High-Speed-Flower
徹頭徹尾高速哀愁。HIGH-SPEED-FLOWER RECORDS レーベル情報、高速メロディックパンクを中心に、バンドや音源について書き連ねていきます。
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ONE FOOT -ROLL THE DICE・NEVER ENDING-
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HIGH-SPEED-FLOWER RECORDSを立ち上げようとしたとき、当初の予定としては、日本国内の高速でメロディアスなバンドのリリースを基盤にと考え、海外のアーティストは、レーベル自体が軌道に乗り始めてから、後々やっていこうというような考えでいました。しかし、こういった日本のシーンにおける、洋楽中心の流れに於いて、リスナーの訴求的なものもそうであるし、また、バンドをやる側の人間たちも、即発射という作品やスタイルを持ち得ているバンドも多くなく、多少の難航に直面することになりました。
そのような成り行きや現状もあり、HIGH-SPEED-FLOWER RECORDSは、現在のような動きをとることになったわけです。そしてその最初の仕事は、とにかく、無契約の海外のバンドを探すことになります。もちろん、なんでも良いというわけではありません、そこには、レーベルのコンセプトに沿った高速かつメロディアス、そしてさらに良質でなければならないという、最も大きな前提があります。なにせアーティストモノの第一弾です。そこには、私の思い入れや拘りといったものもあります。当然のように、私自身が好きなバンドであることも重要なことでした。そして思いついた幾つかのバンド、その中の一つが、このONE FOOTであったのは、言うまでもありません。そう、ONE FOOTであれば、私の思い入れや拘りを存分に満たしてくれるに違いありません。そして、真っ先に彼らONE FOOTとの交渉を開始することになりました。何分、お互いに初めての体験です。そこには多少なりとも困難はつきものですが、それでも、お互いの意見を率直に交わしていくことにより、意志の疎通もでき始め、お互いが望む方向での発表の形ということが、最大限に反映できたのではないかと思います。そして、ONE FOOTの"ROLL THE DICE"という作品は、この日本で国内盤という形で発売されることになりました。また、現在、かなりのレア・アイテムと化している彼等のデビュー・アルバム、"NEVER ENDING"も同時発売というオマケ付きで。

スペインはマジョルカ島出身の哀愁のメロディーを基調としたメロディアスなパンク/ハードコア・バンド、ONE FOOT。Toni Melis(トニ・メリス) Vo./Ba.、Beni Amorós(ベニ・アモロス) Ds.、J. Toni Muntaner(J.トニ・ムンタネール) Gt./Ch.、Toni López(トニ・ロペス) Gt./Ch. 。結成は2000年。ドラマーのベニ・アモロスと前ギタリストのマルコス・ナバーロが地元のバンドの影響を受け、メロディック・ハードコア・バンドを結成。そこにトニ・メリスがベースとしてバンドに参加。そしてJ.トニ・ムンタネールが加入。数ヶ月の間ボーカルを探していた彼らだが、トニ・メリスがボーカルに適切だと判断し、ベース・ボーカルという、現在も続くスタイルを確立。そして、そのサウンドもNOFX,Bad Religion,Lagwagon,No Use For A Nameなどに影響を受けた'90年代のカリフォルニア・スタイルへと変化していく。彼らはスペイン・マジョルカ島の自治体の小さなスペースで、止むことなくリハーサルを行い、以後、ONE FOOTは多くのライブをこなし、僅か1~2年で、彼らの名はマジョルカ島全土へと知れわたり始めていた。
そして、2001年、彼らは1stアルバム、「NEVER ENDING」を発表。しかし、そのわずか1ヶ月後、マルコスが脱退。すぐに、彼らの全てのライブに同行していた、彼らの友人でもあったトニ・ロペスが加入した。彼の加入はバンドに新たな方向性を示し、さらに音楽的な一貫性を持つことになる。そして、2002年末、トニ・ロペスを加えた第二期ONE FOOTは、2作目のデモを録音する為にスタジオに入り、よりメロディアスに、より叙情的に、個性を強調し、起伏に富んだ、さらにセンチメンタルな音楽へと変化していくこととなる。
彼らは、母国の"Art Jove"というコンテストでも90バンドの中から、グランプリを勝ち取り、また、"Musicnauta"というコンテストでは、140バンドの中で準グランプリを受賞といった、その実力も折り紙つきで、その後もBELVEDEREやUNDECLINABLE、VANILLA SKY、LESS THAN JAKEといった日本でも有名なバンドたちとも共演を果たし、数々のLIVE、ツアーを重ね、本格的なLIVEバンドとして、ヨーロッパ全土でも注目されるようになる。そして、2006年、彼らの待望の2nd.アルバム「ROLL THE DICE」がリリースされる。
そして2009年。現在ONE FOOTは新たなるテーマを抱え、スペイン全土、そして欧州各地で、精力的にLIVEを行い、ツアーの日々を続けている。
以上が、彼のスペイン語のバイオの翻訳です。スペイン語に堪能で、翻訳をしていただいた、blog51daysの郁さん、Thanks a lotです。

ONE FOOT、その哀愁と叙情感は半端なしです。彼等はその初期から既に、その類まれなる哀愁や叙情感といったものを、持ち合わせていました。レーベルの品番としては、前後しますが、まずはその2001年のデビュー・アルバム"NEVER ENDING"のお話から。
上記のバイオ部分にあるように、現在のラインナップによる作品ではありませんが、以後さらに確立され、そして開花していく、哀愁/叙情メロディアス的要素は、その多少拙いサウンド・プロデュースと、性急で初期衝動の溢れた演奏の中にも、それは充分に見てとれ、バンド本来の魅力的な部分や資質は、現在のある種確立されているスタイルの礎として、その表面上にも見え隠れしていると思います。
そのカッツカツの性急さと、音作りから、およそ近代的には、いわゆるB級というカテゴライズをされがちではあると思いますが、もしもこの作品が'90年代に登場し、日本に割と馴染みのある国でのリリースであったと仮定したなら、その印象は大きく変わったのではないのかと、私は思います。いかんせん、洗練されていない演奏と音作り、また曲調が高速一辺倒なので、その良質なメロディーや、当時から訴求力と表現力を備えている、魅力的なボーカルの印象が薄れ、起伏に欠けてしまうといった部分が、惜しくも佳作的な印象を持たれる方もいると思いますが、それでも、現在、まだ20代半ばということを考えれば、当時、その若さで、およそインディー丸出しなこの作品における、精度といったものは、充分に評価でき、また讃辞に値するものであると認識しています。
そして、この作品を出した後、ギタリストにToni Lópezを迎え、彼等は革新的な発展と進化、個性と洗練の共存、さらなる哀愁と叙情の深みを手にすることになります。

"ROLL THE DICE"。2006年にリリースされた、彼等の2枚目となるフルレングス。その初期からの良い資質を残しつつ、さらにそれを発展させ、格段に成長をした演奏力や表現力を持って、よりメロディアスに、より叙情的に、その確立された個性で、高速哀愁メロディックを凝縮した作品を、彼らは提示してきたのでした。
ここには前作では遠く感じられた洗練というもの、そしてバンドとしてのより強い個性の強調、また自分たちの資質や本質を理解した、巧みな表現の形というものが、確実に存在しています。彼等の成長の証でもある、それらの全ては、その楽曲に、そのメロディーに、そのフレーズに、如何なく発揮されていると思います。
こと高速という部分に於いては、前作に分があるかもしれませんが、その引き換えに彼等は、より強い叙情感、より強い表現力、より強い楽曲ごとの印象、といったものを前面に押し出すことに成功し、自らの作品に深みや奥行き、そして起伏、なによりも感情をドラマチックに表現する力を手に入れたと言えるのではないでしょうか。ある意味でセンチメンタリズムの極みとも取れる、個性と世界観を持った歌詞は、その曲調やスピード感に絶妙にマッチし、その曲それぞれに合った世界観が浮き彫りになります。そして、それら一つ一つ楽曲を繋ぎ合せ、一つの物語のような作品を紡いでいると言えば、大袈裟な言い方になるかもしれませんが、それほどまでに深みと味わいのある作品として、私の心に強く残ったバンド、そして作品が、このONE FOOTの"ROLL THE DICE"でした。
だからこそこの作品を、HIGH-SPEED-FLOWER RECORDSのアーティストものの第一弾の作品として選びました。

私は私自身が大好きであるこのバンドを、そして彼等の作品を、一人でも多くの人に聴いてもらいたいと思い、今回、国内盤として、彼等の現段階で全ての音源である、この二つの作品をリリースしました。両作品ともフルアルバムにして、価格を極限まで抑えたのは、バンド側の、買いやすい安価で、一人でも多くの日本人に手にとってもらいたいという、意向によるものです。作品的な価値として、それが正しいのかどうかは、私やバンドが判断することではなく、手にとってくれたリスナーが判断することであると思います。ただ我々は、自らの意志で、この金額設定で、この形でのリリースをしました。そこに於いては正しいか、正しくないかといったことは眼中になく、お互いがやりたいようにやったらこうなりましたという感じの、実に自分たちの好きなように好き放題にやるといった、HIGH-SPEED-FLOWER RECORDSらしいやり方であると思い、それこそ素晴らしい仕事だなと自負しております。
また、私が初めて、海外の人と、概念や哲学的な部分でも、深く突っ込んだ話をしたのも彼等が最初です。私がそこに見たのは、今の日本の若者にも少なくなってしまったであろう、義理や気概や情熱といったものでした。言葉の壁といったものはありつつも、年齢も国も遠く離れた若者と、そうした熱い想いのようなものを感じ取れることができたのは、私にとっても非常に良いことだったと思います。また、それは私がこれからレーベルを続けていく上でも、指針となるべき重要なことであると思っています。
彼等の新しい作品を、色んな話をしながら、お互いが望む形で、お互いの想いを共有し、その共有できる想いを見知らぬ誰かに拡げていく日が来ることを願いつつ、次の仕事に取り掛かろうと思います。


2009.5.30. HIGH-SPEED-FLOWER RECORDS Ku-ge


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