High-Speed-Flower
徹頭徹尾高速哀愁。HIGH-SPEED-FLOWER RECORDS レーベル情報、高速メロディックパンクを中心に、バンドや音源について書き連ねていきます。
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NEUTRAL - THE THIRD COMPROMISE


CAFFEINE BOMB RECORDSから、このHIGH-SPEED-FLOWER RECORDSに移籍し、今年で結成15年目を迎えるNEUTRAL。彼等にとっては2枚目となるフルレングス"THE THIRD COMPROMISE"。NEUTRALの新しい形、そして今を体現した最新作。

CAFFEINE BOMB RECORDS時代は、メタリックな要素も多分に含んだ日本の高速メロディック・ハードコアの奔りとして、その高い完成度やテクニカルさが際立っていた印象だが、2010年以降、現在のラインナップになってからは、彼等はその方向性を大きく変えていくことになる。
メンバーチェンジ後の彼等は、そのフェイヴァリットとする初期のLAG WAGONにも通じる、また、'90年代の欧州のメロディックなどを感じさせる、そんなどこか懐かしい匂いのするメロディック・ハードコア・サウンドを基盤に、以前からも時折垣間見せていた、ALL/DESCENDENTSを感じさせるフックの効いた楽曲も交え、その最大の魅力でもある良質なメロディーにより磨きをかけていく。
彼等が以前の高い演奏力やその確立されたサウンドプロデュースと引き換えに手にしたものは、より個性的なアレンジとアプローチであり、その自由な発想と自由なスタンスだと言えるのかもしれない。

1998年、山梨で結成、地元を中心にマイペースに活動を続けてきたNEUTRAL。結成翌年に4曲入りのSELF TITLE MAXIをリリース。2001年にMAXI SINGLE "FAST MIND"リリース、2002年に配布用DEMO、2004年に1ST. DEMO SINGLEを自主制作によりリリース。
その後、CAFFEINE BOMB RECORDSと契約した彼等は、2006年に初のフルレングスにして初の一般流通作品となる"Work Out A Compromise"をリリース。2008年には結成10周年の記念作となるミニアルバム"Compromised oneself"をリリースする。
幾度かのメンバーチェンジの後、2010年以降の現在の、大高 佑輔(Vo./G.)、服部 大樹(B.)、五味 慎一(G.)、河野 和幸(D.)というラインナップになり、それと共にそのサウンドも大幅に変わって行くことになる。その新しい布陣により、完全な自主制作としてフリーな立場で2011年にリリースした、"All B-side Compromise Disc E.p"は、そんな彼等の新しいスタイルを存分に見せてくれる5曲を収録し、本作へと繋がる布石ともいえる、新しいNEUTRAL、そしてこれからのNEUTRALといったものを見せてくれた作品でもある。そして、同年、当レーベルよりリリースした、"HIGH-SPEED-FLOWER VOL.3 -TOO FAST EVERYWHERE-"に新曲"Distrust"で参加。そして、このHIGH-SPEED-FLOWER RECORDSに活動の場を移し、より自由に、そしてマイペースに活動を続けていくわけである。

そして本作、この"THE THIRD COMPROMISE"。
オープニングは哀愁のメロディーと疾走感の"Lip synch country"で幕を開ける。そう言葉にすると、以前の彼等の作品とまったく同様の印象を受けるかもしれないが、おそらく一聴していただけるだけで、その質感が違うということを理解していただけるだろう。
決して先鋭的でなくとも、全速で突っ走ろうとする疾走感、至るところに垣間見れる、どこか懐かしいフレーズ、その良質なメロディーを、肩の力が抜き、より滑らかに歌い上げるボーカルスタイルとコーラスワーク。それらはより一層、初期のLAG WAGONなどを彷彿とさせてくれる、'90年代ドストライクのサウンドなのではないかと思う。
続く"Forest"も疾走感のあるナンバーながら、どこか懐かしさや優しさを感じさせてくれる、これまでの彼等とは一線を画す、これからの彼等を体現したかのような、彼等自らが推し曲とするに相応しいパンク・ナンバーに仕上がっている。
"No title 07"は、ALL/DESCENDENTS的な入口と出口でハードパートを挟むフックの効いたショートチューン。"15 minutes ago"も同様にALL/DESCENDENTSの趣を感じさせながら、そこに彼等のメロディアスさといったものを詰め込んだスタイル。そしてサビあたりに歌モノとして起伏を魅せるミッド、"Finally Found"。ハードなリズムから、落ち着きのあるメロディーへ、そしてまたfastへとぶっ飛ばしていく"Muddily"。そしてショートチューンのインスト"Move about in confusion"。ここまでの件は、彼等のALL/DESCENDENTSフォロワーとしての要素が、以前にも増して如実に前面に押し出されている展開であると思う。
"Take back Jessica"は'90年代の海外のメロディック感も丸出しの展開やそのアプローチ、昨今の流れからすると、この辺りにも、もはやオールドスクールとも言えるかもしれない、'90sメロディック・ハードコアへの彼等の愛情というやつが存分に窺えるだろう。
続く"The key to myself"は、現在の彼等のそのメロディーの円熟感や、カッコよさより味でしょうといった姿勢すらも見え隠れするミッド。
そして、"Mountain pear"は、ポッと聴き、英語なのか日本語なのかもわかんないという、実に面白い歌唱で飛ばすFastチューン。その歌詞は彼らにしては珍しい日本語なわけだが、そこに甲州弁なども織り交ぜてるらしく、一種独特の雰囲気を醸し出している。この辺も今の彼らにだからこそできる、新しく、そして実験的な試みなのだろう。
そしてハードコア・アプローチのショート・チューン"Not be concerned"。そしてALL/DESCENDENTSフォロワー特有の変態感すらも匂わせる"fALL"。アコースティックで22秒"I want to be..."。ALLの"Just Perfect"あたりを彷彿とさせるギターフレーズで始まる"Technology"。そして当レーベルのV.A.にも収録のメロディック・ハードコア・ナンバー"Distrust"のニューバージョン。
この起伏こそが、この新しいNEUTRL。それにしても、なに?この溢れる'90sメロディックへの愛(笑)。
時代の流れに逆らい、今一度、自由奔放に己が愛するパンク・ロックを自分たちのスタイルでマイペースに体現していこうとするこのNEUTRAL。そんな彼等の在り様が、個人的にはもうホント痛快なわけです。

一概には言えないだろうけど、昨今の日本、いや海外ですらも、メロディック・ハードコアなるものと言えば、メタリックでメロディアスで高速でって、まあ、そういった形容以外に何も思い浮かばないし、SATANIC SURFERSやBELVEDERE以降のサウンドにしかインスパイアされず、それらをなぞっているようにしか見受けられない若い人たちが圧倒的に多いと思うわけで。
私なんかの世代のオリジナル・パンクから始まって、パンクというサウンドのその流れとしてメロディック・ハードコアという捉え方からすると、そこに突出した個性も年々見い出せなくなってきてるし、今の自分の生業として、そういったパンクの新しい形を提供していく立場にありながらも、一個人のパンクスとしての自分には、そこにどこかしっくりこない居心地の悪さとかってのを感じてしまうわけで。
もちろん、そうなってしまったのは、きっと私なんかにも責任の一端はあるのかもしれないし、そもそもなにもマニアックになれとか言ってるわけではないんですよ。ただね、時代錯誤な言い方になってしまうかもしれなくて申し訳ありませんけども、ボクの若いころは、パンクって、そんなテクニック云々なんてものどうでもよかったし、ただパンクが好きでこれしかやれないって人たちばっかだったと思うんですよ。
そして'90年代とかでも、そういうただ好きなだけで突っ走ってた可愛いバカとかがいっぱいいた思うんですよね。

だからこその今、このNEUTRAL。これまで持っていいたモノをかなぐり捨て、テクニックシカト上等と勝手に自由気ままにブッ飛ばす可愛いバカ共、そんな私の大好きなパンクバカであるこの新生NEUTRALの新しい作品"THE THIRD COMPROMISE"を、彼等以上にどうしようもないバカなパンクスがやってるHIGH-SPEED-FLOWER RECORDSからリリースしました。


2013.5.6 HIGH-SPEED-FLOWER RECORDS Ku-ge

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