど、"Too Late"の歌詞はなんとも深いな。


CHINA DRUM -GOOSEFAIR-
GoosefairGoosefair

China Drum


「奴らのステージを見た時は、あまりのかっこよさに、俺はバンドをやめようかと思ったぐらいだよ」この、言葉は、LEATHERFACEのフランキーが、CHINA DRUMについて語ったという、初期のシングルコンピレーション、日本デビューアルバムとなる"Rolling Hills and Soaking Gills"('95)の、国内盤ライナーからの引用です。
彼ら、CHINA DRUMも何故か、最近あまり語られる事もなく、時代に埋もれてしまった感すらありますが、私は、初期から、この時期のCHINA DRUMこそが、真のエモーショナルであり、UKメロディックという形容が、最も相応しいバンドのひとつではないかと思っています。

CHINA DRUMは'89年、スコットランドに近いイングランドで結成され、'93年、EP"Simple"をリリース、その翌'94年には、自主制作シングルのみの、リリースでありながら、GREEN DAYのEUROツアーのサポートも努めるなど、LIVEバンドとして、早くも注目を浴び始め、続き、"Great Fire"('94)、"Barrier"('95)、"Fall Into Place"('95)と、EPリリースを重ね、SNUFFや、LETHERFACEより一足早く、米国デビューさえ果たしました。そんな彼らの、待望のフルレングスにして、おそらく最高傑作と言えるであろうアルバムが、この'96年リリースの "Goosefair"です。

原盤オリジナルの14曲に、EPのサブトラックや、シングルバージョンを7曲、ボーナストラックとして、ふんだんに盛り込んだ、徳間ジャパン国内盤は最強です。それまでの一部パンキッシュな音や、ドライブ感といったものは、そのライナーに記されているとおり、確かに質感が変わっているのかもしれませんが、ミッドとスローが中心であるとは言え、その素晴らしすぎるメロディーと、充実したサウンドは、まさにこの"Goosefair"で、ほぼ完成をみていると思います。
初期シングルのリテイクを多く含んだ、この"Goosefair"は、まさにCHINA DRUMの初期のベストといってもいいほど、トータル的にも質が高く、初期のナンバーのリテイクは、その荒さや、初期衝動といったものは、失われているかもしれませんが、実に丁寧に録りなおされています。また、その演奏はシンプルでありながら、工夫をこらしたアンサンブルで、時に隙間を利用し、時に音を積み重ね、トリオ・パンドの魅力を引き出しています。ちなみにベーシストと、ギタリストは兄弟です。そして彼らも、ドラム・ボーカルなのですが、もう、なんでドラムの人は、こうも歌がうまいのでしょう。このアルバムにおける、彼らの演奏は、スローの曲などは特に、ロックというサウンドでありながら、旋律といった風情すらあります。私は、この時期の彼らの作るメロディーこそ、泣きメロであると認識しています。その哀愁のたっぷり詰まったサウンドは、歌物としてのUKメロディック・サウンドの醍醐味を、充分すぎるほど発揮しています。
先行シングルでのリリースもあった、オープニングナンバー、"Can't Stop These Things"の哀愁たっぷりの、疾走感に始まり、"Cloud 9"と飛ばして、"Fall Into Place"などの初期のリテイクを、多少落ち着いたアレンジで聞かせ、"Biscuit Barrel F. M. R. "でフックをかけ、バラエティーに富んだアレンジのミディアムをじっくりと、"Take It Back"で少し加速したかと思えば、初期のパンキッシュ・ナンバー"Meaning"を、なんとコースティック・ナンバーで歌い上げ、バラードで締める。う〜ん、カッコよすぎで、シブすぎです。そして、それだけでは終わらない徳間国内盤は、かなり名曲の数々である、EPサブトラックのつるべ打ち。美しい曲が、さらに美しい "Last Chance"の7インチB面バージョンと、"嵐ヶ丘"のカバーは、本当に入れてくれてありがとう、です。

彼らはこの後、'97年リリースの2nd."Self Made Maniac"でも、さらにその音の質感を変換していき、パーカッシヴなドラムアレンジや、かってないほどの、エッジを効かせた曲があったりと、実験的な試みも見せ、なんとも掴みどころの難しいサウンドでありながら、トータル的には、ある種、アメリカン・ロック的な、ホピュラーな展開を見せます。しかし、彼らの作り出す、素晴らしいメロディーは健在で、"Goosefair"ほど、ドラマチックではないかもしれませんが、充分に良作といえる作品です。
しかし、"Self Made Maniac"以降、とんと、そのバンド名すら、耳にしなくなります。バンド名をCHINA DRUMから、THE DRUMに改名して、活動を続けているらしいですが、そのサウンドは、CHINA DRUMとは全く、別のモノだそうです。
美しい思い出を、美しいままで取っておきたい、ロマンチスト(笑)の私は、THE DRUMを聴いたことがありません。
THE ABS -MENTALENEMA-
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交代なんかするもんか、ボクはまだ、投げられるんだ!!ほら、もっと遅いスローカーブだよ〜ん。と、UKメロディック特集を謳っておきながら、もはやストライクは初日の、LETHERFACEだけのような気が、しないでもないのですが(2日目はなんか自分的に暴投)、そんな私の投げつける大暴投を、ニヤリと笑って、バッター・ボックスに立ち、卓球ラケットで打ち返してくれるような人がいることを信じて、満を持して繰り出す、きっと誰かはホームランは、このThe ABSです。

彼らを初めて聴いて、何年が経ったでしょう。なのに、私ときたら、この"Mentalenema"の8曲と、テイチクの"Underground Rockers"という、コンピ収録の2曲以外、聴いていません。もう、2ndアルバムなんて、当時も今も、どこ探してもありゃあしませんよ。なのに、大好きでたまりません。
太く、深い、シンガロングなボーカル、ドライヴし、うねりまくるベース、イカすリフとカッティングが絡み合うギター、キメでは連打のパンクなドラム、そして、グッド漢メロディー、もう、パンクのカッコよさがここに極まれています。メロディー、スピード感(高速感ではありません)、ラウド感、どれをとっても申し分なく、ポップささえも持ち合わせちゃったりする、REZILLOSに男をふりかけたと言いましょうか、DICKISを進化させたと言うべきか、もう、この上なく、私の理想のパンク・バンドです。あぁ、もう本当にノークレーム、ノーリターンでお願いします。
彼らについては、Boggs(Vo.&G.)とRev(Dr.)が、ABS解散後に、LeatherfaceのDickie(G.)と結成する、DOCTOR BISON(1994-1996)の方が有名だったり、The Best Punk Rock In Englandさんか、眠るさんくらいしか、取り上げているのを見たことがありませんが、また、TRIGGER HAPPYに続き、日本で一番語ってやりますよ、もう、誰の意見も聞きません。

The ABS、その結成は意外と早く、1980年だそうで、このアルバムのラインナップになったのが、'87年だとのことで、同年、EP"Grease Your Ralph"を自主制作でリリース、'88年に12inch.EP"Turbosphinct"をVinyl Solutionからリリース、以降、ファンジンのコンピや、その他のコンピに音源を提供しつつ、'89年にLinkレコードより、リリースされたのが、この"Mentalenema"です。国内盤はやっぱりのテイチクから、'91年にリリースされています。
もう、8曲なんて、あっという間に終わってしまいますよね。もう、さっきから、かれこれ10回ほど繰り返して聞いています。決して、今日的な高速感や、スピード感ではありませんが、やはり、何度聴いても飽きません。実にポップで、ハードドライビング・ロックンロールといった趣です。日頃、高速メロディック・ハードコアを聴き慣れている、麻痺気味の耳に、正常な感覚を取り戻させてくれ、パンク・ロックの意味を再認識させてくれます。
で、今思うのですが、当時感じた曲のテンポではないスピード感は、巧みに構成されたアレンジと、ドライブ感のある演奏もあるでしょうが、シンガロングに歌詞を捲し立てるボーカルによるところも大きいのだなと感じます。で、捲し立てているのに、メロディアスなのは、サビではテンポを落とし、グッと歌い上げたり、その深い声と相俟って、実にテクニカルな歌唱能力によるものです。また、その歌の隙間や、歌を邪魔することなく挟む、ギター・リフが、より一層、彼らの楽曲をメロディアスにしています。なにせ演奏全体が、あくまでもパンク的に巧いです。特に、3曲目の"Sweetest Kiss"という曲は、私が人生で聴いたミディアム・テンポのパンクでも、最高峰に位置します。もう、哀愁の塊が、カッコ良すぎて、死ぬまでに、一度は聴いておかなければいけない曲です。また、"Underground Rockers"の方に収録されている"Englebert Humperdrink's Racing Pigeon"という曲は、This is Melodic Speed Punkです。
メタリック・ハイスピードな、近代的メロディック・ハードコアだけを求める方には、物足りなく、縁遠い音なのかもしれませんが、このThe ABSは、ぜひとも若い方たちに聴いてもらいたいバンドのひとつです。すると、答えも自ずと見えてくるはずです。「メロディック・ハードコア」が好きなのか、それとも「パンクロック」が好きなのか。どちらかが嫌いでも、どちらも好きでも、誰も文句は言いません。良い音楽を聴き、求める自由は誰にだってあります。このThe ABSが、その中の一つであることは、自信を持って言えます。そして拘りや、垣根を越えて、パンクロックを愛してもらえればいいなと思います。

で、そんな皆さんにというか、私に朗報ですが、The ABSの全音源を叩きこんだ、究極盤がついに発売されます(号泣)!!その名も"Wop Bop a Loo Bop a Cough Wheeze Fart"。自主7EP、12EP、この"Mentalenema"、そして幻の2nd."Nail It Down"に、Peel Sessionの音源、未発表曲と、もう、その感激に涙無くしては語れない、Ultimateな2枚組。神様ありがとう!こんな素晴らしいものが、Amazonでだって、簡単に変えるなんて、なんて時代だ、まったく、生きててよかったです。というわけで、また、近いうちにこのABSについて語るかもしれません。あまり、気負うとLOST IN LINEのときのようになるやもしれませんので、自重します。
で、よかったらたまに私の、ウチのお店のお客さんのオモチャ検索エンジンと化している、横のAmazonアフィリの検索エンジンに"Wop Bop a Loo Bop a Cough Wheeze Fart"のタイトルを放り込んでいただき、なおかつショッピングなどしてもらうと、一層喜びが増します。溜まったお金は、店の仕入れなどではなく、私のパンクCDのために大切かつ有効に使われます。


SENSELESS THINGS -POSTCARD C.V.-
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2球続けて、直球で勝負した後は、俺のとっておきの魔球を見せてやるぜっ、って投げたボールがスローカーブだったりする感もバリバリの、今や知名度も、人気も、再評価も皆無と言ってもいい、その音源も殆どが廃盤であろうことは想像に難くなく、かといって入手困難なのかと言われると、その辺の中古レコード店のワゴンの中にもありそうな感じですが、言っておきますぜ、ダンナ。この"Postcard CV"を見つけたら、買って損はないですぜ。なにせきっと叩き売られてそうですから。トホホ。と、俺だけ大好き、SENSELESS THINGSです。

当時、わざわざ日本くんだりまで出かけて来て、イカ天とかに出たりして、何かと話題を振りまきつつ、日本では東芝EMIから、その甘めのガキチックなルックスも伴い、というか、ガキ丸出しのようでしたが、いささかアイドル的、鳴り物入りな日本デビューを飾ったアルバムが、彼らの初期音源をまとめた、この"Postcard C.V."です。
そのライナーもなんだか、彼らのルックスや、立ち居振る舞いのことにしか、触れておらず、まったくライナーとして機能していません。また、インナーの裏にある、ファンクラブ会員募集、その名もセンセレス友の会(爆笑)の、なんともいえないイーエ〜ンムアーイなトホホっぷりが、当時を偲ばせて少し辛くなります。「センセレスのどこが好きかを書いて下記あてに送って! -中略- いろいろ イイ事あるゾ。」って、マジですか!グレイツッ!!ションベンちびりそうだぜ!!ねぇ、かあさん、ハガキちょうだいってことに、パンクスはなりません。別の意味でイタい、バードランドなんかとともに、彼らも日本ではかなり、重症を伴うイタさを感じさせるプロモーションを展開されていました。というか、バードランドの方は本体もイタいような気が...ry
しかし、初期の彼らは、SNUFFやMEGA CITY FOURなどと、LIVEをやったり、コンピEPをリリースするなど、UKメロディック初期のアンダーグラウンドのシーンにも、大きく関わっており、また、そのサウンドも、アグレッシヴで、スピード感にあふれ、尚且つ、ポップなナンバーを披露していました。そのガキ丸出しの、パブリック・イメージそのままの彼らは、ある意味では、天然物のパンクで、また、その音楽性も充分に新しさを備え、パンク界に新風を巻き起こす予感と資質が、充分に垣間見れたのですが、残念ながら、ガキはガキのままで、思いつくままにその音楽性を変換していき、ついには、パンクというカテゴリーからも外れてしまったかのような、パンク・シーンにおける現在の評価の低さに繋がっていきます。

'89年リリースの本作は、イギリスで発売された10曲に、初期音源を追加した、日本編集盤だと記憶しますが、特に散漫な感じもなく、この頃の彼らの楽曲は、実にパンク・テイストにあふれているモノが多く、MC4よりも、断然高速感があります。また、パンクっぽくないテクニカルなベースも、ラインがウルサく、妙なアンサンブルを加えています。私はここのリズム隊結構好きだったりします。全体的にその音は、当時としては古臭さがなく、アプローチが新しく感じられ、そのイメージとは別の、しっかりした音楽性が見受けられます。また、楽曲も非常にメロディアスかつ、ポップで、スピード感も兼ね備えています。アルバム全体としても、曲調が高速とミッドとに使い分けられ、退屈せず聴ける仕上がりを見せています。ていうか、今聴くと、やっぱり少し遅く感じますね。でも、速い曲はカッコいいです。中にはハードコア的速度感を備えた曲もあります。速い曲ではないですが、"Too Much Kissing"という曲は、Travis Cutもカバーしてるそうです、私は聴いてませんけど。また、この曲は、彼らがイカ天に出演した時にも演奏された曲です。また、SNUFFも、このアルバム収録の、"I Want To Get Back"をカバーしています。初期のコンピEPに収録されている曲ですが、SNUFFのベストで聴けます。ラスト前、"I Want To Get Back"と次の、"You Don't Want Me"という、スピード・チューンのコンボが、個人的にはこのアルバムの山場です。
このアルバムをリリースした後、12インチや、日本編集盤をリリースし、その後、EPICと契約し、"First Of Too Many"('91)と"Empire Of Senseless"('93)、"Taking Care Of Business"('95)というフルレングスをリリースしていきますが、初期の勢いのあるパンキッシュさは、東芝EMI音源までで、英国本国メジャーデビュー後の彼らは、イギリスでは、そこそこのセールを記録したようですが、その若さも手伝い、その音楽性に実験的、冒険的要素を取り入れ始め、音楽的にパンクスが求めるサウンドとは、大きくかけ離れていきます。

初期は、私に大いなる期待を抱かせてくれたSENSELESS THINGSですが、後期はオルタナティヴへの傾倒が、如実に表れていき、というか、もうグランジそのままですよ、当時、注目を浴びていた。ホント流行りものが好きだなぁ、小僧は。まぁ、そういったところも実に、彼ららしい一面というか、もう、SENSELESS THINGSというバンドを体現しているので、そう言った意味では、時代を経ての再評価など、彼らにとっては、無用の長物なのかもしれません。

SENSELESS THINGS 1989 - 1998 http://www.senselessthings.com/