
久々にBells On Recordsさんの新譜を。新譜といっても2004年の作品なのですが、なんといっても、元々のリリース自体が、あのFREEDUMBだったりするので、なんとも入手しづらいこと、この上なかったわけですから、今回のボートラまで入った、国内盤の発売はうれしいかぎりです。カナダのカッコいいバンドを多く擁しているFREEDUMBですが、それこそお店に頼んだところで、いつまでたっても入荷しないし、巡り合うのに運とかが左右されちゃたりするしで、なんとも面倒くさく、このバンドの音源も、そこかしこからDLしてきた、バラのmp3を、HDに放り込んじゃってるもんだから、ま、いっか、てな気になってたのですが、せっかく入手しやすい国内盤となれば、当然の如く手を出してしまう、持っておきたいアルバムです。
MySpaceに10 Yearsってあるので、結成は'98年ですかね。4人編成のドラム・ボーカルです。きちんとした音源のリリースも、この作品だけだと思いますし、現在も目立った活動はないようです。
方々で言われているとおり、昨今の巧いバンド慣れしている耳には、ツっ込むところは多々あるのかもしれませんが、私的にはけっこう普通に聴ける範囲だったりします。イントロや間奏が長く、色々と手の込んだことをやってみたり、チョーキングとか、ワウとかが古ダサカッコよかったりと、私的には何かとステキで、また、ショボい感じとかではないので、心配は無いと思います。いろんな意味で、味というのが出ていると思います。カッコいいパンクバンドというは、ある意味ツっ込みどころがあるくらいが魅力的です。'90年代のSWEDENのバンドや、UKショボ高速系のバンドしかりです。そして、彼らには類まれなると言ってもいいほどの、メロディー・センスがあります。その叙情的なメロディーに、ドラマチックな展開と言えば、'90年代のカッコいいバンドを彷彿とさせますが、ある種の懐かしい感じというのは、そういった、'90年代のバンドに通じる部分があり、彼ら自身がインスパイアされていると公言している、'90s Likeなサウンドの、少しの拙さや、染みるメロディーといった、必要十分条件を兼ね備えています。
本当にこのバンドは、イントロや、間奏が長い部類に入ると思うのですが、アレンジの運びが良いので、それをドラマチックに聴かせることができます。歌い出し、サビ前後の落とし、サビの盛り上げ方、コーラスの煽り、サビの後に大サビといった、劇的な展開は抜群です。エッジやフックの鋭さといったものを求めると、難はあるのかもしれませんが、楽曲自体にフック感覚があるので、むしろ多少の緩さといった感じが、このバンドをより'90sっぽくしていると思います。充分に疾走感も表現できていて、非常に心地良いテンポに感じます。ボーカルにさほど大きな特徴が無いにも関わらず、歌モノ的なメロディック・ハードコアの良作といったイメージが強かったりするのは、そのメロディーの良さという部分が大きいでしょう。
"I Hear Your Cries"は、つい繰り返して聴きたくなるような、グッとくるサビのメロディーや、少し繊細で、劇的なアレンジと、このバンドの魅力が凝縮されたような、叙情高速メロディックの名曲だと思います。
この曲には、なぜか日本の'70年代の香りなんかもしちゃいます。それは、昔のテレビドラマの主題歌なんかを思わせる、侘びて寂びるメロディーのエグりと、ギターのフレーズのせいだと思います。なにかと、染みる一曲です。
NON SUFFICIENT FUNDS MySpace http://www.myspace.com/nonsufficientfunds

SHADES APART、その後もダラダラと聴いていたら、やはりあまりにカッコいいので、2連発でこのアルバムも。前作"Neon"は、やっぱEP扱いみたいなので、2nd.Full-lengthということになるのでしょう、この"Save It"です。このアルバムが2nd.ってことになると、"Neon"では激しく失速してましたが、アルバム的には、1st.アルバムの延長線上、または発展形といった感じなので、そんなに音楽性は変わっていないことになりますね。う〜ん、本当に説明しにくいバンドであることだなぁ。
初期のSICK OF IT ALLのリリースとか、FARSIDE、IGNITE、SHELTER、TEXAS IS THE REASONといった、ある意味、玄人受けしそうなバンドを多く擁し、そういえばDAG NASTYも一枚出してます、とまぁ、ストレイト・エッジからエモいのまで、幅広いリリースを行っていたREVELATIONにレーベルを移しての、リリースですが、レーベル・カラー的には、もうドンピシャな感じですね。で、プロデュースと機械いじりは、ALL/DESCENDENTSのBill StevensonとStephen Egertonです。SHADES APARTのことをBillはかなり気に入っていたらしく、そういう経緯もあったのかもしれませんが、次作"Seeing Things"も彼らがプロデュースしています。
ALL/DESCENDENTSのコンビがいじると、たまにすごくモッサリした、ダメ臭が少し漂うのだけど、曲だけは良いといったようなバンドが、大化けしたりすることなどがあるのですが、SHADES APART自体はもともと、クォリティーの高いバンドなので、彼らの本質的部分は、なんら変わることなく、また彼らの味を殺すことなく、好き放題やってる上で、クリアに、スッキリとした感じに仕上げていると思うので、サウンド面では非常に成功していると思います。ただ、その好き放題やってる、彼らの本質的な部分というのが、曲者だと思うので、それを生かしちゃったりすると、やはり通り一遍のポップ・パンクや、メロディック・ハードコアといった、作品に仕上がっておらず、相当にメロディアスにも関わらず、また、ある意味ポップ・メーカーだったりする人がいじっているにも関わらず、ポップだったり、キャッチーだったりする部分はあまり見られないのが、このバンドのすごいところだなとか思ってしまいます。音自体スッキリしている分、神経を逆撫でするようなアレンジや、リフといったものが、より鮮明に出てきて、それ自体が昨日お話したような、逼迫観、切迫感といった、このバンドの独特の緊張感を際立てていて、その感覚は1st.に匹敵するほどです。ただ、1st.の場合は、真っ暗闇ですが、この2nd.の場合は、真昼間の天気雨といった趣で、まぁ、四六時中、緊迫しながら高速で逃げ回っているわけですね。
1曲目からいきなり、メロディアス神経逆撫でアレンジ&リフで逃亡を開始します。続く2曲目も所々に緊迫金属カッティングを入れたりと、独特の疾走感で飛ばして行きます。また、3曲目では待ってましたの、近代高速ハードコア・アプローチで、逃げ足を速めます。もう、完全に1st.のような、脅迫逃走感が復活しています。以降も、時に神経を逆撫でするようなのを随所にはさみながら、痙攣して、疾走するアップ・テンポを繰り返し、イリーガル・アプローチな、メロディック・ハードコア/パンクで突き進みます。9曲目なんかは素直にカッコいいリフ入れてきたりするのに、リズムの変換で緊迫感を煽ってみたりするので、やはり、その独特のアレンジと、曲調は聴く人を選ぶかもしれません。とは言いつつも、シングル曲でもある、11曲目のGIGANTERもカバーしていた、GLORIA JONESの"Tainted Love"のカバーは、原曲自体、哀愁のメロディーなのですが、彼らの料理で、さらに哀愁ハード・パンク・ナンバーといった、非常にカッコいい仕上がりを見せており、パンク好きなら、誰もがヤラれそうな、ポピュラリティーも見せたりするので、その辺のセンスもこのバンドの侮れない部分だったりします。
アルバムのクレジットは11曲になってますが、実際は、さらに"Wasted Life"と"We Are The One"の2曲が、入っており、特にSTIFF LITTLE FINGERSのカバー"Wasted Life"の、ハードコア・アプローチは、全パンクス必聴のカッコよさです。
それにしても、やはりこのSHADES APARTも、何々みたいなバンドといった形容が難しい、個性的なバンドなのだなと改めて認識しました。メロディック・ハードコア的にだとか、パンク的には、きっとイリーガルな存在なのかもしれませんが、私的には、本当にど真ん中のストライクなバンドだったりするんですけどね。
SHADES APART "Tainted Love" http://jp.youtube.com/watch?v=nsVesOYCe_A
GLORIA JONES "Tainted Love" http://jp.youtube.com/watch?v=NSehtaY6k1U&feature=related

SHADES APARTは1988年にニュージャージーで結成された、トリオ・バンドです。結構、その音源ごとに、音楽性が激しく変化しているバンドなのですが、基本的に本当にカッコいいサウンドを持っているバンドです。哀愁を帯びた暗めのメロディーに、ハードコア的な高速感、そのある種、緊張感に満ちたサウンドは、何かに追われているような、独特の緊迫感のようなものを備えています。
しかし、そんなカッコいい曲に溢れたアルバムがあるかと思えば、突然、作品全体的に失速して、エモくなったりだとか、ポップになってしまったりだとか、また、その次の作品ではパンクな感じに逆戻りしたりと、なんだか、本当に掴み所の無いバンドではあったりします。で、なんとも地味すぎる印象もあってか、知名度もどうにも低そうで、パッとしない感じがしないこともないです。それでも、いわゆるメロディック・ハードコア的なアプローチの作品はもちろんのこと、かなりスピードの緩い作品にしても、その作品ごとのカテゴライズ的には、かなりの完成度を誇り、その巧い演奏と、完成された曲もあって、充分にAクラスのバンドであると思います。本来なら、もっと高い評価があったりしてもいいと思うのですが。
そんなわけで、私がここで取り上げるアルバムと言えば、やはり、高速系のモノが中心なので、前述したような、高速&緊迫感といった雰囲気が、如実に伝わる、彼らの結成の年、'88年にレコーディングされた、この1st.をチョイスしてみます。もっとも、この作品は彼らの作品の中でも、別の意味で異質な質感といったものを感じる作品で、モロに哀愁高速パンク(激しく湿り系)です。そういった意味でも、ここをご覧になっている方でしたら、かなりの好印象で迎えられるであろうと、少し共感だとかそんなことを期待しながら、お薦めしたりします。
少し、彼らのそのサウンドの変遷について述べておくと、この'88年の1st."Shades Apart"は先のとおりの、暗めの疾走サウンドです。そして'92年にEP"Dude Danger"をリリース。この作品は、前作の延長線上ですが、若干スピードが微妙にダウンし、録音が小さいです。'94年にリイシューされてる、この1st.アルバムにボーナス・トラックとして収録されていますが、続けて聴くと、少しもっさりした感じで、どちらかと言えば、こちらの方が前の作品といったような印象を受けます。
そして'93年、"Neon"をリリース。洋ウィキとかではEPとかってなってますが、もうガッツリ9曲入ってますよ、遅くて長いのが。1曲目とか、相当にカッコいいミディアムなんですが、以降、高速ファンにはかなり厳しい作品です。1st.とは完全に別のバンドです。エモい人にオススメです。
そのまま失速してしまうかに思われましたが、'95年にRevelationにレーベルを移し、full-length"Save It"をリリース。ここではまた、速くて、暗くて、スリリングで、カッコいいSHADES APARTが帰ってきます。このアルバムはALL/DESCENDENTSのBill StevensonとStephen Egertonのコンビがプロデュースしています。SHADES APARTは二人のお気に入りのバンドだったらしく、そのサウンド・プロデュースも、成功していると思います。この作品では、疾走感を持った楽曲やハードな味わいがまた戻ってきて、1st.の質感とは違いますが、全体的にスピード感があり、また、ポップな味付けや、前作のようなクリアなサウンドを、速くしている感じで、高い完成度を誇っています。そして'97年の次作"Seeing Things"では若干速度を緩め、基本ミイディアム〜アップ、たまに高速を織り交ぜた作品になっています。このアルバムもALL/DESCENDENTSコンビのプロデュースです。
'99年にはメジャーに舞台を移し、Universalに移籍し、"Eyewitness" をリリースします。が、見渡してもなんか近くにありません。きっと積み上げられたCD山脈の中ですね。つまりはそういうことでしょう、きっと。そして'01年に"Sonic Boom"をリリースしますが、これは全曲、戸羽口を視聴してみて、興味がわかず買わなかったので、持ってません。ジャケも、らしくない感じです。つまりそういうことです。
で、この1st.ですが、暗く、激しく疾走しています。よく、DAG NASTYなんかが、引き合いに出されていたようですが、たしかに近い感覚です。ハードコアというイメージではありませんが、雰囲気的なものは、この1st.が、もっとも近い感じではあります。なにせ逼迫して、切迫して、追い詰められて、すげぇ速度で逃げてる感じです。そういった何か、ほの暗い緊張感と言ったものは、このバンドが有する独特の雰囲気なのかもしれません。中期あたりになると、サウンド自体が、かなりクリアな感じがするので、その窮屈さのようなものは若干弱まりますが、この初期では、真っ暗闇の夜な上、土砂降りの雨といった趣で、泥臭さすら感じます。また、1、2曲目などは如実ですが、速い曲なのですが、アプローチがHUSKER DUのような、疾走感の出し方で、そういった意味でもハードコアっぽくないイメージがあるのかもしれません。まぁ、しかし3曲目くらいからは、ツタツタ来始めるのもあるので、近代高速感も増していきます。思えば、'90年代に突入する以前に録られた作品なので、こういったバンドが顔を出しつつあった時期としても、かなり斬新な音だったのではないかと思います。そして、明らかにHUSKER DUの影響下にある、現代のオルタナティブ的な印象が非常に強いのが、なぜかこの最初期の作品だと思ったりします。
やはり、初期のころから、相当にカッコいいサウンドであることには間違いないし、私は本当にこのバンドはカッコいい音で、カッコいいアプローチをするバンドだと、速いの遅いの問わずに思ったりするのですが、いかんせん、常に本流とずれた所に位置しているといった向きがあり、素晴らしいセンスや、メロディアスな楽曲、斬新なアプローチといったものが、非常にマニアックな形で反映されている感じがします。
この、オルタナティブな上に、早すぎた、斬新なメロディック・ハード・パンクな一枚は、名刺代わりにするには、当時としてはキツい一枚だったのかもしれません。他のバンドの名刺は、紙でできているのですが、彼らの名刺は鉄でできているようです。しかし、現代であれば、多くの人が意外とすんなりと受け取れるのかもしれません。
SHADES APART MySpace http://www.myspace.com/shadesapart
![]() | Evil Stig Evil Stig |
前回、お話ししたように、EVIL STIGは、ボーカリストを喪失してしまった、THE GITSのメンバーに、女性ソロ・シンガーの、Joan Jettが加わった、特異な経緯を持つ、パンク・バンドです。有名な話ですが、そのバンド名、EVIL STIGは、逆さから読むと、GITS LIVEです。THE GITSというバンドを知っていて、このEVIL STIGが結成された経緯などを知っていれば、鳥肌の立つほどのバンド名のカッコよさです。
'75年に結成され、'79年に解散した、元祖ガール・バンド、THE RUNAWAYS。そのリーダーでもあったJoan Jettは、その後、自らのバック・アップ・バンド、THE BLACKHEARTSを率いて、ソロ活動を開始します。'82年の"I Love Rock 'N Roll"のメガ・ヒットなどで、その名をご存知の方も多いと思います。そのワイルドな佇まいとともに、いつの時代においても、その彼女のメンタル的なパンクスといった部分は、スタンスや、アティテュードといったもの、そのすべてにおいて、最近の名前だけのパンクバンドが、尻尾を巻いて逃げだしそうなほど、パンク然としていると思います。そんな彼女のスタンスだからこそ、このEVIL STIGというバンドが生まれ、またこの一枚のアルバムからも、真摯で熱い、パンク・スピリッツが感じられるのだと思います。
Joan JettとTHE GITSの残されたメンバーは、ベネフィットのイベントなどでも共演しており、また、そのタイトかつ、ワイルドでパンキッシュな、THE GITSの演奏は、Joan Jettの求める音楽性とも近く、また、彼女自身の、そして残されたTHE GITSのメンバーのMia Zapataへの想いや、当時、未解決であった事件への憤りといったものが、このアルバムを完成させ、その印税などの収益は、その事件の、プライベートな捜査資金として活用されるのは、昨日もお話ししたとおりです。また、Joan Jettは女性の自衛や、護身などのトレーニングや、講習会といったものにも、積極的に参加しているようで、そういった部分にも彼女の本気さや、真摯な姿勢が充分に窺えます。
THE GITSのナンバーをJoan Jettが歌い、セルフ・カヴァーしている、ある意味ではトリビュート的な要素も含まれると思いますが、THE GITSとJoan Jettの共作のオリジナルや、生前レコーディングされていた、Mia Zapataのボーカルをミックスして完成させている曲、Joan Jettのオリジナルのナンバー等も含まれているので、安易なトリビュートといった枠に嵌る作品ではなく、EVIL STIGというバンドのアルバムとして真剣に作られている作品で、また、Joan Jettのソロの新作といった意味合いも兼ねている作品でもあったようで、ビクターからの国内盤ではジョーン・ジェット&ザ・ギッツとなっており、CDの帯などのコピーは、まさにJoan Jettのアルバムそのものです。
THE GITSの"Enter: The Conquering Chicken"のラスト・ナンバー、"Sign Of The Crab"から始まる、このアルバム。そのハードなパンク・ナンバーのこの曲の、Joan Jettの歌唱の仕方が、Mia Zapataに非常に似ている印象で、一曲目から、もう鳥肌モノで、グッときます。以降、2〜4曲目、6曲目、13曲目と、アルバム全体は、2nd.からのセルフ・カヴァーが中心なのですが、曲ごとに様々に歌い分ける、Joan Jettの歌唱は、そのテクニックも非常に素晴らしいです。静かなナンバーでは、表情豊かに歌い上げ、パンキッシュなナンバーでは、本当にワイルドにかましてくれたり、また彼女のオリジナルでは、キュートな感じも出したりと、本当に全体的に彼女の巧さを実感します。
5曲目"Last To Know"はTHE GITSとJoan Jettの共作のオリジナルで、2nd.の延長線上にありつつ、Joan Jettのカラーもすごく出ている、まさに二つのアーテイストの良い部分をミックスして完成しているEVIL STIGの代表曲です。国内盤には、ラストにこの曲のデモ・トラックが収録されています。
1曲目や、4曲目、13曲目といった、ハード・パンク・ナンバーも多く含まれ、またTHE GITSのミディアム自体、非常にパンキッシュな感じがするので、ラスト手前はJoan Jett色が色濃く出ますが、全体にパンクの臭いがあふれている作品だと思います。1st.の名曲"Second Skin"は、オリジナルよりも性急な感じで、さらにワイルドに仕上がっています。
THE GITSのメンバーは、その後、DANCING FRENCH LIBERALS OF 48というバンドをやっていたようです。また、そのパンク創世記以前から、コンスタントに活動を続けてきたJoan Jettは、1958年生まれの彼女ですが、今だ現役のようです。
JORN JETT Official http://www.joanjett.com/
JORN JETT AND THE BLACKHEARTS MySpace http://www.myspace.com/joanjettntheblackhearts
MIA ZAPATA MySpace http://www.myspace.com/vivamiazapata
![]() | Frenching the Bully The Gits |
THE GITSは、'86年にオハイオで結成され、'89年にシアトルに移住し活動していたパンクバンドです。先に紹介した、シアトルの2バンドと比べると、そのサウンドやアティテュードといったものも、わかりやすくパンク的で、グランジが中心であった、シアトルのシーンの中でも、パンク/ハードコア色が最も強いバンドの一つでした。そのドライヴ感あふれるタイトな演奏と、これまた、表現力豊かで、魅力あふれる女性ボーカル、Mia Zapataの、ブルース調の味わいとも称される歌声、彼らの残した、"Frenching The Bully"も、'90年代の素晴らしいパンク・アルバムの一枚として、今も色褪せることはありません。とは言いつつも、本来なら、そんな素敵な一枚を喜んで取り上げて、語り尽くしたいところですが、どうにも気が重かったりするのは、Mia Zapataが忌わしい事件の被害者となり、既に亡くなっているという事実のせいかもしれません。
'92年にこの1st.アルバム、"Frenching The Bully"をリリース。かなり高い評価をプレスなどから得た、彼らは翌、'93年に2nd.アルバムのレコーディングに入るのですが、同年の7月にMia Zapataが、シアトルのストリートで強姦され、絞殺されてしまいます。ボーカリストを失ったバンドは、それでも'94年に2nd."Enter: The Conquering Chicken"をリリースしますが、実質的にバンド活動に終止符が打たれることになります。
長く未解決だった、Mia Zapataの殺害事件は、シアトルの多くのミュージシャンに衝撃とともに受け止められ、この事件がきっかけとなり、彼女のコミュニティーのミュージシャン、芸術家、作家、俳優などが、女性自身がレイプや家庭内暴力などから、自己防衛するための非営利組織団体、HOME ALIVEを発起し、また、NIRVANA、PEARL JAMといった有名ミュージシャンたちも参加した、彼女のトリビュート・アルバムをリリースし、その収益は、長く未解決になっていくことになる、この事件の捜査の継続の呼びかけと、その活動資金、またHOME ALIVEの団体の運営資金として活用されます。
また、THE GITSの残されたのメンバーも、その犯人逮捕の呼びかけや、その捜査のための私立探偵を雇う資金を集めるために、往年のベテラン女性シンガー、元RUNAWAYSのJorn Jettに協力を仰ぎ、彼女をボーカルに迎え、EVIL STIGというバンド名義で、'95年にアルバム"Evil Stig"をリリースし、そのアルバムの収益も、そういった活動のための資金として活用されました。
'96年には、彼らの'88年の音源"Kings & Queens"がリリースされ、また、'00年には、未発表音源や、LIVEテイク、レア音源を集めた、"Seafish Louisville"がリリースされています。また、1st.と2nd.も、'03年にリイシューされ、LIVE音源などのボーナストラックを追加した形で、再リリースされています。ジャケ画像はその再販盤のもので、オリジナルはジャケット・デザインが少し異なります。
皮肉にも、こういった事件によって、Mia Zapataの名とともに、THE GITSというバンドも、世間に広く知られることになり、そのサウンドは後世に残されていくわけですが、せめてもの救いは、彼らの存在を知らなかった人達まで、そのサウンドを知る機会が増え、そのサウンドに、多くのロック・ファンから、より以上の支持が与えられたということではないでしょうか。
この1st.アルバムは当時、よく足を運んでいた、地元の輸入盤屋さんの店長に、C/Zの新譜が珍しく入ったよと、薦められるままに購入したのですが、聴いてみると、C/Zの中では実にアタリだと感じたものでした。オリジナル・パンクのテイストを持った、カッコいいバンドといった印象で、ミッド・テンポと、オリジナル・パンクLikeなアップ・テンポが主体ですが、8、9、11曲目といった、アプローチとして、ハードコアのテイストが盛り込まれたものも含まれ、また、そのミドルや、アップのナンバーも、ゴキゴキくるベースに、タイトなドラム、音の作りを変えてくるリフを織り交ぜた、ギターのパンクなカッティングと、本当にオリジナル・パンクを思い起こさせる、アグレッシヴなナンバーが多く、また、ADAM & THE ANTSを彷彿させるかのような、インディアン・チックなアレンジも含んだ曲などもあり、そんな少し懐かしいテイストを持ちつつも、先鋭的なアレンジや展開もできるといった、本当に良いパンクバンドといった印象でした。また、その楽曲に花をそえる、Mia Zapataのパワフルで、少し粘り気のある歌唱も、実に魅力的で、このアルバムでは、評価されているブルース調のボーカルといった、実力派の歌唱とともに、パンク・ボーカルとしての、荒っぽさや、ワイルドさといったものも見られ、本当にこのバンドの、このサウンドに馴染むボーカリストであると思います。6曲目のような、本当にブルージーな曲調では、その実力をいかんなく発揮し、またワイルドなパンク・ナンバーでは、パワフルに、そしてアグレッシヴに、荒っぽく歌い上げます。その両方がミックスされたかのような、ラスト・ナンバー "Second Skin"は名曲です。
容易に入手できたこのアルバムとは、違い、次のアルバム、"Enter: The Conquering Chicken"は当時、どこを探しても見当たらず、どうにかこうにか、どこかの通販輸入盤店で見つけた、2nd.は何故か在庫がLPだったりして、仕方なくLPで持っていたりします。Mia Zapataの訃報と、その経緯を雑誌か何かで見かけるのは、その少し後だったように記憶しています。
Mia Zapata殺害の犯人は、2003年に、彼女の体に残った唾液のDNAから、当時フロリダに住んでいたキューバ人漁師と判明し、そして、翌年から始まった裁判で、その容疑者に有罪判決が下ったようです。そしてようやく事件は解決を見ることになりました。
THE GITS Official http://www.thegits.com/
THE GITS MySpace http://www.myspace.com/thegitsrule
![]() | Hammerbox Hammerbox |
さらにマイナーに、さらにマニアックに突き進んでしまうのか、シアトル。このバンド、メジャー・デビューもして、2nd.は国内盤も出たってのに、多分、激マイナーの部類に入っちゃうんでしょうね。HAMMERBOXです。
このバンドもCOFFIN BREAKと同様に、シアトルのバンドで、やはりデビュー時には、C/Z Recordsに所属しており、また、DAMNEDのトリビュート、"Another Damned Seattle Compilation"にも参加していました。とまぁ、初期経緯は同じなのですが、このバンドに比べれば、COFFIN BREAKすら、すごいメジャーに思えます。なんだか、いろんな意味で、才能あるのに、宣伝とかに恵まれてなかったバンドです。
もう、私としては、"Another Damned Seattle Compilation"における、彼らの"New Rose"のカバーのセンスに、一撃でヤラレてしまい、その単独音源をCD屋さんに、わざわざ何週間もかけて取り寄せてもらったほど、ヤラレまくったわけですが、当時何故か、C/Zは非常に入手しづらかったです。そんなことも手伝ってか、日本では、全くもって話題という、話題にも上らず、HAMMERBOX自体も'90年から'94年までという、短く、また微妙なキャリアで、シーンから消えてしまいます。
彼らの音源としては、この'91年にC/Zよりリリースの、1st.アルバム"Hammerbox"。そして、メジャーA&Mと契約しての2nd."Numb"を'93年にリリースしています。ちなみに国内盤はポリドールからです。私が所有しているのは、このスタジオ・テイクの2枚と、"Another Damned Seattle Compilation"だけなのですが、この他にもう一枚、2枚組LIVEアルバム"Live EMP Seattle, WA 5/14/04"が'05年に、私の知らない間にリリースされていたようで、もう、悔しいことこの上なし、金も無いのに注文してしまいました。
HAMMERBOXのサウンドも、また、パンクという範疇にカテゴライズしていいのか、迷ってしまうような、ニューウェーヴとパンクの中間と言ったらよいか、パワー・ポップとパンクの中間と言えばいいのか、やはりかなり一言で表現するには難しいサウンドです。おそらく、私が好む音楽としては、非常に珍しい部類に入る音ではあるのですが、私はこのバンドが大好きだったりします。
非常にメロディアスで、様々な曲調、実力派の女性ボーカル、センスある巧みな演奏、パワフルであるのと同時に、繊細さや透明感といったものも表現でき、時にはラウドでワイルドな、パンクのドライヴ感すら出せる、全体的にも非常に高い完成度を持ったバンドだと思います。しかしながら、いかんせん、そのアプローチが、マニアックであったり、先鋭的な部分が多く見られ、その誰もが受け容れ易いといった、キャッチーさのようなものが薄かったのかもしれません。本当に面白いことに、このバンドは相当にポップなのに、キャッチーさがありません。そういったある種マニアックなサウンドが、このバンドの最大の魅力的な長所であり、また短所であったのかもしれません。また、パンクとしてもどうかとか、グランジなのかというように、そのシーンの中において、やはりターゲットや支持層が不明瞭ではあります。だからといって聴きづらいかというと、全然そんなことはなく、私はいつも爽快に聴いてたりするのですが、私のほうが変わっているのかもしれません。
2nd.アルバムの"Numb"あたりになると、私的には随分と普通の良いバンドっぽく聴こえるため、やはり、チョイスするアルバムとしては、好き放題、やり放題な印象の、このセイム・タイトルの1st.ということになります。多分、現在としてはグランジまたは、ポスト・グランジといった一言で片付けられるのでしょうが、このバンドをグランジと言うには、相当に語弊がある感じがします。変則的なアレンジを速度に関わらず多用し、重さと軽さを使い分け、実に様々な曲調が混在するそのサウンドは、カテゴライズが非常に難しいです。
ハウったり、ファズったり、神経を逆なでしたかと思うと、カッコいいフレーズを持ってきたりする、ギターが、このバンドの変則的アプローチに、さらに変態的な味を付け加え、そのサウンドをさらに個性的にしています。また、紅一点、パワフルに歌い上げる、Carrie Akre嬢の、様々に歌い分けのできる、表情豊かな表現力には、脱帽です。私的には、この女性ボーカルはRACHEL SWEET並みに大好きだったりします。
パンキッシュ・アップ・テンポな1曲目、"Bred"では、いきなり本領発揮で、歪みながら疾走するといった、実にHAMMERBOXとはコレだ、的な、異質ですが、非常にカッコいいナンバーをぶつけてきます。以降、パワフルに歌い上げる、捻ったアレンジのミディアム・ナンバー、繊細で透明感のありつつ、間奏は相変わらずに爆発するスローテンポ、コーラスがツイン・ボーカルのように被る、少しマンチェスター入ってるナンバーと来て、展開が変質なパンキッシュ変則アップ・テンポ、そしてジャジーで、その演奏も歌唱も、シャレて素敵な大人のパブロックを思わせるナンバー、と、まぁ、なんとも懐深く、色んな曲調に、ある意味、変態感を織り交ぜ、バラエティーも豊富に過ぎるといった詰め込み方です。まぁ、そんなこんなで、ハードコア感はゼロなので、やはり、日頃ここで紹介しているようなバンドをお好みの方は、やはり、敬遠したほうが無難かもです。カッコいい音なんですけどね。しかし、私が何故かイケたりする、この不思議。
私がこのバンドを魅力的に感じるのは、Carrie Akreの魅力的なボーカルによるところも大きいのですが、そんな彼女は、現在は全く違う音楽性で、ソロ・アーティストとして活動をしており、この時代に見られた、パワフルさや、アグレッシヴさからは想像もつかないような、穏やかなIndy Popを歌っています。なんか、本当に不遇なバンドだったのだなぁとかも思ったりするので、特に意見はありません。ギターの人は何してるんでしょうかね。こんなカッコいいギター弾くのに、なんかバンドやっててほしいものです。
C/Z Records http://www.czrecords.com/index.php

カリフォルニアから、シアトルへと進路を向けたはいいのですが、いきなりコレかよと、ここを見ている方の何人かは、そう思う人もいたり、また、自分自身にもそんな思いがあったりして、なんでかな〜とか、思ったりしつつ、久方ぶりに聴いてみて、そのドッチラケ感に、ますますその思いが確信に近づきつつも、やろうと思ったんだから、もうしょうがねぇ、やっちまえ的な、このCOFFIN BREAKです。
シアトルといえば、グランジ発祥の地として有名ですが、サウンド的に、いわゆるパンク/ハードコアのバンドも多く存在し、そういった、グランジ、パンク、メタルに関わらず、その土地柄として、今で言うところのオルタナティブなのが、非常に多く存在し、シーンも盛んでした。その出世頭といえば、NIRVANAなんでしょうけど、そのNIRVANAも、初期はこのバンドのサポート・アクトを努めていたという、地元ではけっこう支持が高かったと思われる、このCOFFIN BREAK。シアトルには、パンク/ハードコアのバンドも多くいると前述はしましたが、このCOFFIN BREAKが、決してそうだと言ってるわけではありません。まぁ、パンクっちゃあ、パンクなのですが、なんと言ってよいやら、決して日頃ここで扱って、私がオススメしているような、高速メロディック・ハードコア・ファンのためのバンドでは決してなく、むしろ、グランジ好きや、ちょっと毛色の変わったメタル・ファンの人に、手放しでオススメするようなバンドです。今、"Crawl"聴きながら、本当にそう思い、パンクなのかさえも疑わしくなった、というか、パンクでもハードコアでも無い感がバリバリで、どうしましょうか?オルタナティブって良い言葉だな。
そのサウンドは、パンクと、メタルと、グランジが、まさに綯い交ぜになったといった表現が最も適しているといった、オルタナティブなサウンドです。しかし、ミクスチャー的だとか、そういうのではなく、本当に「綯い交ぜ」と言うのが一番であると思います。メンバー各人だとか、作曲者が本当に好きだったり、影響を受けたモノを全部ブチ込むと、こうなるのかなとか、今聴くと、本当にそう思ってしまいます。特に、初期からリリースを続けていた、C/Zから、Epitahへと移籍しての"Crawl"とかは、本気でそうです。ただ、このバンドの侮れないところは、その"Crawl"の一曲目、あのNO FUN AT ALLもカバーしている、 "Wiser"とか、死ぬほどカッコいいメロディアス・パンクな曲が書けたりするところです。もう、本気で騙されます。また、MySpaceにもあがってる、この"Thirteen"の2曲目、"Wasted Time"を視聴してみてください。その哀愁の炸裂具合に、CDが欲しくなること必至です。で、必死こいて探して、やっと入手しても、ここを読んでくれてる人だったら、きっと後悔します、確実に。まぁ、好みですから、何とも言えませんが、これも必然的に、ノークレーム、ノーリターンでお願いします。
そんな中、綯い交ぜとは言いましたが、決して整合感が無いだとか、カオスだとか言うのでは、決してなく、バンドのサウンドとしては、実に個性的にまとまっていると思いますので、この手のサウンドが好きな人にはたまらないバンドになるかもしれません。しかし、嗜好とアプローチに関してはカオスを感じずにはいられません。
1987年にシアトルでトリオ・バンドとして結成された、COFFIN BREAK。'88年にシアトルのレーベル、C/Z Recordsより、セルフタイトルの7inchでデビュー。その後、EPのリリースや、コンピなどに顔を出し、'90年、1st."Rupture"をリリース。そして同年、DAMNEDのリビュート・アルバム、"Another Damned Seattle Compilation"に参加、カッコよく"Love Song"をカバーしています。そして'91年、C/Zより、初期のシングルなどのコンピレーション"No Sleep till the Stardust Motel"をリリース。初期のほうが、パンク/ハードコア色がもっと強かったような気がしますが、どうにもCD見当たらず、確認できません。
そして、C/Zから、大手Epitaphに移籍して、同年、アルバム"Crawl"をリリース。先述したように、このアルバムのオープニング、"Wiser"はガチです。その後は段々とパンク好きには厳しい展開を見せ、このアルバムはグランジ、メタル、パンクといった要素の中で、パンクが一番薄いかもしれません。キンキンのメタル・ボイスのコーラスとかにブチ切れそうになります。
そして、4人編成となって'92年にこの"Thirteen"をリリースします。その後、解散するので、この作品が彼らの最後のフル・アルバムだと思われますが、前作より遥かに聴きやすく、収録時間も前作の半分くらいになり、いろいろとシンプルで、作品的には最も薦めやすい感じがします。また、このアルバムではメタル色が少し薄い感じがします。先にも述べた、2曲目とか、11曲目などは非常にストレートにカッコいいナンバーです。また、4曲目や、8曲目のようなオリジナル・パンク・モチーフな曲もあり、他の要素を加味しても、作品としてもかなり、スッキリして、洗練された感じがします。ジャケットは全然洗練されてませんけど。
彼らは本当によくコンピレーションにも顔を出し、トリビュート・アルバムなどにも名を連ねているのですが、DAMNED、BUZZCOCKSといった、パンクのカバーだけでなく、KISSや、BLACK SABBATHといったところにも、顔を出しちゃったりしてます。もう、その辺である意味、一貫性の無さを充分に堪能できるわけですが、なんか、KISSとか一番良い感じに、このバンドのスタンスに近いかもしれません。現在、バンドの中心だった、Pete Litwin (G./Vo)は、PLASTERというバンドをやっており、よくは聴いてないですが、ガチメタだと思います。
それにしても、COFFIN BREAKは、ある意味、雑多で、様々な音楽性を持ったバンドが存在した、当時のシアトルのシーンを体現しているようなバンドなのかもしれません。私的には、それこそ好きと嫌いが綯い交ぜになったバンドです。
COFFIN BREAK MySpace http://www.myspace.com/coffinbreak

最近はなんか夜更かしさんの私。テレビ朝日見てたら、なんかしょこたんの番組やってます。これは全国ネットなのか?それとも大分県遅れなのか?そんな中、ジェットマンの歌を歌い踊っている、しょこたんは別の意味でパンクです。なんか見入ってしまいました。そのエロいスタンスもイカす沢村一樹師匠に、すっかり日本人のマーティ・フリードマンに、ex仮面ライダー555の半田 健人の知識は異常だとか、中川ブロードウェイ・ストリート、ギザおもしろス。そんなことより仕事に移ります。
90年代を、少し別の視点で懐かしんでみようといった私の、次なるオススメは、このDONUTS N' GLORYです。とは言いつつも、コレ手に入りにくいんでしょうね、最近は。アルバムもこれ一枚しかないみたいだし、MySpaceとかログインしてるみたいだけど、なんか解散してるみたいだし。まぁ、構わずいくぜ!だって、カッコいいし、面白いんだもん。
私はこのバンド、ずっとカナダのバンドだと思ってたりしたのですが、MySpace見てびっくり、アメリカのバンドで、しかもカリフォルニアですって。というか、まったくもって情報とか無かったし、MySpaceあるのだってびっくりしたくらいです。グーグルさんにお願いしたところで、日本語では情報らしい情報も全くもって得られなかったりするのは、ある意味すごいなとか思ってしまいます。
そんな中、一応結成は'92年。ベース・ボーカルのトリオ・バンドです。'96年にこの"When Pregnasaurs Ruled the Earth..."をリリースして、翌年に解散しているようです。う〜ん、もうその程度です。
しかし、この唯一のアルバム(であろう)、この一枚は激しく面白い疾走感と、メロディー、個性的なサウンドを有し、メロディック・ハードコアの隠れた名盤というか、裏の名盤といった趣で、非常に好きな作品です。
そのサウンドを一言で言い表すなら、ポップ・パンクをメロディック・ハードコアにした感じです。なんじゃそりゃあ?と、彼らのサウンドを聴いたことのない人なら、そう、言われそうですが、このアルバムを聴いたことのある方になら、こう言えば、きっと分かってもらえるんじゃないかと思います。
ある意味かなりポップで、キャッチー、なのに独特の高速感で、ブチ飛ばすその楽曲は、時には変態的な側面すら顔を覗かせることがあります。音の作り方や、アレンジの仕方が本当に個性的で、何と言えばいいやら、なんかこのバンドもALLなどと同じように、ゼンマイをネジくり回して、ゴムで弾き飛ばしたような高速感を誇ります。それもALLよりさらにオモチャっぽい感じがします。その辺がなんとも独特なファニーな雰囲気を醸し出しているのかもしれません。本当にこんな感じといった形容の出来るバンドが見当たらない、個性的なサウンドです。
ボーカルの感じはPROPAGANDHIっぽいのですが、そう言えばPROPAGANDHIの1st.とか近い感じかもしれません。なんかそれにDICKISとかDESCENDENTSとか、まぶした感じ。って、言われてもねぇ。まぁ、かなり個性的であると分かってもらえれば...で、高速です。でもって、きちんと'90sメロディック・ハードコアによく見られる、キメや、音の運びといったものも多分に持っています。
いわゆる高速メロディック・ハードコアのスピード感を持っていながら、ポップ・パンクやファン・パンクの音っぽさや、アプローチを持ったそのサウンドは、アルバム全編にわたって、独自の世界観と展開を見せ、速く、短い楽曲の15連発は、本当に退屈をどこかに吹き飛ばすように、軽快に、そして痛快に走りまくります。フック効きまくりのそのアレンジは、非常にカッコいい表情や、鋭いストップ&ゴーを見せるかと思えば、またある時は神経を逆なでするようなリフを持ってきたり、また、ユーモラスな表情も見せたりもします。もう、どう言ってよいやら、このバンドの旨味を表現できているのかも分かりませんが、筆舌に尽くしがたい感じのサウンドなので、もう、どうにかして聴いてみてください。決して損はしないと思います。でも、ヤフオクとかで高額だったりしても、自己責任で、ノークレーム、ノーリターンでお願いします。ちなみにMySpaceの3曲はアルバム・テイクではないです。というか、なぜかLIVE。
なんだか意図したわけではないのですが、新旧織り交ぜ、カリフォルニアが続いてしまいました。う〜ん、面白い。次なる進路は一路シアトルへ。
DONUTS N' GLORY MySpace http://www.myspace.com/donutsnglory
![]() | Homecoming Craig's Brother |
このバンドもカリフォルニア出身、CRAIG'S BROTHERです。最近、新譜の話など、とんと音沙汰がないようで、また解散しちゃったのかなとも思ってたのですが、まだLIVEとかやってるみたいですね。音はまた変わってないか心配ですけど。もうすぐ国内盤も発売される、カナダのNON SUFFICIENT FUNDSと、Split出すとかって話もあるとかって聞きましたが、もう出ないのでしょうね。う〜ん、FREEDUMBはもう、なんかね。
'95年に結成された、CRAIG'S BROTHERはメンバーの出入りも非常に激しいようで、メンバー・チェンジにより、現在までに実に13人に渡る在籍メンバーが名を連ね、その中には、INSPECTION 12のDan McLintock(G.)や、YELLOWRCARDのRyan Key(G.)なども含まれます。そういったメンバーが変わったりなどの事情も大きく影響しているのでしょうが、どの作品もかなり曲調とか質感が違うし、私なんかは2nd.を聴いた時、本当に同じバンドなのかと疑ったほど、色んな意味で変化が激しいといった印象があります。私的には、もうこの1st.'98年リリースの"Homecoming"一択です。それ以前もセルフタイトルのデモテープや、CDEP"Keepin' It Real"をリリースしているようですが、一般的には、1st.との認識は、Tooth & Nailより、リリースされた、このアルバム、"Homecoming"だと思われます。ちなみに、"Keepin' It Real"はPurevolumeで3曲聴けます。以降メンバーをチェンジして、同じくTooth & Nailより、'00年に2nd."Lost At Sea"、'04年にTakeoverにレーベルを移し、CDEP"idemic"をリリースしています。
何度も言うようですが、作品的には本当にこの"Homecoming"一択です。サウンド・プロデュースといい、楽曲の良さ、哀愁具合、高速感と、どれをとっても、このアルバムが最高傑作の名盤です。まぁ、哀愁湿り気というと、"Lost At Sea"も多分にその要素を含んでいると思いますが、私的には、当時その2nd.に激しく落胆しちゃったクチなので、やはり、その泣きに高速、パンクのワイルドさも窺え、突っ走ってる、このアルバムがなんといっても最強です。
もう、オープニング"Insult to Injury"からいきなり、圧倒的なスピード感と、メロの泣き具合にノック・アウトです。当時、Tooth & Nailは、多少のB級感は否めないものの、限りなくA級に近い、本当に良いバンドの、良いデビュー・アルバムを多くリリースしており、まさにA級予備軍といった趣の同レーベルの作品は、まさにレーベル買いといった感じで、このCRAIG'S BROTHERもその中のひとつだったのですが、もう、いきなり特Aクラスのこのバンドの衝撃たるや、大変感動させていただきました。もう、次のアルバムとか、FATとかEPITAPHから出んじゃねぇのといった勢いで、当時でもそんな大手のレーベルの有名バンドと比べても、なんら見劣りする部分が見当たらないほど、全てにおいて高い完成度を誇っているバンドだと思ったものです。多分にボーカルの声質とか、きっと私はあまり好みでは無いのですが、それに補って余りあるメロディーと、なぜかこのバンドの、この音には、このボーカルが必要不可欠な感じすらします。そこに被さるカッコいいギターといい、コーラス・ワークといい、絶妙にこの作品の完成度を高めています。彼ら自身フェイヴァリットとして挙げている、LAGWAGONチックなのですが、このアルバムにおいては、そのフォロワー的要素を遥かに凌駕する、バンドとしての個性と、確たるスタイルが見て取れます。
もう、ウーだとか、アーだとか、素敵なコーラス、時にはギターのリフさえも泣いている、その泣き具合は、実にメロディアスで、その泣きながら疾走する様は、本当に素晴らしいです。またアレンジや曲の展開も、決して複雑といった感じではないのに、本当によく練られていて、シンプルでストレートながら、メロディーを全面に押し出しているといった、非常にバランスの良さを感じます。アルバム全編にわたり、本当に哀愁を感じさせてくれる、メロディアスで疾走感のある楽曲が、非常に多く盛り込まれたこのアルバムは、まさにUSメロディック・ハードコア泣きの名盤と言えると思います。
昨日のPOURHABITといい、このCRAIG'S BROTHERといい、この手のブログではよく見かけるとは思いますが、やはり良いモノは良いので、つい書いてしまいたくなります。皆さんの気持ちがよくわかります。とは云いつつも、メジャーとは言い難く、ともすれば埋もれてしまいそうなバンドや名盤を、結構、簡単にAmazonとかで、気軽に買えてしまうという、せっかくの良い時代ですから、少しでも多くの高速ファンに聴いてもらいたい一枚ですよね。
そんな中、私はまたもBack To The '90sな感じなのですが、明日あたりから、あんま語られてなさそうな、変化球や、デッド・ボールを、頭めがけて投げつけたくなってる感じです。
CRAIG'S BROTHER Official http://www.craigsbrother.net/
CRAIG'S BROTHER MySpace http://www.myspace.com/craigsbrother
CRAIG'S BROTHER Purevolume http://www.purevolume.com/craigsbrother

アメリカはカリフォルニアの、POUR HABITです。もう、この筋の音を求めている方は、かなりの注目株のバンドと思いますが、なんだか最近レーベルと契約した模様で、昨年、セルフ・リリースされた、このアルバムも、9/17にリイシューされるみたいですね。国内盤も同じなんですかね?というか、新曲のデモも既にMySpaceにポストされてるみたいなので、新作は出ないの?とか思ってたら、その新曲は国内盤のボートラらしいので、また国内盤買わなきゃなんねぇのかよとか、なんだか'90s SWEDEN流行の時代を思い出してる私です。
POUR HABITの結成は、2006年とのことで、黒人、白人混成の5人組という少し珍しい編成です。ボーカルとベースの人が黒人さんですかね。各方面でのフレコミは、レゲエ・ミクスチャーとかってな感じですが、レゲエなのは"Zion"だけだと思いますが、よく特筆されてるようで、そんなレゲエ色は薄く、本質的に高速メロディック・ハードコアで、それもバリバリにアグレッシヴなので、あんま騙されないでくださいね。OFFSPRINGもよく引き合いに出されているようですが、ソレはありかなとは思います。ボーカルやメロとか少し似ている感じです。そういったOFFSPRINGや、初期のPENNYWISE、TEN FOOT POLE、PULLEYといった、バンドの高速部分でできたようなバンドです。要するに最高に良かった時代のEpitaphサウンドです。オールドスクールとまではいきませんが、少し懐かしい感じもする、メロディーだとか、アレンジも持った、意外にいそうでいないバンドです。
STRUNG OUTや、AUTHORITY ZEROなどのオープニング・アクトも務めており、STRUNG OUTは彼らを絶賛してるとのことで、POUR HABITの方も、そのフェイヴァリットにSTRUNG OUTの名を挙げています。確かにアレンジとかにも、STRUNG OUTっぽいところなども見られるので、初期Epitaphで、STRUNG OUTな感じってもう最強じゃね?という感じですが、上手で、ストロングで、メロディアスで確かに最強に近いです。それにしてもAUTHORITY ZEROとかもズッぱまりですね。AUTHORITY ZEROのほうが激しくレゲエですけど。
この'07年リリースの"Suiticide"は、デビュー作にして、本当にセルフメイドとは思えないほど、高いクオリティを誇る作品で、12曲、26分16秒と、その超速ぶりも勇ましく、まさにハイスピードかつ、ストロングかつ、ダイナミックです。ハロ、ハロっと始まる1曲目から、ブチ飛ばしていきます。
その1曲目もそうですが、コーラスがツイン・ボーカルのように、全編にわたり歌い上げることが多く、その辺りも、このバンドの特徴的な部分です。また、ギターはテクニカルにメタリックなフレーズを弾きまくったりもするのですが、音の作り自体が、メタルっぽくないので、すごくメタリックであるといった印象をあまり受けません。MySpaceで数曲とか試聴すると、ボーカルがメタルっぽく感じたりもしたのですが、アルバム全体で聴くと、全くもってメタルな感じは微塵も感じません。また、他の楽器も全体的に、非常にパンクな音作りをしていると思います。ドラムはタムとかシバキまくりの、手数というか、おかずにの多い感じで、より一層パンク感を高めていると思います。ともすれば高速の曲は、金太郎飴的な感じもあるかもしれませんが、3曲目あたりのフックなナンバーや、STRUNG OUTのサウンドに最も近いアプローチの9曲目、それこそレゲエ・ミックスな10曲目など、曲的にもそうですし、シンプルな中にもアレンジは工夫されているので、曲調の似ている高速曲の金太郎飴も、随分とおいしく感じられます。多くの要素を含んだ金太郎飴は、けっこう何度舐めても良い味がして、味わえば、味わうほどに、その味に深みが増していきます。
しかし、結構なLIVE感覚と、高いテンションといったものが、スタジオ・テイクから感じられるというのは、まさにオリジナル・パンクにも通じる感覚で、そういった意味でも、このPOUR HABITも、数少ないパンク希少種だと感じます。本当に最近は、こんなパンク・バンドが少なくなってしまいました。だからこそ、このバンドに激しく期待してしまいます。
POUR HABIT MySpace http://www.myspace.com/pourhabit
![]() | GOOD EVENING WONDERFUL FIEND(紙ジャケット仕様)(DVD付) The Willard |
最近の高速疲れに、試行錯誤を重ね、私が行きついた先は、今の若い人たちには馴染みなんて全くないのではないかと思うんですが、このTHE WILLARDです。
私的には、日本のバンドとしては、世代的にも、シーン的にも直撃のドンピシャリです。日本のパンク、アンダーグラウンドのシーンに一時代を築いた、インディーズ・ブーム。その先駆にして、中核のバンドのひとつであったのが、このTHE WILLARDです。私は長らくこのバンドが日本で一番好きなパンクバンドでした。というか今も好き。もう、そのスタンスだとか、アティテュードとか、もうね。パンクじゃなくなってもパンクすぎるんです。
そのパンクとしては独特の、ゴシック感を持ったビジュアル、それは当時、日本のDAMNEDとも称され、また、そのサウンドも、初期はDAMNED Likeにワイルドな疾走感を携え、また、Vo.JUN氏の独特の世界観を持った歌詞と相俟って、パンキッシュかつドラマチックなものでした。
THE WILLARDは、1982年に結成され、20年以上過ぎた今現在も活動を続けています。'06年にはニューアルバムもリリースされました。う〜ん素晴らしい。
この"Good Evening Wonderful Fiend"はオリジナル・リリースが、1985年。彼らが東芝EMIとメジャー契約する以前の、インディーズ時代のフルレングスとしては唯一のアルバムで、初期THE WILLARDの集大成とも言える作品です。キャプテンレコードより発売され、当時、自主製作盤としては、爆発的なヒットとセールスを誇りました。また、キャプテン自体が非常に金銭的またその他の面でも、メジャーに匹敵するようなレーベルであったこともあり、当時としては、そのサウンド面も、なんらメジャーと変わらないほどの高いクォリティーを誇っています。既にこの時点で、大手のメジャーから誘いがあったらしいのですが、敢えてキャプテンからの、自主盤でのリリースを選択し、そういった意味でもかなりのイニシアチブといったものが、バンド自身というか、JUN氏自身にあったのでしょう。再販のインナーのインタビューにもあるように、かなり、納得のできる全ての要素が取り入れられたそうです。まぁ、しかし、このインタビューというのが、非常に面白く、JUN氏のパンク然とした、アティテュードや、計算し尽くされていた、当時の動きなど、もう、彼の頭の良さとカッコ良さに溢れています。ちなみに最初の再販は最初期リリースのアナログ作品にSTOOGESのカバーが入り、キャプテンよりCDとして、1988年。そして現在入手可能な、先述のインタビューも含む、イカすスリーブに、LIVE DVD、12inchピクチャーとしてリリースされた3曲をボーナストラックとして追加し、2006年にリリースされています。
まぁ、それにしても今聴いても、やはり、カッコいい音です。技術が高いだとか、サウンドプロデュースが良いとかではなく、カッコいいサウンドです、日本のロックとして。パンクも含む、昔の良い時代のロックを彷彿とさせる、ある種アナログ的な質感は、非常にカッコよく聞こえます。その全体的な雰囲気といい、今、この手のレコーディングをする日本のバンドは、もはや皆無に等しいでしょうし、好みはあるでしょうが、私的にはこれぞ日本のパンクといった感じがします。
また、ギターはクレジットはギタリストの名前がありますが、全面的にJUN氏が弾いているらしく、そのギターが、音の作りといい、フレーズといい、もう素晴らしいです。初期はTHE STALINにギターとしても参加していたことがあり、STALINのボーカル、遠藤みちろう氏のソロアルバム、「ベトナム伝説」でも、ギタリストとして参加、全編に渡り、JUN氏の自由なプレイを拝聴できるのですが、もうなんかすごく好みのギターです。失礼ですが、ボーカルよりもギターの方が才能あり過ぎなんじゃないかと思うほどです。非常にロックン・ロールや、様々なロックのカッコ良さをわかってらっしゃる音です。
他にも、SEとか、ところどころに入る掛声とか、笑い声だとか、もうカッコいいにもほどがあります。壮大なスケールを感じる映画音楽のような楽曲に、様々に散りばめられたギミックのようなものが、時にトリッキーに、時にインパクトを持って、その壮大な世界観をさらに独特に広げていくのは、初期から、メジャー中期頃に至るまでの、THE WILLARDの非常に特徴的な部分であると思います。
ダイナミックでスリリングな、独特の疾走感を持った、そのサウンド、その雰囲気は、昔も今も、どのシーンを見渡したところで、見つけることができません。
随分前の話ですが、全国ツアーのワンマンLIVEを地元で観れたのですが、当時、バンドも分解直前で、半分ゴロツキだった私は、ただのお客さんだったのですが、私が大のWILLARDフリークであることを知っていた、LIVEハウスの店長(現オーナー)が、粋な計らいをしてくれて、LIVE後の打ち上げの案内役を任されました。
けっこう、難しい方と噂されていた、JUN氏ですが、実際は実にキサクにいろんなお話をしてくれて、DAMNEDの話などについて盛り上がり、しきりにDAMNEDが好きなら、MC5を聴けと薦めてくれたり、家出をして東京に出て、初めて見たLIVEが、日比谷野音のロッカーズだったなんていう、貴重すぎる話が聞けたりして、喜びこの上なしでした。また、当時ベースを弾いていたのが、音圧もスゲェのなんの、私もガキの頃から大好きだった、そのロッカーズの穴井氏だったりして、もう、私としては二重の喜びでした。とにかくメンバーや、スタッフの方たちも非常にフレンドリーで、私の飲み代まで払っていただく、逆接待ぶりに感動の嵐とはまさに、その夜のことを言うのかもしれません。その節は大変お世話になりました。その後、佐賀関はどっちだと聞き、そのイメージと全くそぐわないフィッシングに、興じるため夜の海岸通りに向かって、消えていくTHE WILLARDの皆さんでした。
THE WILLARD Official http://willard13th.com/prank-ster/

BELVEDEREの名前もよく引き合いに出されるほど、徹底的な高速度を有し、BELVEDEREに次ぐ、カナダの2代目音速番長との異名も持つ、HIGH FIVE DRIVE。まぁ、しかし音速番長ってのは良いネーミングですね。まぁ、大体、"Colic"とか、もう異常な速度だし、他の曲も、高速ナンバーに関しては、世界最高速といってもいいスピードなので、概ね2代目襲名もアタリだと思います。BELVEDEREといい、FULLBLASTといい、このHIGH FIVE DRIVEといい、まったくカナダは世界最速クラスのオンパレードです。
HIGH FIVE DRIVEは2001年結成。翌年にCDEP、"...something better"をリリース、'04年にフルレングス、この"Service Engine Soon"をリリース。日本のSENTIMENTALとのSplit CDEPをはさんで、昨年2nd."From The GroundUp"をリリースしています。
この1st.を含む初期音源は、当時、Punk Wreck ChordsさんがDistroをしてくれていて、現在では、1st.、2nd.ともにFAST CIRCLE RECORDSさんが、国内盤をリリースしてくれているので、日本でも入手しやすく、彼ら自体、この手のバンドとしては、日本でもかなりポピュラーなのではないかとは思います。某掲示板にもスレ立ってるみたいでしたけど、過疎ってますよね。まぁ、どのバンドでもそうか、パンクとかは。ちなみに初期の"...something better"は、Purevolumeで全曲DLできるみたいなので、興味のある方は行ってみてください。
まぁ、しかしその高速度たるや、本当に蹴つまづきそうな勢いで、もう演奏とか関係ねぇ、速ければいいってなほどの、徹底した速度の追求的な姿勢が、むしろ微笑ましいくらい潔くって、そんな速度なもんだから、若干軽さだとか、荒さもあるのですが、聴いてるこっちもそんなのどうでもよくなります。ベースが金属質で少しゴキゴキしてるのは、最近の若いバンドの丸めの感じと違い、好きです。ドラムとかLIVEで死ぬんじゃねぇの?とかまぁ、そんなのもどうでも、いいか、速けりゃ。と言いつつも、きちんとメロディーもあり、ミディアムなんかもやってるし、速度だけでないとこも充分に見せようとしてます。そういった感じは実に今風な感じもします。少し青臭い感じとかも。まぁ、なんにせよ、カッコいい曲も多いし、メロディアスだし、圧倒的に高速だし、そういった感じの音を求める人には、たまらないバンドだと思います。若干、若者向きで。
2nd."From The Ground Up"でも概ね、この路線は変わらないのですが、速度も若干考えられたりしてる感もあり、やはり初聴の時の衝撃と、ストレート超高速感といった感じで、今回はこの、"Service Engine Soon" をチョイスしました。もう、速そうですものジャケからして。その通り、冒頭でも書きましたが、オープニング・ナンバー "Colic"の速さときたら、もう、この手の速いバンドをすごい数聴いてきてるにも関わらず、群を抜いてる蹴つまづき感です。気が狂ってるんじゃないかと思うほど、急いでいます。だが、それがいい。若者はこうでなくっちゃあいけません。メロといい、速度といい、非常にカッコいいナンバーです。 "A Relative Matter" なんかも、そういった意味で非常にカッコいい曲だと思います。また前述したように、ガッツリのミディアムであるとか、かなり落としたアレンジも随所に散りばめてくるので、そういった要素が、逆に、高速感を高めたりだとか、全体のバランスを保っているようです。全曲が"Colic"のようなガイキチ高速でも、アリはアリのような気もしますが、それにしても、全体的に高速感に溢れているので、高速メロディック好きにはマストであることは間違いないと思います。ホント速いヤツは、もう、笑っちゃうくらい急いでますもん、ケツに火が付いてるみたいに。
しかし、これ書くために何回か繰り返して聴いたんですけど、書き終わって、聴きやめても、なんだか、
"Colic"が頭を駆け巡ってて、こびりついて離れません。自分にゆとりを持つために、早く次へと移りたいのですが、もう、なんでもかんでも"Colic"です。コステロとかでも聴いて頭を冷やしたいところです。
そんな中、カナダ-メロディック・ハードコアの旅もこれにて、ひとまずお開きということで、またいつか機会があればやりたい感じです。TWENTY 2とか、SNFUとかいっときたかったんですが、何分ちょっと高速疲労(笑)とか出て、かなり疲れちゃったりしてるので、この辺はまた別の時にあらためてやります。MUTEだとか、HOPEだとか、DEVILLEだとか、カナダはまだ地味にいろいろありますが、ま、いっか。
HIGH FIVE DRIVE MySpace http://www.myspace.com/highfivedrive
HIGH FIVE DRIVE purevolume http://www.purevolume.com/highfivedrive

カナダの旅も佳境に入ったんだか、入ってないんだかよくわかりませんが、そろそろ音速番長にいきます。
現在のメロディック・ハードコアのシーンにおいて、彼らほど、世界中にそのフォロワーが多く存在し、高速メロディック・サウンドを愛する若者の誰からも、尊敬されているバンドは、現時点では、おそらく彼らが世界一の存在なのではないかと思うほど、近代高速メロディック・ハードコアのシーンにおいて、重要な存在として語られるバンドとなったBELVEDERE。Bells On Recordsをはじめとする、こういった高速メロディック系のアーティストも、多くのバンドが、彼らをフェイヴァリット・バンドに挙げ、インスパイアされたかのようなサウンドを有し、トリビュート・アルバムも企画されるほど、絶大な支持と人気を誇ります。
もっとも私自身は、彼らがシーンに登場してきたのが、90年代の後半と遅かったこともあり、既に中年の域に迫ろうかとの時期で、けっこうリアルタイムで聴いていたにも関わらず、微妙にその若者の熱中ぶりに、乗り遅れた感があり、今の若者たちのように、そのサウンドに心酔するということもなく、思い入れもあまり強いというほどではなかったりします。また、彼らのサウンドを初めて聴いたときの、私が感じた、そのたっぷりのB級感と、なんかまたエラい速くて、ウルせぇの出てきちゃったな的な、第一印象が、いつまでも拭い去れず、今に至っているのかもしれません。今の若い方たちからすると、ウソでしょ?という感じかもしれませんが、本当に当時としては、扱うお店的にも、リスナー的にも、その程度の扱いだったように思います。むしろ、ある意味、神格化されてるといっていいほどの現代こそ、こちらからすると、マジですか?という感じではあったりします。それは、SATANIC SURFERSなどにも、同様の感覚があったりもします。とは言え、それこそ時代や、世代の大きな隔たりがあるという話で、我々の世代がDAMNEDなどに衝撃を受け、それを狂ったような速さだと感じたように、現代の若い世代が、その初パンクが、BELVEDEREやSATANIC SURFERSで、やはりその今まで聞いたことのない速さに感動し、心酔するといった感覚は、もう、充分過ぎるほどに納得できます。そして、BELVEDEREが、今世界の高速フリークの若者から愛されているバンドだという事実も、充分に納得できます。私も、思いいれはどうあれ、BELVEDEREも大好きなバンドのひとつで、大好きなサウンドですから。
音楽が多様化された、現代のパンク・シーンにおいて、カテゴリーというものも確実に増えてきたというのは、以前から何度もお話ししていることですが、そのカテゴリーすらも多様化していく現代のシーンにおいて、本来枠組みに組み込み、総称するといったカテゴライズの意味とは逆に、その音楽性のみをとってみれば、パンクとメタルの認識に代表されるように、どんどんその隔たりが薄れ、パンク的でもあり、メタル的でもあるといった、またそれ以外の音楽性すら孕むといったように、カテゴライズされたジャンルの中でも、様々な音楽性が混在しているというのが、現代のパンクの特徴であると思います。そういった混在する音楽性の時代において、我々が若い時には、全く考えられなかった様な、パンクとメタルの融合といったものを、いとも簡単に、なんら拘ることなくやってのける、現代の若きパンクスたち。カッコいいものを、本当に素直にカッコいいと思い、それを昔よりも、器用に容易く表現するようになった、今の若者たちのニーズに、タイミング的にも、もっともそれにフィットしたサウンドを有していたのが、このBELVEDEREだったのではないでしょうか。その圧倒的な高速感とともに、メロディアスでさえある彼らは、それまでメタルを聴いていた若者、また逆にパンクだけを聴いていた若者、その全てを取り込み、そのハイスピード & メロディアスなサウンドで、そんな若者たちを魅了したのかもしれません。
BELVEDEREは'95年に結成され、'98年に1st."Because No One Stopped Us"をリリース。長らく入手の困難だった、初期のこのアルバムは、最近、Bells On Recordsより、再リリースされ、現在は容易に入手が可能になりました。なんだか、私的には、このアルバムが一番、普通にメロディック・ハードコアの一般的な要素を持ち合わせ、普通に表現している作品だと感じます。私がちょっと感じるB級っぷりといい、なんだかSATANIC SURFERSっぽいです。
そして、'00年、2nd."Angels Live in My Town"。この2作目から、ワイルドさやラウド感が増し、彼らの個性や、その他の追随を許さない、圧倒的な高速っぷりなど、向上した技術と合わせ、そのスタイルが確立されたのではないかと思います。そして、翌年の次作、"'Twas Hell Said Former Child"でも、そのスタイルはほぼ変わらず、徹頭徹尾の高速サウンドで、スピードで押し倒します。しかし、前作などもそうですが、やはり至る所にカッコいいリフや、良いメロディーといったものが、実にシンプルに、コンパクトに、しかもインパクトを持ってアピールしながら、顔を出してくるのやはりカッコいいのだなぁとかも、今聴くと思ってしまいます。
'03年にはDOWNWAYとのSplit、"Hometown Advantage"をリリース。BELVEDEREの収録曲は5曲ですが、これまでの方向性をさらに推し進め、メロディー、アレンジともにさらに完成度を高めた姿を披露します。本当に歌が前に出てくるような作りで、高速の中にもメロディーを大きく意識した作りの楽曲は、今後のさらなる彼らの方向性の現れだったのかもしれません。そして、'04年、"Fast Forward Eats the Tape"をリリース。このアルバムは"Hometown Advantage"のリテイク等も含み、まさにそういったメロディー重視の作りといったものが、彼らの作品の中でも最も色濃く、全面に押し出されていて、それまでやったことのなかったような、終始ミディアムテンポといった曲なども含まれており、かなりの意欲作で、アルバムとしての完成度も高い作品であると思います。当然、彼らの本質的な部分、圧倒的な高速感といったものを含む曲も多く含まれ、そのスピード感も極めて高く、本当に向上したサウンド・プロデュース、演奏とともに、非常にカッコよく表現されています。そこには既に彼らの初期に感じた、B級っぽさといったものは微塵も感じられず、まさにメロディック・ハードコアの横綱相撲を展開しています。そして、翌年の2005年、BELVEDEREはおよそ10年の活動に終止符を打ちます。
現在、Vo./G.のSteveは、Dr.のGrahamとTHIS IS A STAND OFFを結成し、精力的に活動を続けています。 "Fast Forward Eats the Tape"の延長線上のサウンドではあると思いますが、さらにメロディーを重視しているといった感じも強く、個人的には、やはり、BELVEDEREとはその質感に多少の違いは感じます。
徹頭徹尾高速といった、言葉の似合うバンドは、SATANIC SURFERSなど、やはり限られたバンドにのみ用いることが許される言葉で、それが許される数少ないバンドのひとつであり、まさにその言葉が最も相応しいのが、このBELVEDEREだと思います。その上、彼らは音速番長といった素敵な呼称まであり、もう、徹頭徹尾高速の音速番長とは、全くもって素敵にすぎます。
メタリックなメロディック・ハードコアといった括りに、よく引用されるBELVEDEREですが、私は彼らのサウンドが本質的に持っている、ワイルドさや、ラウド感といった、最近のバンドには少ない、模倣では表現できない、パンク感覚が、その超高速とともに実に魅力的に聴こえます。
BELVEDERE MySpace http://www.myspace.com/belvedere
THIS IS A STAND OFF http://www.myspace.com/thisisastandoff
Tribute to Belvedere http://www.myspace.com/tributetobelvedere

シリーズ、カナダ-メロディック・ハードコアの旅、第4弾は、このFULLBLASTです。バンド自体は惜しくも解散してしまいましたが、実にテクニカルで、メロディアス & ハイスピード、エモーショナルな部分も合わせ持った、期待度最高のバンドでした。
MUCH THE SAMEといい、このFULLBLASTといい、メロディック・ハードコアのシーンでは、非常に高い期待を背負いつつも、短命なバンドも多く、なんだか決定打に欠けたり、いまいち盛り上がりに欠けたりする部分は、息が長く、幅広く支持されるバンドが減ったりするのも、要因のひとつなのかな、と考えてしまいます。
このFULLBLASTも、生き残っていれば、幅広く支持されたかどうかは分かりませんが、その素質を充分に持ち合わせた、素晴らしいバンドのひとつであると思っています。
前述したように、FULLBLASTは非常にテクニカルです。その高い演奏技術は、その卓越したアレンジとともに、時にメタリックに、時にパンキッシュに、そしてまた、時にはポップにと、様々な側面が窺えます。基本超高速が中心ですが、ハードに飛ばしたかと思うと、繊細にエモーショナルな面も見せたりと、やはり、近年のバンドらしく、様々な音楽を通過してできたサウンドや、アプローチを携えています。そして、その圧倒的な高速感もたまりません。それほどまでの高速感を出しながら、線の細さや、モタつきといったものを微塵も感じさせないところが、このバンドの巧さだと思います。非常にエッジが効き過ぎるほどに効いたサウンドですが、個人的には言われているほどメタルっぽさは感じません。しかし金属質と言う意味でのメタリックさは、バリバリで、非常に硬質かつ金属質ではあると思います。日頃の私らしくありませんが、彼らのサウンドはむしろ乾いた感じの感覚です。しかし、メロがエモーショナルだったり、相当にメロディアスなので、そういった部分から湿気といったものも多分に感じ取れます。また、私だけかもしれませんが、ボーカルやフレーズにアメリカン・ロックな部分が覗くような気がして、そういった部分にある種のダイナミックさを感じるのかもしれません。
FULLBLASTは2000年、カナダ、トロントで結成され、'02年にD.I.Y.でEPをリリース。'04年にフルレングス、 "Contagious Movement Theory"をリリースします。なんだか、この1st.はかなり入手が困難とのことですが、ちなみに私は当時、HMVで買いました。何せ待たされましたけど。もう、2、3ケ月くらい。今も買えるのかな?持ってない方は挑戦してみてもいいかもです。とにかく、秘訣はキャンセルしないことです。もう、しつこいくらいに。ともかく、その1st.から、FULLBLASTのサウンドは出来上がっており、既に完成度が高いです。
その高い完成度を、さらにそのサウンド・プロデュースとともに高めた作品が、この2nd.にして、彼らの最後の作品となってしまった'05年リリースの、この"Short Controlled Bursts"です。
既に1曲目から、高速にカッ飛ばしつつも、エモーショナルな展開をみせ、FULLBLAST節も全開です。間髪入れず続く2曲目も、カッコいいギターフレーズと、スピードも全開なまま、壮大にメロディアスにと、まぁ、素晴らしいです。そして、スピードを緩めた曲、エモーショナル全開な曲なども挟みつつ、基本超高速 & 大胆展開の、ハイスピードでエッジでフック、メロディアスでエモーショナルな、FULLBLASTワールドに魅了されます。前作をさらに上回るポップさや、ダイナミックさを備えた曲も多く、色んな意味で、広がりを見せていると思うので、アルバムとしても、非常に完成度が高いと思います。
この"Short Controlled Bursts"は、INYAFACEさんから、国内盤も発売されているので、非常に入手しやすいかと思われますし、未聴の方には、ぜひ聴いてもらいたい、バンドのひとつだと思います。
以外にもALLのファンの方などにもオススメできたりするのではないかとか、今ふと思いました。それほどまでに、ある種ポップなアプローチすらも、このアルバムからは感じることができます。
すっかりここ最近、MILESTONE MUSICさん絡みのモノと被ってて、まさに広告塔なのですが、そんな広告塔から耳寄りな情報が。FULLBLASTの"Contagious Movement Theory"も入荷するみたいですよ。今日の下書きとか、おとといくらいに上げてたので、その時点では知らなかったので、途中ではHMVチャレンジをオススメしてるのですが、まぁ、待たされるよりは、速効、手に入ったほうがいいですもんね。数は少ないそうですが、コンスタントに入荷を試みてくれるとのことです。う〜ん、 awesome!時期とかはわかんないので、欲しい方はMILESTONE MUSICをコマメにチェックです。そんな中、NOTHING LEFT TO LOSEが売り切れていることに感動する私。
FULLBLAST MySpace http://www.myspace.com/thefullblast
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昨日、ご紹介のDISTRICT 7。今、MILESTONEさんにありますね。他にもTRIGGER HAPPYとかも、かなり素敵に安いので、Go!です。MOURNINGSTARの1st.とかもあるので、チェックです。解散したとは知らなかったですね、MOURNINGSTAR。まいったな、こりゃあ。しかしここ最近のMILESTONE MUSICの充実ぶりは異常です。そんな中、スペインのADRENALIZEDはオススメです。では、カナダの旅。
現在、黒くて、メタリックで、高速で、ハードでストロングな、新しいバンドが出るたびに引き合いに出される、もはや、その辺の代表格とも入っていいほどの、大御所、PROPAGANDHI。メロディック・ハードコアのシーンにおける、ストロング・スタイル形容っぷりに、思わず出身地さえも忘れてしまいそうになるほどですが、このPROPAGANDHIもカナダのバンドです。本日も男の弾丸急行列車が、カナダを高速で駆け抜けます。
1986年にカナダで結成されたPROPAGANDHIは、そのハードなサウンドと同時に、ポリティカルな姿勢といったものも、極めて有名です。正面切っての体制批判や、宗教批判など、ポリティカルな姿勢を前面に押し出し、果ては動物愛護の見地からの、菜食主義であるといった、ストレート・エッジ顔負けの、ストイックなスタイルは、非常に現代のメロディック・ハードコアのバンドとしては稀有な存在で、そのアティテュードは非常にパンク然としています。そのストロングなサウンドとともに、根強くパンクスの信頼と支持を得ているのは、そういった彼らの徹底したスタイルやアティテュードも一因にあると思います。私的には、パンクスとしては、カッコいいぜとか人事のように思うのですが、革ジャン着て、肉喰ってと、ヴィーガニズムとか、もう全然無理だし、頭も良くないし、英語もわからないので、語るのはそのサウンドのみな感じです。
この彼らの1st.フルレングス、'93年、FATからリリースの"How to Clean Everything"は、FATでもLAG WAGONに次ぐ、最初期のリリースだったように思うのですが、当時でも圧倒的にハイスピードで、エッジが効いていて、やはり、このバンドも、トリオとは思えないほどの厚みのあるサウンドでびっくりしました。メタリックな部分も多く見受けられますが、現在ほど、メタリックであるとか、スラッシィな金属ハード・サウンドといった感じはかなり抑えられていて、今もそうですが、当時から、実に幅広いバリエーションも持ち合わせています。とはいえ、やっぱり初期から、ハードでストロングで、ラウド感も充分です。ただ、ポップなエッセンスや、多少の明るさといった、まぁ、今でもポップなヤツはポップですが、そのハードさゆえ、多少減退している感のあるものが、多く前面に押し出されているような感じがして、バランスが良く感じられるので、やっぱこのアルバムが好きだったりします。
ポップでメロディアスで、ラウドでハイスピード、フックの効いた、"Anti-Manifesto"とか、渋い"Stick the Fucking Flag Up Ass"とか、ほんと大好きです。また"Ska Sucks"のような、スカ・パロな曲や、"Haillie Sallasse, Up Your Ass"のような、レゲエ・サウンドなど、本当にバラエティー豊富です。そして、今もそうですが、相当にメロディアスな曲をかける、メロディー・センスが、この頃は特に、歌とともにポップさが前面に押し出されています。暗さと明るさを織り交ぜた、ザクザクとしたメタリック感と、ポップでメロディアスな味わいが、重なって、ものすごくバランス良く感じられます。
以降、"Less Talk, More Rock"('96)、シングルや初期音源のコンピレーョン"Where Quantity Is Job #1"('98) 、"Today's Empires, Tomorrow's Ashes"('01)、"Potemkin City Limits"('05)と、リリースを重ね、そのサウンドも、さらに加速 & 厚みを増していくのですが、ポリティカルなメッセージ性といったものも、さら増量されていってるようで、まぁ、本当にスゲェ、カッコいい曲なのに、物凄く長い前フリだとか、尾ビレのようなモノがくっ付いたりするのは、私のように英語がわからなければ尚更ですが、英語がわかっても、どうだろうかと思うのは、私だけではないような気もしますけど。
住んでるとこがアレなもんで、LIVEとか全く関係ないんで、気にしちゃあいないんですが、最近来日したんですよね。なんだか昔、日本の客は英語わかんないので駄目とか怒ってたらしいし、MC喋りまくりで、何か英語が通じない国ではライブしたくないってな話を聞くんですが。そういうの聞くと、純粋に彼らの音楽性だけ好きだって人は、なんか足が重くなっちゃいますね。
自分もバンドやってて歌詞書いてたんですが、言わんとすることは山のようにあっても、お客さんがわかろうが、わかるまいが、別にそんな気にしちゃあいなかったんですけどね、私。まぁ、ポンコツ・ローカル・パンクとは違うでしょうけど。なんか、某日本のバンドが、超有名な自分達の曲の歌詞を、本質的な意味で理解している人はいないとかいう内容のことを言ってたのですが、私、それ聞いて一発で嫌いになりましたもん。聴いてる人をバカにしてて、気持ち悪ぃこと言うなぁとか思って。
まぁ、主義とか主張があるなら、別にウルセェ音楽に乗せる必要もないわけで、それこそ政治家にでもなって、演説打つなり、書籍でも出版されたらいいんじゃないかな、とかは思うのですが、まぁ、どうでもいいか。他人事だし、金払ってLIVE行くわけでもねぇし、本人たちとお話するわけじゃありませんしね。
俺らのLIVEは英語覚えてから見に来いってのは、どんなに高尚な事を言われたところで、それこそ差別じゃんとか思って、音を楽しめないのですが、どうでしょう?"Anti-Manifesto"「踊れ、笑え、そして遊べ、俺たちの伝えるメッセージは無視しろ」(これでいいですかね?)ってわけにはいきませんかね?
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この前、M-SIXTEENを聴きながら、何故か思い出して、無性に聴きたくなったのがこのDISTRICT 7だったりして、そういやカナダだよねとか思い、そのままカナダ、メロディック・ハードコアの旅としゃれ込んでもよかったのですが、男汁爆発のハードコア魂ってなカッコいいフレーズを見つけたので、RENTOKILLいっちゃったんで、書きそびれてしまい、今からやろうかなと。まぁ、シリーズ男汁に入れても、なんら問題もなかろうと思えるバンド、カナダ-メロディック・ハードコアの旅、第二弾はDISTRICT 7です。
カナダ-メロディック・ハードコアの旅とかって、なんだか涼しげな世界の車窓から的タイトルだったりするのですが、やっぱだいぶナナメな感じですよね。やっぱ、悪くて黒い方に突き進んでる感じですけど、ま、いっか。もう、カナダの旅も最初から湿りまくりで、ドシャぶりの、男ばっか乗ってやがる、黒い超特急で、窓の外の景色は全く見えません。
DISTRICT 7は2000年に結成された、カナダのトリオ・バンドです。そのサウンドは、かなりダークで、硬質で、高速です。このバンドもトリオとは思えないような、かなり重厚感のあるサウンドを展開していて、高速感にあふれ、まさに黒い超特急です。メタリックというよりは、ハードコア感のほうが前面に出ています。そのストロングなサウンドですが、ボーカルの人の声はけっこう高いです。それで、M-SIXTEENの時思い出したのかもしれませんが、もっと高いです。なんだか、あの人、お笑い芸人の、アメリカザリガニでしたっけ?声の高い人、その人と非常に声質似てると思います。でも全然悪くはないですよ。メロディアスだし。私が気になるだけで。でも、そのストロングなサウンドからすると、かなり高い声質で意外だと思います。でもって、彼らもこの、'02年の"Another Last Chance"以降、リリースの話とか聞かないので、てっきり消滅しているのかと思いきや、MySpaceに新曲?も上がってるみたいだし、生きてますね。ていうか、メンバー4人になってるし。それにしても、なんか、すげぇなカナダ。のんびりしてんのか?国民性か?
このアルバムの前にも、'01年に"To Be Continued"という、フルレングスをリリースしているようですが、もう見た事も、聞いたこともありません。このLameAssからリリースされた、この"Another Last Chance"も、レーベル自体とんじゃってるし、国内では結構入手しにくい部類に入ると思います。国内ではやっぱユニオンさん頼りかもです。
で、この"Another Last Chance"。さすがに2000年に入ってからのバンドで、いろいろと最近のサウンドといった感じです。なにかと、曲調やメロディーといったものも、今日的な作風が見られ、そのストロングに聞こえるバックに似合わず、ずいぶんとポップにアプローチしてくるものも多くあります。まぁ、ボーカルの声と歌唱もあるでしょうが、アレンジにもきちんと、そういったポップで聴きやすいエッセンスが含まれるのも、昨今のバンドなんかに近いという気がします。1曲目から、いきなり落とすアレンジで、じっくり歌いまわすアレンジとか繰り出し、そういった部分がすぐに全面に出てきます。また2曲目などはかなりポップなリフと、ストロング・ハードな面を交互に出してきたりして、面白いです。FATのコンピかなんかに入っていた8曲目あたりは、単体で聴くとすごくハードな印象を持っていたのですが、アルバム全体で聴くと、当然、ストロング・ハードかつ、ダークに飛ばしてもいきますが、かなりポップ(といってもある程度ですが)な面も垣間見れて、この辺のバンドの音にしては、随分と聴きやすい方のサウンドではないかと思われます。
なんかこのバンドも、アルバム一枚だし、少しほったらかしちゃってて、以前はもっとハードな印象とか持ってたんですけど、今聴くと本当に聴きやすいなぁとか思ったりします。ていうか、最近、私の耳のほうが、黒く激しいのを求め過ぎなのかもしれません。なにせ何でも普通に聞こえてしまいます。そう思うとM-SIXTEENあたりとかは、本当にエグい感じがして、なぜかDISTRICT 7を聴いて、M-SIXTEENをさらに好きになってしまう私でした。
DISTRICT 7 MySpace http://www.myspace.com/district7













